働く前に知っておこう!派遣・請負・契約社員の違い!
雇用形態は大事です
正社員で働くのが難しいとなると、「派遣社員でもいいかな」と思うことがありますよね。
派遣社員が珍しい存在ではなくなった現在、それも選択肢の一つではあります。
しかし、契約を結ぶ前に雇用形態をきちんと確認しておかないと、後で大変なことになるケースもあるので注意が必要です。
今回は派遣・請負・契約社員について、違いと特徴を取り上げます。
派遣社員は、意外としっかりした制度
まず、すっかりお馴染みの派遣社員の定義からお話しましょう。
派遣業務を行っている会社と契約し、別の会社(派遣先)に行って働くことを派遣社員といいます。
労働契約をしているのは派遣業務会社です。
実際に仕事上の指示を受けるのは派遣先になります。
もっと簡単に言うなら、お手伝いさんのようなイメージです。
何かと悪いイメージがつきやすい派遣社員ですが、意外と法律によってしっかり守られています。
労働者派遣法という派遣社員を想定した法律がありますし、労働基準法も適用されます。
また、「本当は、派遣会社は派遣先に倍の金額を請求していて、本人には半分の額しか払っていない」というような「搾取の象徴」とされていることもありますが、これは一概にそうだとは言えません。
なぜなら、仮にこの通りだとしてもまるまる全てが派遣会社の利益にはならないからです。
どんな仕事や会社でも、保険料などの経費がかかりますよね。
もちろん、派遣会社本体の社員に払う給料もあります。
これらを差し引くと純利益=マージンとはなりません。
ですので、「派遣会社が不当に搾取している」という考え方はちょっと違うのではないでしょうか。
派遣もデメリットばかりではありません
派遣社員のメリットとしては、「労働に関する条件を全般的につけやすい」ということです。
例えば、「子供が小さいので週2日しか働けない」というママさんの場合、正社員で働くのは難しいですよね。
しかし、派遣社員であればこういう条件でもOKという会社もあります。
また、働く期間が最初から決まっているので、どんなに嫌なことがあったとしても「その期間さえ過ぎてしまえば職場を離れられる」というのもメリットではないでしょうか。
もちろん、双方の合意があれば契約を更新して長く働くこともできるでしょう。
いろいろな会社を渡り歩くことによって、人脈を広げることもできますね。
逆にデメリットとしては、収入が不安定なこと。
これは多くの場合時給制を採用しているため、土日祝日の日数によって収入にバラつきが出るからです。
また、ボーナスが出ないこともその理由です。
交通費に関しては出るところと出ないところがありますので、契約する前によく確認しておきましょう。
請負契約は損が多いかも……
派遣社員と逆に近い意味合いになるのが、請負契約です。
これは簡単に言うと、「仕事の完成」を約束し、完成した仕事と引き換えに報酬を貰うという契約。
例えば、大工さんは家を建てることを請け負い、家が完成したら家主から報酬を貰いますよね。
実際はもっと複雑ですが、これが請負契約に当たります。
他に、依頼の達成を持って報酬を受け取る弁護士などの法律家なども請負契約です。
ライターや漫画家などの作品提出=報酬をもらえる職業もここに入るでしょう。
さて、なぜここで請負契約を取り上げたかというと、これに関する問題が多々発生しているからです。
「実際は派遣契約に近いことをしているのに、契約書では請負になっている」というケースがままあります。
なぜかと言うと、請負契約では労働基準法の適用を受けないことが最大の理由です。
つまり、労災が起きたときに雇う側の責任が問われない、保険料の負担義務がないなど、会社側にとってはメリットがたくさんあるのです。
ですが、派遣に近い働き方であればこれはもちろん違法行為。
判断基準が複雑なので、契約を結んでから「実は請負でした」ということがわかると、ひっくり返すのは相当大変です。
契約書をよく読んで、もし請負と書かれていれば注意する必要があります。
契約社員は、直接会社と契約します
最後に、契約社員についてです。
これは会社と直接雇用契約を結んで働くというもの。
正社員との違いは、雇用期間が定められていることなどです。
派遣社員と正社員の中間と考えてもいいかもしれません。
会社によってはボーナスもあります。
ただし、間に派遣業者が入らないので、昇給などの交渉は自分でやらなくてはいけません。
専門職に多い形態でもありますので、高いスキルが求められます。
契約書をよく読もう
どの雇用形態でも、実際に働き始める前に契約書を隅から隅まできちんと読むことが大切です。
そして、わからないことや「これ、もしかして……?」という点は事前に確認しましょう。
確認をしなかったばかりに、大損をした人はたくさんいます。
自分の身は自分で守り、心身ともに気持ちよく働きましょう。