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同僚や部下に相談された時、的確なアドバイスなんて必要無い!

同僚や部下に相談された時、きっと相手の立場になって良い解決策をアドバイスしてあげようと思うあなたは、とてもいい人です。

しかし、相手が自分の中から答えを見つけ出せるように持っていく方法が解決への最短距離。ほとんどあなたが話さずに解決方法を見つけ、相手はあなたに感謝する方法を伝授します。

あなたはいい人です

同僚や部下から相談されると、相手のためにと思って真剣に解決方法を提示してあげたり、親身になってロジカルな意見を述べたりしていませんか?そんなあなたは本当にいい人だと思います。

しかし、相手にとって、あなたの親身のアドバイスは、実は有効でない場合が多いです。例えあなたの意見がどれだけ的を射ていたとしても、どれだけ適格で正しいアドバイスだったとしても、その効果は薄い事が多いです。

なぜなら、相手はあなたの話を聞いているようで、ほとんど聞いていないからです。例えあなたの話を耳からしっかり聞いていたとしても、その人の脳の中でその人なりの過去の経験を元に変換され、アウトプットした時にはあなたの意図と異なる結果を出す事が多いからです。

こんなご経験は有りませんか?あなたの親身のアドバイスを取り入れると言った同僚や部下が、全くあなたの思った成果を出さなかったり、あなたの思った行動と全然違う実践方法をしていたり。

あなたの脳とその人の脳の違いがそうさせるのです。それは、同じ言葉を聞いて、持つ印象が違ったり、同じ色を見て感じる事が違うのと同じ理由です。

その時相手は

あなたの親身のアドバイスを受けている相手は、その時何を感じているのでしょうか?様々なケースが考えられます。

あなたのアドバイスにその相手を否定する言葉が含まれていたとします。そうすると、その直後のあなたの言葉は相手には届きません。相手は否定に対しての反論を頭の中で考えているはずです。

あなた「そういう場合にお客様に口答えをしてはいけなかったと思うよ」

相手「あれは口答えのつもりではなかったんです」

と言う風に、アドバイスに対して、なぜか反論になったりするのです。

他のケースでは、例えばあなたのアドバイスが長いとします。そうすると相手は「とりあえずアドバイスを求めたけど、話がくどいなぁ・・・」って思っているかもしれません。

更に、他のケースでは、質問した時点で自分で解決をし、あなたのアドバイス自体が耳にも入っていないかもしれません。

どんなパターンにしても、あなたのアドバイスをそのまま受け止めている可能性は少ないですし、仮に受け止めたとしても、脳の違いが、全く異なるイメージを生み出している可能性が高いのです。

あなたのすべき方法は

そんな状態で、まともにロジカルなアドバイスを送る事は、はっきり言って不毛な事です。

そんな事に腐心するよりも、相手に良いアドバイスを受け取ったと思ってもらう事の方が有益です。その最も良い方法は聞き上手になる事なのです。

相手「実は会社の人間関係で悩んでいるんですが、どうすればいいと思いますか?」

あなた「そうだねぇ。どういう風に悩んでいるの?」

相手「まわりの人が僕のミスに寛容ではないんです。厳しすぎるんですよ」

あなた「そうなんだ。大変だね。どうしてミスに寛容じゃないと思うの?」

相手「ひょっとしたら嫌われているんじゃないかなぁって思うんですよ」

あなた「それは確実なの?」

相手「いえ、確実ではないのですが、何となくそう思ってしまって・・・」

あなた「そうなんだ。なぜそう思ってしまうの?」

相手「多分ミスをするからでしょうね。ミスが減ればそんな風に思わないかも知れませんが、ミスで自信を無くしているんだと思います」

あなた「そうなんだ。どうやったらミスが減るんだろうね?」

相手「チェックシートを作って小まめにチェックすれば減ると思います」

あなた「そうなんだ。じゃあチェックシートを作ればいいんだね」

相手「ほ、ほんとですね!チェックシートを作ればミスが減って、色々と気にする必要は無くなりますね!ありがとうございます!」

あなた「いやいや、僕は別に何も言ってないよ。でも良かったね」

相手「いえいえ、とんでもない、素晴らしいアドバイスをありがとうございます!おかげで明日から会社に行く事が苦痛じゃなくなりますよ」

と、いう具合に、あなたはほとんど何もアドバイスしておりません。ただ相槌を打ったり質問をしただけです。

しかし、相手の中ではあなたは悩みを聞いてくれて、適格なアドバイスをくれ、あなたのおかげで相手の悩みが解決されたという風に錯覚をするのです。聞き上手になって、相手に答えを導き出させる相談方法を取りましょう。