目利きにかかる期間は３年！リサイクルショップの古物商になるには
中高年で転職を考えたとき、初期費用が少なくてすむ便利屋やハウスクリーニングなどの他にリサイクルショップの開業というものがあります。
中古品を扱う業種とは言え、業態が幅広く、どんな品物を扱うかで店の規模が決まってきます。そこで、リサイクルショップを開業するための基礎知識とスキルについて紹介します。
リサイクルショップを開業するために必要なこと
リサイクルショップを開業するには、都道府県の公安委員会に届出をして許可証を取ることから始めます。
申請の方法は公安委員会のＨＰに詳しく書かれていますから、ここでは省略します。
ただ、申請するときに重要な項目は、古物の区分が１３項目あり、その中のどの品目を主として取引するかを決めておくことが大事です。各種書類を用意して、問題がなければ４０日後に許可証が与えられます。
開業資金は、それほど必要ありません。できれば、軽トラックは欲しいところです。
最初は、便利屋の副業くらいに考えて開業したほうが効率的です。なぜなら、扱う品目が最初は１種類だけなので事業の規模を大きくできないからです。
安易な気持ちで不用品回収業者になり、家電４品を扱えば家電リサイクル法に違反してしまう危険もあります。それで摘発されてしまうと古物商の許認可はたちまち取り下げられてしまいます。
古物商で扱える品目を増やしながら、一般廃棄物収集運搬業の許可を取る方向でいくことをオススメします。
商品に対する目利きは必要なスキル
リサイクルショップのうまみは、家庭や商店などのいらなくなった不用品を買い取って修理、クリーニングし、市場価格より安価な値段を設定して差益をうることにあります。
当然そこには、商品に対する目利きが必要なことは言うまでもありません。
ベテランの古物商に話を聞いたところ、最低３年は目利きの修行が必要だそうです。
したがって、開業当初から目利きのできる業者はいません。失敗しながら値付けをして、徐々に適正価格を設定できるようになっていくのです。
特に利益を上げるチャンスに、家一軒まるごと片付ける、というケースがあります。便利屋と兼業して一般廃棄物収集運搬業の許可をもっていれば、かなりの収益を上げることができます。
店の規模は、徐々に大きくしていくほうが危機管理もしやすく安全です。最初から倉庫を借りて開業しても、まず品物が手に入りません。
地域を限定してチラシを配り、地道に顧客を集めるようにします。
リサイクルチェーンの株式会社生活創庫の代表取締役社長、堀之内九一郎さんは、事業に失敗して掘っ立て小屋に住み、生活に必要な家電製品や道具類を修理して同じような境遇の浮浪者に売ることから商売を始めています。
創意工夫と機動力がスタートアップの時の原動力だったといいます。軌道に乗るまでは、時間もかかります。その間の生活資金があれば、事業を継続させることができます。
修理技術やクリーニングのスキルも必要
スキルについては、家電品の修理技術が必要になります。エアコンや冷蔵庫の再生には、特殊な技術と道具類が必要になるため、最初は扱わないほうがいいでしょう。
使える状態の冷蔵庫は、クリーニングします。黄ばみや庫内の清掃をして清潔にする必要があります。
技術というよりも、きめ細かい掃除のテクニックを身につけることです。家具類については、傷がつかないように磨きをかけます。専用の洗剤は、ホームセンターなどでも手に入れられます。
最近は、介護用のベッドなどの買取商品をリサイクルするケースも増えています。電動部分の故障箇所があれば、修理して使えるようにします。
老人介護でリフォームを手がけている大工さんと提携すれば、販路も確保できるでしょう。新品同様の介護ベッドもあるので、リサイクルショップには狙い目の商品です。
衣類を対象とする場合は、趣味でパッチワークや裁縫をしている人たちのグループとダッグを組むことをおすすめします。
アンティークな小物や仕立て直した洋服などは、大きな収入源となります。各地のフリーマーケットを小まめにチェックするのも、掘り出し物を見つけるチャンスになります。
近くのリサイクルショップとの関係を築いておく
リサイクルショップを立ち上げて、商品の在庫が増えてくると回転率に影響することを当初から考えておきましょう。
近くにリサイクルショップがあるなら、相互扶助して商品を譲り合う取り組みも心がけましょう。
店によって売れ筋商品が違うので、売れないと分かっている商品については早め早めに処分しましょう。
対応が遅れると、どこのショップも預かってくれない可能性もでてきます。そうなれば不良在庫として残るだけです。在庫管理も大切なスキルですから早く覚えてしまいましょう。
基礎知識とスキルさえあれば、リサイクルショップは目利きを磨いていくだけです。チャレンジしてみましょう。
