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豪華な施設、いつも爽やかなファッションで。ホテルマンの実態とは?

威風堂々とした重厚でモダンな外観、ゴージャスなエントランスホールと広々としたロビー、そしてグルメには堪えられない世界の料理が楽しめるレストランやカフェなどが整ったホテル。

そこではオシャレなユニフォームや最新のファッションに身を包んだホテルマンやホテルウーマンが、優雅な立ち居振る舞いで、世界各国から訪れる来場者に応対しています。

以前テレビドラマにも取り上げられたこともあり、ホテルへの就職は現在も根強い人気を保っています。

では、ホテルを舞台にした仕事の実態とはどんなものなのでしょうか?銀座にある外国人客が多いホテルのレセプションに勤めている女性(A女史)と、新宿にある世界規模で展開しているホテルの営業を担当している男性(B氏)とに、ホテル業界の内幕と業務の実態をインタビューしてきました。

A女史:私は英語が得意(TOEIC:890点)だったので、新入社員の時からホテルのフロント(レセプション)に配属されました。うちのホテルのフロントは、3交代制なのですが、配属当初は無我夢中だったので、残業も厭わず仕事に打ち込みました。それが災いしたのか、今でも国際会議やVIPが宿泊している時などは、ほとんど24時間勤務状態になっています。彼女には頼みやすいと言うことなんでしょうね。

B氏:私は営業なので、一応8時30分から17時30分と言う勤務時間が決められています。しかし、外回りをすることが多いのと、お客様から「ホテルを見学しながら打ち合わせをしたい」と言われることが多いので、週に20時間~25時間くらいのサービス残業をしなければなりません。私の場合は、週末や休日出勤も珍しいことではありませんね。競合ホテルとの会議やパーティーなどの争奪戦ですから。特にこの新宿界隈はホテルが乱立していますので。

A女史:話は飛びますが、ホテルの従業員以外の方は、ホテルの事務所とか裏方を見た事がないと思います。ホテルの従業員が使う事務所や裏方は、表の豪華さや広々とした開放感とは裏腹に、狭くて使い勝手が良いとは決して言えない環境なのです。Bさんのホテルはどうですか?

B氏:同様です。私は転職組で、10年間には香港にある某三ツ星ホテルで働いていましたが、日本とは衛生観念の違いもあるのでしょう、毎日が驚きの連続でした。特に厨房の裏方は、言葉では表現できないカオスの世界でした。

B氏:ホテルの裏方もそうですが、ホテルマンは24時間勤務に耐えられる体力と気力がないと務まりませんね。同僚の何人かは体力が持たないので配置転換を申し出た所、地方にある関連ホテルへの出向を命じられました。

A女史:その方は出向命令に従ったのですか?

B氏:いいえ、退職しました。家族もいますし、自宅が東京だったこともあるのでしょうね。

A女史:ホテルで働くことは、世界の人達と知り合いにあるチャンスが多いと言うメリットもありますが、なかなか自分の時間を創れないと言うジレンマを誰しも抱えていますね。

B氏:ホテルの宿泊客は減っているし、ネットの普及で宿泊料も格安にしないと集客は出来ないし、といった負のスパイラルに入っていますね。そのためでしょうか、パーティーや結婚式、会議などの営業に力を入れてきていますね。ホテルマンでもユンフォームのある部署の人達はいいのですが、我々営業マンは自腹でスーツを用意しなければなりませんので、結構出費がかさみますよ。

A女史:でも私はホテルで働くのが好きなので、結婚しても継続して働くつもりです。性に合っているのかもしれません。

B氏:私もホテルの雰囲気や仕事内容が好きなので、これからも働き続ける積りです。

いかがですか、ホテルで働くことの明と暗。楽な仕事はどこにもないのが現実です。