• RSS

利益や成果ばかり追い求めるな、最も大切な満足感を求めなさい!

利益や成果ばかり追い求めるとギスギスした人間になる

企業間競争は激しさを増すばかりだ。この競争に勝つためにほとんどの職場で「効率化」が追求されている。

効率化を非難するつもりはない。しかし効率化に傾きすぎることで生じている弊害もあるのだ。その弊害とは、きざな言葉になるが「人間的判断力」の喪失である。

人間的判断のすばらしさは「あいまい判断」や「優柔不断」にあるのかもしれない。ようするに機械のように白黒ハッキリつけないことが「人間的判断」なのだ。こうした人間的判断が経済効率に反しているのはよくわかる。しかし、人間的判断は結果ではなく過程に重点を置いている。そこが機械的判断との違いだろう。

機械的判断力のようにドライな判断は利益という有益な結果を確実にもたらす。ひきかえて人間的判断は結果ではなく行程や経過を主眼とする。このため意に反した結果になることが多い。しかし人のつながりが深まる成果を生み出すことは多いのだ。これが機械的判断との大きな違いである。

結果ばかりに目をやると人間関係までドライになる。ドライはウェットな感情を排除するので人間同士のつながりが薄れる。これがギスギスした職場の一要因として考えられるのだ。

若者の多くは幼い頃からデジタルゲームで他人との交流を断って来た。社会人となってからはパソコンを仕事道具に過ごしているので、人との物理的な接触機会がほとんどない。意思疎通もメール。会話も顔を見ない携帯電話という状態だ。これが積み重なることで、相手への気づかいができない人が増えている。

文明と文化

人間社会は文明と文化で成り立っている。文明と文化は相互関係にあるもので、現代のように文明にばかり力が注がれてしまうと、文化力が低下する。文化力は人間力とでも言い換えればいいのだろうか。文明発展によって便利になりすぎたことが新たな問題をつくりだしているのだ。

効率化は文明の産物であり、収益を上げることに集中するあまり、人間関係を薄れさせてしまう。その文明は文化をも蚕食しているのだ。地方のお祭りなどがよい例で、収益のでない「祭」は淘汰される。結果、日本古来の伝統行事がどんどん消えている。継承者が少なくなったのも文明力に偏りすぎたことが原因である。

人間関係が「わずらわしい」と敬遠されるのも、効率化が要因であろう。度の過ぎた効率化は人間的つながりという社会秩序を壊すのだ。効率化についていけない人間に心身症の発症が増えている。人間社会の健全発展のためには、文明と文化の適度のバランスが必要なのだ。

忙しいときでも笑顔を絶やすな

忙しく働き、周囲が見えない状態のときに笑顔はない。たいがいは怒り顔か無表情になっている。怒り顔ならまだましだ。怒りが表現できているのだから。無表情という状態がよくない。無表情状態が続くと感情の起伏もなくなる。まさにロボット状態の効率的人間になってしまう。

感情のコントロールができなくなり、やがて心身障害が急増する。もしかして、あなた自身も感情コントロールできない状態に陥ってはいないだろうか。鏡の向こうに笑顔の自分がいるかチェックが必要かも。

あなたがすべきことは、自らの感情を固まらせないことだ。そのためにも笑顔をつくってもらいたい。不思議なことに人間動物は笑顔に反応するようだ。笑顔をみて嫌な感情を持つ人は少ない。

企業のサービスショップでは接客用のつくり笑顔まで教育している。こうした職場での人間関係は良好なところが多い。笑顔は感情を左右する不思議な力を備えている。この力を自分自身のために活用しよう。

苦しくなったら自分の笑顔で自身を救いなさい

寂しいことだけれど最後に頼れるのは自分しかいない。それが社会の真実だ。先輩や友人は相談に応じてくれるかもしれない。しかし自分の身をなげうってまで助けてくれたりはしない。身をなげうってくれるのは自分だけだ。だから自分自身を大切にしなければいけない。

大切にすると言っても「自分自身を甘やかせ」というのではない。自分のなかのもう一人の自分と相談できる関係をつくることだ。そのもう一人の自分は鏡の向こう側にいる。苦しいときや辛いとき、鏡に笑いかけてやる。するとあいつも笑顔で応えてくれるのだ。ただし、決して他人に見られることのないように気をつけていただきたい。引かれるから。

効率化で人間性が薄らいだ社会。しかし自分を確実に受け止めてくれるもう一人の自分がいることは心強い。自分を認めてやることで、自分の生き方に満足感を持つことができるだろう。

満足感を自分のものにしなさい

辛い仕事も笑顔の自分がいてくれれば乗り切れる。もう一人の自分と眼前の壁を乗り越えれば、さらに一回り大きな自分にバージョンアップできる。それは仕事の満足感につながる。自分自身の仕事の成果は満足感である。

他人に認められることより、自分自身を認めてやることだ。自分を成長させるために仕事をやり遂げた満足感。これを目標にして仕事の満足感を求めてもらいたい。