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セキュリティ重視のメール管理術・3 フォルダ名称

「コンピューターウィルスに感染してホームページ改ざん」「ファイル交換ソフトを悪用されて機密情報漏えい」「セキュリティホールをつかれて顧客情報流出」等々、情報化社会において情報セキュリティに関する事件は多く発生してきました。

その結果、社会でも情報セキュリティに対する問題意識は非常に高まっており、一つのセキュリティ事故が会社のイメージを一気に失墜させるようなことにもなりかねません。特に「きちんと対策すれば防げる」ような内容の事故に対しては世間の目は非常に厳しく、うっかりミスで済ませることは最早できません。

本シリーズでは全5回にわたり、メール管理に関連するちょっとした工夫をお伝えします。個人レベルで少し気を付けるだけで、うっかりミスなどによるセキュリティ事故を防ぐことが出来るかもしれませんので、あまりきちんとメールを管理していないという方がいらっしゃったらぜひ取り入れてみてください。第3回は「フォルダ名称のつけ方」についてです。

あなたの責任が重くなればなるほど処理すべきメールも増えてきます。たくさんのメールを全て受信ボックスに入れておいては、あとで見たときに訳が分からなくなってしまいます。もちろん受信したメールを検索する機能はメーラーに用意されていますが、メールの件数が多くなると検索の時間も長くかかってしまいますし、検索するための用語を正しく覚えていないと目的のメールがヒットしないということもあります。

普通のファイルやドキュメントでもフォルダを作成して適切に分類して保存しているでしょう。それと同じように受信したメールも同じく適切なフォルダに分類して保存するようにしましょう。

<基本>差出人ごとにフォルダを作成する。

一番の基本はまず、差出人ごとにフォルダを用意して分類することです。基本的に「いつ」「だれから」もらったメールかということがわかれば、だいたいのメールは直接探すことが出来るからです。

また、未読メールがあった場合は、フォルダの横に未読の件数が表示されたりしますから、誰かに「メールでご連絡したあの件はどうなりました?」と言われた内容に心当たりがなかった時、その内容を確認したけれど忘れてしまったのか、そもそも確認忘れをしてしまっているのか、相手の勘違いでメール自身が届いていないのか……などが一目でわかります。

<応用>差出人フォルダを、さらに部署や用途で分類しよう!

差出人ごとに分けただけでもかなりすっきりしますが、関係する人が多ければ多いほど、またわかりにくくなってしまいます。そこで、部署名や用途など、上位のフォルダを作成し、差出人フォルダをさらに分類しましょう。ほとんどのメーラーはフォルダの中にフォルダを作成することが出来ます。上位の概念としてグループをまとめたフォルダを作っておくと分かりやすくなります。

例えば最上位の概念として「社内」「A社」「B社」「C社」、その下の概念として(「社内」の下に)「担当プロジェクト」「部連絡」「全社連絡」「事務連絡」、さらにその下の概念として(「担当プロジェクト」の下に)「部長」「課長」「リーダー」「担当A」「担当B」「担当C」……のように作成します。

階層があまり深くなってもかえってわかりにくくなってしまいます。筆者のおすすめとしては、3~4階層程度に収めると、縦横の広がりがちょうどよいくらいに分類できます。

また、臨時で連絡をしてきたなどの理由で、1~2通しかメールのやりとりがないと分かりきっている人のためにわざわざ差出人フォルダを作成するのもかえってわかりにくくなりますから、そういうメールはグループフォルダに入れておくようにし、やり取りが多くなってから個人フォルダを追加でさくせいするというのも有効です。

<発展>フォルダ名の頭にナンバリングを!

フォルダの順番が、自分の意図したとおりに表示されるというのは、地味ですが利便性に直結する問題です。メーラーによっては、作成したフォルダの表示順を指定することが出来ず、アルファベット順に自動で並び返されてしまうものもあります。そのため、フォルダ名の頭に数字を振っておき、数字順に並び返されれば自分が意図したとおりに表示できるというように設定しておきましょう。

例えば「01.社内」―「01.プロジェクト」―「01.部長」「02.課長」「03.リーダー」のようにしておくのです。「部長」「課長」「リーダー」では、アルファベット順だと「リーダー」フォルダが先頭に来てしまいますが、ナンバリングをしておくことで、リーダーの上に「部長」「課長」を持ってくることが出来ます。

(ワンポイント)ナンバリングは、後から新しい人を間に追加することが出来るよう、数字を飛び飛びで設定すると便利です。