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業務をフロー化。仕事が役立っているかを知ろう【アウトプットとは】

フローチャートの書き方はいかがだったでしょう。意外に簡単だったのではないかと思います。ところで、客観的に自分の作業を図式化してみて、「あれっ?」と気がついたことはありませんでしたか?

作業をフローチャート化してみてよくあることが、「終わり」のところに作業の提出が存在しないという事例です。これはつまり、その作業に「アウトプットが存在しない」ということになります。

アウトプットとは、アナタが行った作業の成果です。先の経理作業の例ですと、「請求書をまとめて本部へ送る」がアウトプットであり、その提出先は経理本部ということになります。

アナタの作業には、この2点がきちんと存在していますか?

アウトプットの提出先がない作業は無駄

コストダウンが謳われるとき、よく、「無駄な作業は削減しろ」と言われます。では、無駄な作業とは具体的にどのような作業なのでしょうか。

業務コンサルタントの世界では、「アウトプットとその提出先」が存在しない作業は無駄であると判断します。

例えば、OJT(オン・ザ・ジョブ トレーニング)でエクセルを学んだとします。その学習内容を、仕事中に、わかりやすくノートやワープロでまとめ上げたとしましょう。

この場合の「アウトプット」は、まとめたノートであり、ワープロで作成した文書です。もしこれがOJTのなかで提出を命じられたものであれば、そのチューター(指導者)が「アウトプットの提出先」となります。

しかしもし、これが自分の学習のためだけの資料であり誰にも命じられていない、提出する先のないものであるとするなら、会社によっては業務時間外に行うべきことであり、「無駄な作業」と判断されてしまうかもしれません。

前工程と後行程のある作業は必ず役に立っている

会社における作業には必ず、自分を挟んで前工程と後行程が存在するはずです。先の経理の事例であれば、あなたの作業の前工程は営業担当者です。担当者がお客様に対する仕事を完遂し、納品書や請求書といった内部資料を作成しています。

それが、送られてくる請求書という外部資料をきっかけに、アナタの作業に繋がってきます。作業の中で行う請求書と内部資料の確認は、チェック機能として前工程の作業に対して役だっているのです。

そして、社内システムに請求内容を入力し請求書原本を経理本部へ送る作業は、後工程となる支払い業務や決算業務に対して大きく役立っています。つまり、毎月同じ作業を繰り返しているように見える単調な作業も、前工程と後工程がある限り業務全体から見れば必ず役に立っている作業ということなのです。

もしもアナタが、システムへの入力を間違えてしまったとするなら後工程に対して不完全な仕事をしたことになります。また、もし請求書の確認が杜撰なものであれば、それは前工程にも後工程にも迷惑をかけてしまうことになりますね。

そのようなことになった場合、間違って差し戻された作業は同じ作業の繰り返しとなり、それは完全な「無駄な作業」となってしまうのです。

企業の多くの業務は細分化され、分業されています。中には、自分が何をやっているのか空しく感じるような単調な作業をやらされていると思ってしまうこともあるかもしれません。しかし、自分の手元に仕事が届く以前に前工程があり、自分のアウトプットを使用して次の作業を行う後工程が存在するのであれば、その作業には必ず何らかの意味があります。

自分の作業に不安を覚えたら、フローチャートなどを使って客観的に見てみたらいかがでしょうか。見逃していた小さな無駄を無くすことでアナタの作業は信用を得て、役立つ人財としてステップアップした作業を任されるようになっていくかもしれませんよ。