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派遣社員・契約社員と仲良く仕事をするコツとは? ~要員の心情編~

世の中にはいろいろな働き方があります。パートやバイト、派遣社員や契約社員など、勤め先(実際の職場)の正社員ではないというケースは非常に多いでしょう。

職場ではしばしば、正社員とそれ以外の労働者の間で対立が起こることがあります。正社員という働き方がそれ以外の働き方よりも偉いと勘違いしている人がいるからです。しかし実際には、働き方の形態が違うだけでそこに優劣はなく、派遣や請負、パートなどの要員が実働部隊として存在していなければ業務は回りません。

実際以前と比べて、正社員だからと言って一生その会社が守ってくれるような時代ではなくなりました。自分らしい人生を生きるために、あえて時間の自由がききやすい派遣やパートという労働形態を選択する人も増えました。社会情勢はますます労働力を「社外要員」に頼るような構成に変わってきています。

ですから、彼らに指示を出す立場の人は、彼らに自社正社員の部下と同じように(あるいはそれ以上に)きちんと責任を全うしてもらうようにしてもらう必要があります。

しかし実際には、社外要員の人は「どうせ自分の会社じゃないから」と考えることも多く、目先の仕事だけを乗り切ればよいと考えがちです。「正社員と待遇の差があるのに、同じだけの責任を負わされてはたまらない」というのです。彼らが与えた仕事に対して責任を持つようになるには、どのように働きかけたらよいのでしょうか。

1.やりがいを感じてもらう

仕事に対して「この作業は私の領分だ」という意識があれば、そこに責任感ややりがいが生じます。しかし社外要員の方は、一つの仕事の中でも一部分の作業しか任されなかったり、その作業の意義を説明されなかったりするため、その作業を自分の仕事と感じることが難しくなっています。

仕事の全工程を一人の社外要員に任せることは契約上難しいケースも多いでしょう。その場合は仕事の全体像を説明した上で「あなたに任せる作業はこの部分に当たります。こういう意義のある作業です」と説明しましょう。その作業工程が重要であればあるほど、仕事に対するやりがいを感じられるようになります。

2.正しい評価を受けられるよう手助けする

派遣社員や請負社員は、仕事の現場とは別に自分の会社を持っています。人事評定を受け、給与額を決定し、実際に給与の需給を受けるのは、自分の会社からです。しかし要員の評価をする上司は、同じ現場にいるとは限りません。報告書や報告会などの限られた場で行われる成果報告だけをみて評価をすることになります。

現場ではとても頑張ってチームを支えているのに、報告内容にそのことがうまく表現できていないために、実力を正しく評価されないということがありえます。実力よりも低く評価されると、せっかく頑張ってきたことが無駄であるように感じ、仕事への意欲が減ってしまいます。

社外要員の所属する会社に対して「○○さんはよくやってくれています」と評価をフィードバックしたり、あるいは社内報告書の作成を手伝って「こういうことで役立ってもらっているのだからそのことをちゃんと書いた方がいい」と社内の後輩を指導するのと同じように評価を受けやすいようアドバイスするなど、評価してもらう人に仕事ぶりを直接見てもらえない社外要員が正しく評価してもらえるよう手助けしましょう。

3.「会社」の枠を超えた「チーム」意識

そして一番大切なことは「あの人は派遣さんだから」「あの人は短期のパートだから」と就業形態により壁を作ってしまわないことです。最初に書きましたが、そのような要員がいないと会社は回らないのです。

正社員だけで会社を回そうとしてもコストがかさむだけでうまくいきません。皆で一緒に仕事を達成するべきなのに一部の勘違い正社員が偉そうにして彼らを排除しようとすると、現場の雰囲気が悪くなってしまいます。このように勘違いした正社員が部下にいるのであれば、厳しく指導する必要があります。

どの会社に所属しているのか、どういう就業形態なのか、そういうことは社内の人間関係の構築には対して重要ではありません。役割分担は必要ですが、それは上下関係や優劣を表すものではないということをしっかりと全員が自覚し、同じチームのメンバーという一体感を持って作業にあたることが大切です。

派遣やパートの人を「派遣さん」「パートさん」なんて呼んだりしていませんか?大切なチームの一員なのですから、正社員同士の時と同じようにちゃんと名前で呼びましょう。チームの飲み会を行うときに、正社員だけに声をかけていませんか?社外要員だって、同じ仕事を担当しているチームの一員です。仲間外れのようなことはせず、全員を誘うようにしましょう。

いかがでしたでしょうか。立場の違う人をまとめていい人間関係を構築するのは、根拠のない差別意識を取り払えば意外と簡単なことですよ!