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優先的に読んでもらえるメール術・3 確認してもらえる添付ファイル

ビジネスメールが多く行きかう昨今。たくさんの業務メールがやりとりされる中、緊急のメールが後回しにされてしまいトラブルに発展することも多くあります。

優先的に開いてもらえるメールと、悲しくも後回しにされてしまうメールには、どのような違いがあるのでしょうか。三回目は添付ファイルに焦点を当ててみましょう。

前々回と前回は、タイトルと本文にポイントを絞って解説しました。基本的なメールの技術は十分にご理解いただけたかと思いますが、今回は見落とされがちな添付ファイルを扱います。

本文を読むことで内容を十分に把握したと思われてしまい、添付した資料まで目を通してもらえないことがあります。単なる参考資料として添付したのであればそれでもかまわないかもしれませんが、やはり内容を確認していただく必要がある場合はどうしたらよいのでしょうか。

暗号化をする場合、自動解凍等を利用して受信者の負担を減らす

添付ファイルがあると、まず受け取った側は「面倒だな」という印象を受けます。クリックすれば読めるメール本文と違い、添付ファイルは一度ダウンロードをして、その後そのファイルを解凍し、対応するアプリケーションでファイルを開かないといけないからです。

そこで、少しでも受信者の負担を減らすため、特に対外的に秘密にしなければならないような内容の場合は自動解凍方式の暗号化を利用して相手の負担を減らしたり、Microsoft Office製品などの一般的なアプリケーションで閲覧可能なファイル形式を利用したりするなど、受信者がファイルを閲覧するまでにかけなければいけない手間をなるべく減らすようにしましょう。

<注意!>

例えば顧客名簿のような個人情報など、添付するファイルの内容が非常に気密性の高いものである場合は、もちろんきちんと暗号化を行うことが大切です。情報セキュリティ関係の事故に関しては世間の目も非常に厳しいため、そういう情報を扱う場合は多少手間がかかっても、安全性を重視してください。

添付ファイルのサイズは小さくする

添付ファイルのサイズが大きいと、内容が盛りだくさんのファイルであり、全てに目を通すには時間がかかってしまうと考えられ、敬遠される傾向があります。

例えば製品案内をするためにPDFファイルを添付しようとした場合、100ページにわたる詳細な製品案内、10ページ程度のパンフレット、わずか1枚のリーフレットがあるとします。100ページの製品案内はさすがに過剰ですが、パンフレットとリーフレットのどちらにするかを考えたとき、情報が多いほうがいいとパンフレットを選んでしまってはいませんか?

情報を発信する側は、多くの情報を受け取ってもらいたいため、情報が少ないリーフレットよりも情報が多いパンフレットのほうが良いと考えがちですが、受け取る側は必ずしもそうは考えていません。むしろ多い情報が送られると、その段階で敬遠してしまうこともあるのです。

お客様から「興味があるから詳しい資料を送ってほしい」と言われているならともかく、「こういう製品があるんですが」という案内の段階では、まずお客様に「知ってもらう」ことが第一目的です。あまりぐいぐい押さず、短時間で目を通すことのできるリーフレットを選ぶようにしましょう。

本文中に、添付ファイルへの誘導を行う

添付ファイルをつけるということは、メール本文では書き表すことのできない、しかし受信者に対して知ってもらいたい情報があるということです。例えば表やグラフなどは、文章ばかりのメール本文には表せません。(HTML形式のメールでは画像などを盛り込むことが出来ますが、セキュリティの観点からメールはテキスト形式でしか送受信できないように指導している企業も多くあり、利便性や汎用性を考えると添付ファイルを利用するほうが一般的です)

そのような場合は、本文中にはあえて具体的なデータを書かず、添付資料の閲覧を促す文章を書くというやり方があります。

(OK例)「2013年度上期における製品の売り上げにつきまして、詳細は添付ファイル『アンケート結果.pdf』の『表3-2 2013年度上期における製品の売り上げ比較表』をご覧ください」

(NG例)「2013年度上期における製品の売り上げは、製品Gが20万台を超えて1位となりました。その他の詳細は添付ファイルをご覧ください」

<注意!>

本文から添付ファイルの誘導を行うのは効果的ですが、「添付ファイルをご覧ください」を書きすぎないようにしてください。あくまでも主役はメール本文です。

上記のようなポイントに注意して、面倒くさがらずに確認してもらえる添付ファイルの作成を心がけ、受取人にちゃんと添付ファイルまで受領して確認してもらえるようにしましょう!