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優先的に読んでもらえるメール術・2 解りやすい本文

ビジネスメールが多く行きかう昨今。たくさんの業務メールがやりとりされる中、緊急のメールが後回しにされてしまいトラブルに発展することも多くあります。

優先的に開いてもらえるメールと、悲しくも後回しにされてしまうメールには、どのような違いがあるのでしょうか。二回目は本文に焦点を当ててみましょう。

前回(メール術1)は、タイトルにポイントを絞って解説しました。しかし、わかりやすいタイトルによってメールを開封してもらっても、そのメールを最後まで読んでもらえずに閉じられてしまうことがあります。そうなったらせっかく開いてもらった意味がない、それどころか一度開封してしまったことで開封済みマークがついてしまい、未読のはずの後半部分を受信者が「読んだつもり」になって忘れてしまうという問題もあります。

では、開封したその時に、確実にメールを最後まで読んでもらうには、どうしたらよいのでしょうか。

時候の挨拶はいらない

手紙では、時候の挨拶から書き出すのがマナーですが、一般的にはメールは(メールで連絡するという手段自体が)手紙に比べて簡略化されたものという位置づけですので、長い挨拶は不要です。マナー重視の挨拶を省く代わりに、内容を端的に、率直に伝えるというのがメールのメリットです。

そのメリットを十分に生かすため、「平素よりお世話になっております。(株)竹内書房の小笠原です。3月8日にお問い合わせをいただきました新刊の件につきまして……(略)」のように、最低限必要な挨拶を済ませたら、早く本題に入るのがメールならではのマナーと言えます。

なお、「内容を端的に」という観点から、本題の部分についてもなるべく率直な表現を用い、できるだけ簡素で平易な文章で書くことを心がけましょう。

一つのメールには一つの用件しか書かない

宛先が同じで用件が複数ある場合、ついつい同じメールに全部の用件をひとまとめにして送りたくなってしまうものです。しかし、それをすることで、様々なデメリットがあります。

ひとつはメールが長くなってしまうこと。メールは簡潔・簡素が利点ですから、長いメールはそれだけで敬遠される傾向にあります。また、一つの用件について相手が返信をし、それに対して自分が返信をし、自分の返信に相手がまた返信を……というように、どんどんメールが続いていくことが多くありますが、そのやりとりと直接関係のない用件も残ってしまいます。

原則として、一つのメールには一つの用件のみを書くようにして、複数の用件がある場合は多少面倒でも、受け取る相手のことや後々の利便性を考慮し、複数のメールに分けて送りましょう。

(NG例)「○○の件については……(略)……。また△△の件ですが……(略)……」

<補足のヒント>

用件が複数あっても、全てとても短く一言で済んでしまうなど、できれば一つのメールにまとめて送りたいというようなケースも実際には多くあるでしょう。そういう時には、メールの冒頭で、このメールに複数の用件が含まれている、ということを明記して、相手に伝えましょう。

(OK例)

「田代様に対し、3件ほどご質問・ご確認事項がございます。

1.○○の件についてのご質問(本文略、以下同)

2.△△の件についてのご確認事項

3.××の件についてのご確認事項

以上3件につきまして、恐れ入りますが9月10日 17:00までにご回答をいただきたく存じます」

返信の場合は元メールを引用する

相手からの質問事項への返信などの場合は、相手からもらったメールを引用しましょう。ほとんどのメーラーは、メールを作成するときに「新規作成」ではなく「返信」からメールを作成すると、元のメール記事の内容が自動的に引用されるという機能を備えています。

相手が書いた本文を引用することで、それまでのやり取りの流れを最後の1つのメールを見るだけで確認することが出来、内容を理解しやすくなるというメリットがあります。

<注意!>

長くやりとりを続けていると、引用部分がとても長くなってしまいます。あまりにも長くなるようなら、古い部分は適宜削除しましょう。筆者の周りに聞いてみたところ、引用マーク(>)が4つくらい重なると、過剰な引用であるという印象を受ける人が多いようです。5往復以上のやり取りになったときには、古い部分の削除も検討してみてください。

上記のようなポイントに注意して、わかりやすいメール本文の記載を心がけ、受取人に最後まで確実に読んでもらえるようにしましょう!