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優先的に読んでもらえるメール術・番外編1 判断を助ける宛先設定

ビジネスメールが多く行きかう昨今。たくさんの業務メールがやりとりされる中、緊急のメールが後回しにされてしまいトラブルに発展することも多くあります。

優先的に開いてもらえるメールと、悲しくも後回しにされてしまうメールには、どのような違いがあるのでしょうか。番外編1回目は宛先設定について考えます。

過去3回にわたり、タイトル・本文・添付ファイルにそれぞれ焦点を当て、受信者が内容を確実に確認してもらうようなメールの書き方を説明してきました。今回は番外編として、宛先の設定方法について考えてみましょう。

既にご存知の方も多いかと思いますが、メールの宛先の指定方法は三種類あります。「To」「CC」「BCC」です。このうち「To」は「宛先」を、「CC」「BCC」は「コピー」を表しています。ですから、正確にはメールの宛先は「To」に指定した相手のみであり、「CC」や「BCC」で送った相手はオマケなのです。

「To」に指定する意味

上記に書いた通り、「To」は宛先を意味します。「このメールはあなたに宛てて送っています」という明確な意思表示です。メール本文でも書き出しは宛先から始めますが、そこに書かれる名前はこの「To」に指定したアドレスに対応した名前になります。

「To」には複数のアドレスを指定することが出来ますが、宛先の人数が複数になればなるほど、本当にその人に読んでもらう必要があるのか、ということが不明確になります。絶対に読んでもらう必要があるキーパーソンでなければ(参考程度に送りたいというのであれば)、後述する「CC」または「BCC」に指定することが正しいやり方です。

受信者は、そのメールが「To」で回ってきたのか、「CC」や「BCC」で回ってきたのかを確認します。「To」で回ってきたメールであれば、自分に直接関係するメールと判断して、そのメールの優先順位を「CC」や「BCC」で回ってきたメールに比べ高く設定するでしょう。

特に、「To」に指定されている宛先が一人だけの場合は、自分が主担当としてかかわるべき(あるいはかかわっている)案件に関連するメールであるということが明らかです。当然優先度は高く、また内容についても比較的真剣に、そして迅速に確認していただけることでしょう。

「CC」に指定する意味

「CC」はCarbon Copyの頭文字を取ったもので、複製という意味です。宛先の「To」と違い、「このメールはあなたに直接は関係ないですが、間接的に関係するため、情報共有のためにコピーを送ります」という意味があります。つまりは「参考情報の提供」という意味合いが強いのです。ですから、直接関係のない人に「To」で送るのが不適切であるのと同様に、直接関係のある人に「CC」で送るのも不適切なのです。

よくある使い方としては、担当者を「To」に指定し、「CC」としてその担当者の上司やステークホルダーを指定します。メールの内容を確認し、直接の作業や調整にあたるのは担当者ですが、最終的に経緯を監督し、その結果を承認する上司にはどのような流れでその作業が発生し、結論を導いたのかという一連の経緯を把握してもらう必要があるからです。

「BCC」に指定する意味

「BCC」はBlind Carbon Copyの頭文字を取ったものです。機能としては「CC」と同様に「コピーを送る」というものですが、「CC」に書かれた宛先は他の受信者から確認することが出来るのに対し、「BCC」に書かれた宛先は他の受信者から確認することが出来ません。よって、お客様のメールアドレスなど、一緒に送りたいが他の受信者に知らせてはならないアドレスは「CC」ではなく「BCC」として送ることで、お客様情報を他の人の目に触れさせないまま、コピーを送ることが出来ます。

同様に、担当同士のやりとりがやや不穏な空気であり、いざというときに上司に把握しておいてもらいたい、けれども現状で上司が介入していることを相手方担当者には知られたくない、というような状況では、本来「CC」に書くべき上司のアドレスを「BCC」に書くことで、相手に知られないまま情報を共有させることもできます。逆に言えば、あなたが担当者とだけやり取りしていると思っているメールも、思わぬ相手に「BCC」で送られている可能性があります。第三者に見られたら問題があるような発言は控えましょう。

3つの宛先にはそれぞれ上記のような違いがあります。それぞれの特性の差を意識して、確実に確認してもらいたい人には「単独To」で送るなどの工夫をし、受取人に「このメールはあなたに読んでもらいたい」という思いが確実に伝わるようにしましょう!