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実際問題、どっちがお得?保証・給与から考えるフリーターと正社員

就職先を探すにあたって、正社員とフリーターはどちらが実際稼げるんだろうか、と考えたことがある人は結構多いのではないでしょうか。

周囲にそこそこ高い給料を貰っているフリーターがいたり、収入が低いと嘆いている正社員がいたりすると、実際どちら側に行った方が正解なんだろう、と考えても不思議はないでしょう。

そこで、実際のところ、どちらが稼げるのか、比較してみようと思います。ちなみに、これから比較するものは、全て現時点での制度や体制が変わらなければ、という前提です。

そもそもどこに正社員とフリーターという区別が?

正社員は、読んで字の如く、企業の正規の社員。では、フリーターは?非正規社員、非正規雇用者とも呼ばれるフリーターですが、ここで非正規という言葉が持つ意味とは何なのか。

フリーターと一言で言っていますが、フリーターにはアルバイト、パート、派遣社員、契約社員などが含まれます。広義だとニートの一部も含まれる場合があるそうですが、ここではニート(教育を受けず、労働もせず、職業訓練もしない人)いわゆる無職の人を除きます。

前置きが長くなりましたが、非正規雇用者と正社員の違いは何か。簡単に言うと、保障・生涯賃金が違うと言われています。大きく分けて4つ程お話しましょう。

保障の違いって?

まず、正社員は雇用の契約期間が存在しません。退職したり、解雇されたりしなければ、契約上は定年まで勤める仕組みとなっています。一方で、フリーターは基本的に雇用時に契約期間が定められ、期間が満了すれば終了となります。

次に、賃金ですが、結論から言うと、正社員とフリーターをそれぞれ生涯続けた場合、生涯賃金は正社員の方が2〜3億円多いと言われています。これについては後で詳しく説明しましょう。

3つ目は雇用保険や社会保険の差です。雇用保険・社会保険への加入が義務づけられている正社員に対し、フリーターには加入の義務はありません。いくつかの条件を満たせば、加入することは可能ですが、実際加入しているフリーターは少数派です。

最後に、将来性です。正社員は、長期労働を前提に雇用されるので、企業が新人育成の為のコストを事前に準備しています。将来的に企業にとって重要な役割に就くよう、育成に力を注がれます。

それに対して、フリーターは期間を限定した雇用契約なので、即戦力になることを求められます。また、長期的にその企業で働くことを前提にしていないので、育成の為の投資もありません。よって、正社員と比べてスキルアップがしにくいというデメリットがあります。

生涯賃金の差、2〜3億!?

さて、生涯賃金2〜3億円とは時折耳にする言葉ですが、これに疑問を持つ人も少なくないでしょう。特に20代の方。正社員の自分は年収200万強だが、周りにはフリーターながら年収300万や400万稼いでいる人もいるぞ、なんて人もいるでしょう。

では、何故年収400万もあるフリーターと、200万前後しかない正社員の生涯格差が2億以上もあるのか?種を明かすと、正社員の場合は、上でも書いたように、育成コストがかけられ、スキルアップが容易です。よって、昔の年功序列ではありませんが、年数を重ねる毎に昇級や昇格で、一般的には給与が上がりやすい状態なのです。

もちろん、昇級や昇格での収入増額がどのくらいかは、職種や企業によってまちまちですが。一方、フリーターは基本的に時給です。よっぽど他人にない特殊スキルがない限り、時給は一定です。20代でも40代でも一律です。すると、20代の頃はフリーターの収入の方が上でも、40代の時には正社員の方が上、という構図が成り立つ理由が分かるでしょう。

どちらが正しいか、ではない

世間一般と同じように、正社員の方が得だとお話してきましたが、ここでは、現制度上、一般的に見ればこのような面で正社員の方が保障や収入を重視するならお得ですよ、ということを伝えたいだけです。

最近はお金やモノではない、と主張する若い人が増えてきたし、年収や低くても、やりたい事や好きな事を優先するのは間違っていません。ただ、20代の収入だけを比較して、フリーター方が稼げるし時間的拘束も緩い、と勘違いしてフリーターに向かうのは避けていただきたい。

いろんな面で、フリーターが不利であることを自覚して、それでも時間を選ぶのは、間違っていません。それだけは、覚えておいてほしいことです。