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視能訓練士:ゆうっこさんのお仕事体験談【慶應大学病院 勤務】

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アナタのお仕事の一日の流れは?

月曜日と水曜日は朝7時半から病棟で医師による症例検討カンファレンスがあるので視能訓練士も参加します。その他の曜日は、8時半から10番検査室で朝礼が行われ、その日の申し送りが行われます。その後、各自自分の担当検査室に分かれて検査を行います。

検査室は、司令塔となる10番検査室の他に、眼底カメラ、視力検査、視野検査、暗順応検査、ERG検査、電機生理検査室、眼軸長測定、屈折矯正外来、病棟検査室などがあり、その日の担当がローテーションで決まります。

昼休憩は1時間ですが、忙しいときには30分ほどで持ち場に戻ることもあります。残業はほとんどありませんが、屈折矯正外来チームの視能訓練士に関しては月に多いときで40時間ほどもあることがあり、担当によって差があります。

病院内に設置された薬局での調剤や患者さんへの薬剤の手渡し、説明などを行う業務が主だったため、基本的には、夜勤などは一切無く、早朝、決められた時間に出勤をし、朝のミーティングや連絡事項などを受けた後は、処方せんに定められた各患者さんへの医薬品の調剤、ならびにそれらの医薬品の服用や副作用に関しての各説明などを行う業務を行います。

基本的には、これらの業務を朝から昼まで。その後、休憩を挟んだ後、病院の外来終了時間を少し過ぎた時間まで行っていました。

また、病院内での治療行為、例えば手術に必要となる薬剤や医療器具などの発注や管理、調合などの作業も、医療器具によっては専門の技士の方の立ち会いの下、行っていました。

働く中で嬉しかった出来事や、やりがいを感じたポイント

視能訓練士は国家資格を要する専門技術職なので、この不況の折にも就職には強いですし給料も高めです。また、残業もあまりないので女性には働きやすい資格だと思います。

また、専門性が高い職業なので医師に検査結果についての意見を求められることも多く、治療方針を決める大事な局面で自分の意見を述べることができる立場はやりがいを感じます。

慶應大学病院では、最初は視力検査とハンフリー視野検査のみしか担当させてもらえませんが、確実に仕事を任せられると判断されると次にゴールドマン視野測定、眼軸長測定、眼底カメラ、斜視定量検査と徐々に仕事を任せてもらえるようになり、できる仕事が増えていくのは嬉しかったです。

特に、眼底カメラは他の病院では医師が撮影することが多いのですが、慶應大学病院では視能訓練士が撮影しますので、他の病院に勤務していたらこのスキルは習得できなかった筈ですので、この病院に勤務してこの技術を習得できたことは幸運でした。

衝撃的だった事件や一番印象に残っている嫌な思い出

屈折矯正外来に担当が決まったときから、角膜や屈折矯正、白内障手術に関する検査技能や知識の習得に偏って特化してしまい、一般的な視能訓練士としての技能を身につけるのが他の病院に勤務していた同級生や、慶應大学病院の同期入社の視能訓練士よりも遅くなってしまい焦りを感じました。

視能訓練士となって一番習得したかったスキルは斜視検査と弱視訓練だったのですが、慶應大学病院にはそういった患者さんがあまりいらっしゃいませんでした。

それでもなお、10番検査室担当の視能訓練士は少ないながらも斜視検査を行うことがありましたが、屈折矯正外来ではそのような機会が少なかったです。(但し、屈折矯正術前検査としてのプリズムバーによる定量検査はかなり数がありました。)

これからその仕事に就く方へのアドバイスやメッセージ

視能訓練士は国家資格なので、国家試験に合格することが必須です。国家資格の受験資格を得るためには、指定の養成校を卒業する必要がありますが、短いものだと1年制の専門学校から4年生の大学まで幅広くあります。

慶應大学病院は、上級職になると学会発表が義務付けられますので、視能訓練士としてのスキルの他にパソコン(特にエクセルとパワーポイント)技能が必要です。

入職試験では、角膜や屈折矯正に関する問題が多く出題されますので勉強しておくと良いと思います。