【志望動機を見直す】面接で間違った話し方をしていませんか?
「面接さえできれば、頑張って話せる。だから、できるだけ書類選考がない会社に応募したい。」という声を良く聞きます。
一方、「面接でしっかり志望動機を伝えて自分をアピールしたはずなのに、なぜか不採用・・・」といったがっかりした声も聞きます。
自信があるときこそ、結果が思わしくないとがっかりしますよね。悩んでも仕方がないから、たまたま良い人が他にいたんだ、と考えるとラクにはなりますが、それでも、ちょっと納得いかない、何かモヤモヤする、どこがいけなかったのだろうか・・・。
せっかく頑張るなら、面接で伝えたいことを伝えて、採用されたいですよね。それでは、どのように心がけていけばいいのか、これからお伝えしましょう。
志望動機は、「志望動機を教えて下さい」と聞かれたときに伝えていますか?
何を? 当たり前でしょう、と感じた方も多いでしょう。しかし、案外それができていない方も多いものです。
面接官が「志望動機を教えて下さい」と質問したとします。すると、このように答える方がいるのです。
「はい、私は、大学を卒業した後、総合商社で3年間勤めて、その後メーカーで5年勤めて、その間に結婚して、主人の転勤で引っ越したので前の会社を辞めました。引っ越して今の土地に慣れましたので、共働き希望ですし、それから・・・」と。
さて、これは「志望動機」でしょうか? 違いますよね。これでは「今までの職務経歴」になってしまいます。この流れではいずれ志望動機にたどり着くと思いますが、前置きが長すぎます。
しかも、話す内容が違うと受け取られてしまいます。これでは、本題に入る前に、面接官が聞いていられなくなってしまいます。
それによって、面接官は最後まで聞けなくなってしまいますので、「結局この人は何が言いたかったのだろう? 志望動機は何だったのだろう?」ということになり、印象に残りません。印象に残らないと、採用されるのは難しくなります。
まずは、結論から話すことを意識すること
「志望動機を教えて下さい」と言われたら、まず結論から、最初にしっかりと志望動機を伝えましょう。
「現在、私は結婚しておりまして、御社では家庭と両立して働いていらっしゃる方が多いと聞いたこと、そして、前職での営業事務の経験を活かして御社に貢献したいと思ったからです。」
そして、結論に対し、補足したいことがあれば、その後に追加して話せばいいのです。人は聞きたいことが聞ける、ということで満足します。
それにより、気持ちに余裕が出るので、長い前置きより後からの補足の方が受け入れられやすくなります。それにより、面接官に印象を残していくことができるのです。
人が集中して他人の話が聞けるのは、最初の3分です。そこで聞きたいことが聞けるとその先の話も聞こうとしますが、聞きたいことが聞けなかったり、前置きが長すぎると集中力が途絶えてしまいます。
その先は、聞いているように見えても、実際には聞けなくなります。聞けない、ということは、内容も覚えられない、印象には残らない、ということにつながります。
学生の頃、先生の話を最初は聞くようにしたけれど、途中から身に入らなくなった経験はありませんか。それも同じ原理です。
志望動機はどんな内容でまとめればいいの?
さて、そもそもなぜ、その会社に入社したいと思ったのでしょうか。仕事内容ですか? それとも勤務地? お給料ですか? それも理由のひとつとして考えて良いのですが、それだけでは、「うちの会社でなくてもいいと思うけれど・・・」と会社側から思われてしまうことも。
求人情報や企業のホームページにある、会社概要や企業理念、求める人物像も良く読みこなすこと、それから、他にも同じような条件の会社がある中、なぜ私はこの会社に入りたいのかを考えておく必要があります。その理由に説得力があれば会社からの印象も深くなります。
会社概要や企業理念に合った求める人物で、募集している仕事のスキルを持っている方が採用されることになるのですが、あまりに無理をして自分自身を偽ることはお勧めいたしません。
面接でうまくいっても、入社して働きだしてから、自分自身を偽り続けながら働くことになります。この状態で続けていくのは実際、大変なことです。
また、志望動機は履歴書や職務経歴書に記入する項目です。面接のときは履歴書、職務経歴書に書いた内容から大きく離れた内容で話すことのないよう、気を付けて下さい。
面接官から見たら、どちらが本当なのかわからなくなってしまいます。もちろん、履歴書、職務経歴書に書いた内容を補足する形で話すことは大いに結構です。
書類選考等で、面接をする前に履歴書、職務経歴書を会社に提出するときは、面接で話す内容がバラバラにならないよう、送る前にコピーを取ってそれを自分の控えにしておきましょう。
面接とは、お互いのコミュニケーション
実は、面接とは、面接官とのお互いのコミュニケーションです。スキルだけで採用する人を決めるなら、極端な話、書類選考だけでも採用できるはずです。
面接では、履歴書、職務経歴書に書かれた内容を確認しています。よって、面接で「志望動機は?」「今までの職歴は?」「自己PRをして下さい」といった内容を聞かれます。
一方で、「きちんとコミュニケーションが取れる人なのか」と確認しています。そこで質問と違う内容で答えるなどをしたために、お互いに話がかみ合わない状態になってしまうと、面接の上で不利になってしまいます。
「どのような人を求めているか」という、企業向けのアンケートを行った結果、いちばん回答が多かったのは「コミュニケーション能力」でした。
それだけ多くの企業ではコミュニケーションを大切にしていることがうかがえます。コミュニケーション力があるからこそ、社内での人間関係を円滑し、取引先とも良い関係を保ち、企業の生産性を上げていくことができるのです。
先程の面接の回答例を挙げますと、「現在、私は結婚しておりまして、御社では家庭と両立して働いていらっしゃる方が多いと聞いたこと、そして、前職での営業事務の経験を活かして御社に貢献したいと思ったからです。」という流れでしたが、この流れから面接官は自然に次の質問をしやすくなります。
結論から先に簡潔に述べることにより、まるで自然な会話のように面接が進めば、コミュニケーションにおいて問題ないと判断されていきます。
コミュニケーション力がある人に対し、良くない印象ということは、まず感じることはないですよね。
自己PRも大切。だけど、自己主張とは違います。
面接では志望動機だけではなく、自己PRの場も与えられます。ただ、残念なことに、それを自己主張と勘違いする人もいます。
「私は総合商社とメーカーで事務職をしてきましたので、事務職については流れがよく分かっていますし、パソコンも得意でワード、エクセル、パワーポイント、アクセスが一通りできて、学生のときに留学していたから英語もできますし・・・」と間髪入れずに自己PRをしてしまうのです。
先程も申しましたが、面接は、お互いのコミュニケーションです。一方的に話すプレゼンとは違うことを理解して下さい。
一方的に長々と話すと、聞く方は集中力が持ちませんから、あまり印象に残りません。ひどいと疲れてしまうこともあります。
伝えるときは1~2分で伝えるようにします。そこで話した内容に興味を持ってもらえると相手はより詳しく質問してきます。
そして、その質問に答えることによって、詳しく話していけるようになります。このように会話がなされると、お互いの理解が深まるので、面接官に印象が残りやすくなります。
よく、「言ったことについて突っ込まれたらどうしよう」と聞きます。しかし、突っ込まれるということは、興味を持たれている、ということなのです。
人は興味のないことはなかなか聞けません。何分も長々を話されて集中力が切れていると尚更です。
ですから、「突っ込まれたらチャンス」と思ってください。予想しなことを聞かれると少し緊張するかもしれませんが、できるだけ落ち着いて質問に答えていきましょう。
突っ込んだ質問の他、圧迫質問もあります。圧迫質問をされることに対して緊張する方は結構いらっしゃいますね。
しかし、圧迫質問をされるときは、面接官が興味を持っているときなのです。「ちょっと意地悪かもしれないけど聞いておきたい。」と考えているのです。それに対し、どのような態度を取るか、面接官は見ているのです。
最近はインターネットで面接試験の雰囲気が流れます。圧迫質問があった、なかったとむやみに書き込まれないよう、圧迫質問を全員にはせず、採用できないときは、穏便な雰囲気にして終わりにしているものなのです。
ということは、「面接でしっかり志望動機を伝えて自分をアピールしたはずなのに、なぜか不採用・・・」というときを思い出したときの面接が結構和やかな雰囲気で終わっていたりしませんか?
10分以上かけて、一生懸命自己PRをし、志望動機を伝えて、面接官は黙ってじっと聞いてくれた、何か良い雰囲気でこの面接は終わった、もしかしたらいけるかもしれない・・・。
このような期待を感じて、後日、不採用通知が来ると大きくがっかりしてしまいますよね。
最後に、面接で志望動機を伝えるときに大切なことは・・・
- 質問にきちんと答える(質問と違う答えを言わない)
- 結論から先に述べる(だらだら前置きをしない)
- 履歴書、職務経歴書に書いた内容からかけ離れない
- 面接官とのコミュニケーションだと意識する
- 長時間の自己主張をしない
- 突っ込まれたらチャンス!