• RSS

【履歴書の対策】学歴 vs 在学中に何をやったか

10261

よく学生さんからの質問で、「採用基準で学歴は重要視されるのですか?」と聞かれることが多いです。正直に申し上げると、「学歴はあるにこしたことはない」というのが私の客観的な答えです。

しかしながら、これから社会に出て行こうとしている学生さんに向かって、学歴は変え難い過去の話であって、今さらそんなことにこだわらないで欲しいというのが、私の思いです。

さて、企業の採用プロセスの最初の方に行われる書類選考において、実際どのようなことを評価基準にしているかを記述していきます。まずみなさんに想像して頂きたいのは、この書類選考に携わる社員の方々の大変さです。大手企業になると一万を超える履歴書やエントリーシートに目を通さなくてはいけません。

仮に10名で行ったとしても、1人あたり1000枚を超える履歴書やエントリーシートに目を通し評価しないといけません。学生さんにしてみれば、何時間も自分自身の過去を棚卸して、自分自身を分析・評価して、やっと作成した履歴書やエントリーシートなのに、書類選考は数分で読んで、OK/NGの評価をしなくてはいけません。

そうなると、もはや書類は全てしっかりと読んでくれると思ったら大間違いです。学生のみなさんも実際に書類選考をしてみればわかると思いますが、書類選考のやり方はこのような感じになります。

①まず書類全体にざっと目を通す(1分程度) ②学歴、資格、文章の構成、内容など目を引いたらOKボックスへ ③学歴、資格、文章の構成、内容など目を引かなかったらNGボックスへ ④もう一度NGボックスの書類をゆっくりと見直し、良いモノがあればOKボックスへ。やはりダメならNGボックスへ

ただし、書類通過率を低めに設定する企業様は、④で「もう一度みる書類」はOKボックスとなります。いかがでしょうか。これをみると、東京大学、京都大学など高学歴である人が断然有利に思えませんか。そして、実際に高学歴であるほど「書類選考を通過する」確率は上がります。

これでは、学歴に胸を張れない方にとってはどうしようもないと感じてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。あくまで「書類選考を通過する」ということに高学歴の人は有利であるだけで、書類選考通過後に行われる面接ではほとんど学歴は意味をなしません。

つまり学歴に胸を張れない方は、なんとかして書類選考を通過できれば、あとは学歴を気にせず内定を目指していけるのです。以下、学歴に胸を張れない方が書類選考を通過するための方法を記述いたします。

資格を取得する

学歴に近いものがありますが、資格は人を評価する上でわかりやすい指標の一つであることを認識ください。とはいえ、どのような資格でも取れば良いというものではありません。

まず、全ての業界に共通して必要なスキルは英語です。最低でもTOEIC700点以上は欲しいところです。また、英語がある程度できる方は、さらに中国語などの第二外国語が少しできると評価が高いです。

次に必要なスキルは企業経営に必要不可欠な財務です。最低でも日商簿記2級以上は欲しいところです。それ以外は、業界ごとに異なりますが、例えばIT系であれば応用情報技術者試験レベルのもの。

コンサルティング会社であれば、公認会計士、税理士、中小企業診断士、社労士などの士業レベルのものなど、必要なスキルとして要求されているものがあります。

いずれにせよ、少し勉強すれば取れるといったレベルの資格では評価されないことを肝に銘じてください。

文書の構成について

書類選考をする人は、志望動機や自己PRの文面をさらっと読みます。ビジネスの世界では当たり前のことですが、最初の3行くらいで「何について書いてあるか」、「どういう結論か」が相手に伝わらなくてはいけません。

つまり、最初に結論があって、そのあとにその結論の理由や具体例が来るような文書構成になっていない限り、ぱっと見てジャッジする書類選考に残ることはできません。

このあたりは、ビジネス文書の書き方などの書籍がでておりますので、参考にしてください。

文章の内容について

志望動機や自己PRに関して、学生さんの書いた「事柄」に大きな違いはありません。例えば、アルバイトのこと、サークル活動のこと、ボランティア活動のこと、海外バックパッカーのこと、卒業論文のこと、資格取得したことなど。書いてある「事柄」はだいたい10くらいに収斂します。

では企業側は何を評価するのでしょうか?それは、「事柄」ではなくて、「事柄を経験してあなたはどのように成長を遂げたか」を評価します。つまり「事柄」は何でも良いので、成長を遂げられたことを論じやすいものを選ぶべきでしょう。

以上、いかがでしょうか。最後に、文章の内容に関して学歴に自身のない方のための秘策をお伝えします。企業側が、高学歴の学生に唯一不安を感じていることがあります。何だと思いますか?それは「挫折を知らないのではないか」ということです。社会人生活は常に何かしらのトラブルを克服していかないといけない局面がでてきます。

挫折を知らないと気持ちが折れてしまう局面が何回も続くのです。逆に言うと、企業側が高学歴ではない学生に期待することは「挫折を知っているのでは?」ということです。もう、おわかりですよね!!