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実は全然違う!「医療コーディネーター」と「健康医療コーディネーター」!

【医療コーディネーターの仕事って実際どうなの?その1、その2】で紹介した医療コーディネーターというお仕事。

患者と医療の架け橋となるお仕事内容を、医療コーディネーターとして第一線で活躍している佐藤麻美さんから伺いました。

ところが途中佐藤さんの持っている資格の話になった時、一つの疑問が生じたのです。―あれ。今、医療コーディネーターって二つ出てきませんでした?!聞き間違いではありません。佐藤さんの取得した資格の中に「医療コーディネーター」と「健康医療コーディネーター」、二つの医療コーディネーターというワードが出てきたのです。佐藤さんによると二つの資格は全く違う資格だといいます。

確かに似たような名称なのに、内容は全く違う資格はあるものです。「医療コーディネーター」のお仕事を紹介した身として、後から「ちょっと、医療コーディネーターの仕事って全然違うじゃない。」とクレームがつく前にしっかりと二つ資格を区分しなければなりません。

そんなわけで今回は「医療コーディネーター」と「健康医療コーディネーター」の違いをガイドしていきます。医療系の資格取得を検討されている方は参考にしてみて下さい。

「医療コーディネーター」と「健康医療コーディネーター」の違い

―医療コーディネーターと健康医療コーディネーター。この二つの資格の違いってなんですか?

「まずは認定している母体が違いますね。医療コーディネーターは一般社会法人日本医療コーディネーター協会が認定を行う資格です。対して健康医療コーディネーターは日本健康医療学会が認定を行っている資格です。」

―それでは認定してくれる機関が違うだけで、二つの資格の内容は変わらないんですか?

「実はこれらの資格の内容は異なっています。医療コーディネーターは患者さんを医療の知識がある者としてサポートする為の資格ですが、健康医療コーディネーターは予防医療を目的とした資格なんです。

医療コーディネーターの詳しい仕事内容は【医療コーディネーターの仕事って実際どうなの?】も合わせて参照して頂くとわかりやすいと思いますが、端的に言えばそもそも病気になった人たちの医療に対する不安や問題を解決すべく手助けするお仕事でした。

―一方、健康医療コーディネーターは予防医療―つまり未然に病気を防ぐことを目的としてのお仕事をするということなんでしょうか。

「その通りです。未病という東洋医学の病理概念がありますが、病気になってはいないけれど病気の予備軍の状態といえばいいのでしょうか。健康な人ならばずっとその状態を維持する為に、未病の人ならば健康な体を得る為に、どのようにしていけばいいのかを指導するお仕事なんです。」

そういえば保険センターであったり、病院での健康管理の指導であったり、未然に病気を予防する為の講習や指導が行われていますね。それらを行うだけの知識があるという認定資格が「健康医療コーディネーター」というわけですね。

「一般法人健康医療学会の歴史はまだ始まって間もないんです。ただ病気になってからよりも、健康な状態を維持できる方が個人としても楽ですし、それらの知識に対するニーズが高まってきたという現れなのかも知れません。」

確かに健康を維持できる方法があるならそれを実践するに越したことはありません。加えて近年の少子高齢化に伴う医療費の増加を考えると、国の財政を助ける面でも予防医療はもっとクローズアップされるべきものでしょう。なにせ国の財源というのは、国民である私たちが担っているのですから。

病気になってしまった人をサポートする「医療コーディネーター」と、病気を未然に防ぐための活動を行う「健康医療コーディネーター」。二つの仕事内容は全く異なるものというのはわかりました。それではいざ資格を取得するための要項はどうなっているのでしょうか。

二つの資格、取得するための要項とは?

「医療コーディネーターの場合は、相談支援者コースと医療コーディネーターコースの二つのコースを受講する必要があります。」

―確か相談支援者コースは特に資格がなくとも受講可能で、医療コーディネーターコースでは医療系の資格が必要なんですよね。

「そうです。一方健康医療コーディネーターの場合には医療系の特別な資格を持っていなくとも資格取得が可能です。健康医療学会の行う講習に参加して、テストをパスすると晴れて健康医療コーディネーターとしての道が開けます。ただ医療に関する知識がないと試験の突破は難しいかも…。」

とはいえ努力によっては取得できる「健康医療コーディネーター」の資格。スキルアップを目指す医療従事者だけでなく、医療系の資格は持っていないけど医療に関わる仕事がしたいと考えている人にもチャンスがあります。該当する方は視野に入れてみてもいいかも知れませんね。