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医療コーディネーターの仕事って実際どうなの?その1

医療系の資格といえば「医師免許」や「正・准看護師」等、実際に医療行為をするものから、「医療事務」など病院の事務に関わる資格など様々です。生きていく上で全ての人に縁があるであろう医療にまつわる仕事は、私たちの生活とは切っても切れないものであり、当然需要も高いのが特徴といえるでしょう。

今回はその中でもあまり耳慣れない「医療コーディネーター」の資格とは一体どのようなものなのか、またその資格を取得することでどのようなお仕事をすることができるのかを、医療コーディネーター協会認定「医療コーディネーター」である佐藤麻実さんのインタビューをもとにご紹介します。

医療コーディネーター資格って?

快活な語り口調と柔らかな笑顔が印象的な佐藤麻実さんは、看護師のお仕事と並行して「医療コーディネーター」としても第一線で活躍している女性です。早速ですが医療コーディネーターの資格とは一体どのようなものなのでしょうか。

「医療コーディネーターの資格とは患者と医療の架け橋となる人材を育成する為に創設された資格で、一般社団法人日本医療コーディネーター協会が認定を行っています。」

患者と医療の架け橋…、そういわれても病院にあまりかかる機会がない人はピンとこないかも知れません。しかし病気を患った経験があったり、大病を抱えた家族がいる方には合点がいくのではないでしょうか。ただの風邪程度ならば薬をもらって安静にしていれば回復しますが、大病となるとそうはいきません。

深刻な病状になればなるほど、医師から受ける説明は専門的になります。患者やその家族は、まずその病気がどのようなものなのか、一体どうやって向き合えばいいのかをしっかりと把握しなければいけない一方で、説明が難しい場合も多い為にきちんと理解をするためにはかなりの努力と知識が必要となってきます。

「そうですね。医師から説明を受けているときにはわかったような気がしても、あとからやっぱりよくわからなくなってしまったり、日常生活の上で何をしたらいいのか不安に感じることは多いと思います。それを全て病院に求めるのは診療時間の制限があったりする中でなかなかできるものではありません。その問題点を打開するのがまさに医療コーディネーターの仕事なのです。」

つまりは医療や病状についてアドバイスをくれる一患者専属の顧問。医療コーディネーターという職種が生まれた背景には、患者と医療施設の間に生じるすれ違いや溝をなんとか打開し、「患者を置いていかない医療」を実践しようとする姿勢があったようです。それこそが医療コーディネーターの仕事というわけです。

医療コーディネーターには医療系の資格が必要なの?

医療についてのアドバイスを患者に行う。その為には医療に関する専門的な知識が必須に思うのですが、医療コーディネーターになる為に「医師免許」や「看護師免許」は必要なのでしょうか?

「医療コーディネーターの資格を取得するには、まず社団法人医療コーディネーター協会が開催する講座の受講が必要です。講座は二部構成で、相談支援者基礎コースと医療コーディネーターコースの二つからなっています。まず相談支援者基礎コースですが、このコースには特に医療系の資格は必要ありません。患者さんやその家族の精神的な不安や、問題に耳を傾けサポートする福祉系の資格になります。」

相談支援者基礎コースを受講し、認定されると「認定相談支援者」として医療施設や地域での活動ができるようになります。相談者の精神的な支援や、病状によっての適切な部署に相談者を案内するなどの行為が許されているそうです。

「相談支援者基礎コースを受講した後に、医療コーディネーターコースを受講します。医療コーディネーターになる為には基本的に看護師資格などの医療系資格、または福祉資格が必要となっています。ただし該当がない場合に関しても相談に応じてもらえるケースがあるそうです。」

それぞれに決められたカリキュラムを行い、認定されれば晴れて医療コーディネーターの資格を取得できるわけです。ちなみに費用は「相談支援者コース」で6万3千円(税込)、「医療コーディネーターコース」で15万7500円(税込)となっています。

医療コーディネーターの取得を目指す看護師さんなどの受講が多く、佐藤さんも仕事のお休みである日曜などに受講を続けながら取得したといいます。地域社会や、患者さんのサポートを行っていきたいと考える方には適した資格かもしれません。

次回は実際に医療コーディネーターのお仕事について詳しくインタビューしていきます。興味がある方は合わせてチェックしてみて下さい。