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転職希望で面接に行くなら軽いものでも香水はつけない方がよい

香水は化粧品とは違い、身だしなみではなく嗜好品の一つです。そのため、普段香水をつけることが習慣になっている人は、転職の際にはいったん香水をつけることを中止した方がよいでしょう。

嗅覚を伴う印象は強く記憶に残る

五感――視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚のうち、嗅覚だけが大脳に伝わる経路が違います。嗅覚以外の4つは視床下部という間脳の一部を通って大脳皮質の各感覚領域に情報が伝わり、そこから大脳辺縁系へと到達します。ところが嗅覚だけは嗅神経を通して直接大脳辺縁系へと情報が伝わってしまうのです。

大脳辺縁系というのは古い脳と呼ばれる部分で、海馬や扁桃体など脳の中でも感情を司るところです。そのため、ニオイの記憶というのは瞬時にそれを嗅いだ時の記憶まで呼び起こしてしまうのです。

道ですれ違った人のつけていた香水が学生時代に付き合っていた恋人のものと同じだった。そして楽しかった記憶、もしくは辛かった記憶までが甦ってしまい、急にせつなくなってしまった…。そんな経験がある人もいるのではないでしょうか。

どんなニオイにも好き嫌いがある

そもそも香水をつけている人は、その香水が「良い香り」だと思うからつけているわけです。しかし、あなたにとって良い香りでも、誰かにとっては嫌いな匂いかもしれないと考えたことがありますか?

別れた恋人がつけていた香水を嗅ぐと、その時の修羅場を思い出して嫌な気持ちになる…ということは往々にしてあることです。また、いつも理不尽な嫌味ばかり言う上司がつけている香水のニオイなど、嗅いだだけで腹が立ちそうですね。もしくは、単純に好きなニオイではない、ということもあるでしょう。

せっかく張り切って面接にいったのに、面接担当者の大嫌いなニオイの香水をつけていた。そうなれば、残念ですが好印象はまず望めないでしょう。もちろん、それはあなたが悪いわけではありません。しかし、人間の感情というのはそんなに簡単に割り切れるものではないのです。

面接の場面にニオイはいらない

転職を希望して面接に行くということは、もしかしたらそこが新しい職場になる可能性がある、ということです。香水をつけすぎてキツイニオイをプンプンさせていたとしたら間違いなく大迷惑ですし、まず採用は見込めません。

しかし、そうではなくてほんのりとしか香らせていなかったとしても、やはり注意が必要です。転職希望の面接者が来社する場合、職場の人間は興味津々で観察しています。当然ですね、もしかしたら同僚になるかもしれない人なのですから。

そして、面接が終わって転職希望者が帰った後に香水の残り香があると、まず間違いなく良い印象につながりません。もしも男性陣は良い香りだと感じても、女性陣が「香水つけすぎ」と感じればアウトです。特に女性はニオイに敏感ですから意見も厳しくなりがちです。

せっかく採用されたとしても、「今度くる人って香水きついんだよね」などと言われていたらイヤですよね。つまりは、転職活動中は香水をつけない方が無難である、ということなのです。

香水をつけるのは転職して少したってから

無事に転職を果たしたからといって、すぐに香水をつけるのはやめましょう。職場のお局様と呼ばれる存在が香水を嫌う場合、香水いかんによっては今後の仕事に差し障りがでるかもしれないからです。また、男性上司でも香水をはっきりと嫌うタイプの人もいますので、それに逆らうことはおすすめできません。

転職先での就業が始まったら、まずは無臭で出社しましょう。香水についての許容範囲がどの程度なのかは、働いていればおのずとわかってくるものです。きちんと周囲の人間関係を確認し、大丈夫そうだと判断できたら、ほんのり香る程度でおさえておきましょう。誰も香水をつけている人がいなかったら、あなたも職場に香水をつけていくことはあきらめるべきです。

また、香水がOKだからと油断していると、いつの間にかつけ過ぎてしまうことがあります。どんなに良い香りだとしても、香水のつけすぎは周囲の迷惑にしかなりません。香水はつけていると鼻が慣れてしまい、だんだん量がエスカレートしやすいものです。

普段は「いい香りね」と褒めてくれている同僚も、「最近つけ過ぎて臭い」とはなかなか言ってくれません。同じ香りであっても体調によって良い香りだと感じる時もあれば、臭くて頭が痛くなることだってあるのです。知らない間に歩く迷惑になっていたら目も当てられません。香水をつけ過ぎていないか、真実を言ってくれる親しい相手に時々確かめてみるとよいでしょう。