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海で生計を立てる選択肢。瀬渡し、遊漁船でマイペースに生活する

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 瀬渡しとは、釣り人を磯などの岩礁に送る乗合船のことです。遊漁船は、沖釣りの釣り客を乗せて仕掛けや餌まで段取りする乗合船のことです。どちらも共通部分が多く両方を兼ねている船が多いようです。

 

 親から引き継いだ仕事か趣味が高じて始める人が多いので、特殊な職種になります。

新しく始める人にとっては、資金的にハードルが高い面があります。しかし、釣り客に喜んでもらえたときには最高にやりがいがあると感じる仕事です。

遊漁船登録業者の届出

遊漁船を始めるには、最初に遊漁船登録業者の届出をするところから始まります。これは、各都道府県に定められた書式で申請できます。

条件は、6級海技士、もしくは1級ないし2級小型船舶免許を持ち、3年間の実務経験があり、遊漁船業務主任者講習会を修了したものに許認可が与えられます。

マイボートで遊漁船を始めるなら、友人などに実務経験があることを証明してもらえればOKです。

遊漁船で開業するには

開業するのは、至って簡単です。

遊漁船をしている知人に聞いてみて、間口は広いと感じました。最初は、知り合いの船を借りて操業。年間数万円の金額で開始。

元手は、ほとんどいらないケースです。常連客が増えて軌道に乗ってからマイボートを購入。これも中古の船を買えば300万~500万くらいで購入できます。

自分の得意分野で勝負。知人は、メバルとアコウをターゲットにして常連客を集めたそうです。ただし、釣りかたは、自分で研究。

遊漁船業者になると周囲の目も変わり、一人から数人に釣り人が増えるので誰も教えてくれなくなるそうです。

船のメンテナンスは、全て自分でする。係船用具、索具、エンジン、電子機器、船底の塗装など、自前ですれば経費はかからないそうです。

広告宣伝費に経費をかけない。釣り雑誌やテレビなどのメディアを利用して、年数回露出していれば注目されるそうです。

その代わり、必ず釣ってもらうことが条件です。釣り場情報は、細部を明かさない。一種の守秘義務のようなものだそうです。これを明かしたら商売は成立しないそうです。

実績があれば、必ず常連客が集まる

常連客は、3年以内に集める。どんな商売でも、3年が目処。遊漁船は、釣ってもらってなんぼの世界です。実績があれば、必ず常連客が集まってきます。

欲張らずに、お客さんの楽しむ顔を見るための商売だと思うことです。コミュニケーション能力は必須。客商売なので、懇切丁寧に指導する心構えが必要です。これを怠ったらお客さんは離れていきます。

最初は、瀬渡し、乗合から始めて、最終的には貸切にするのが定石。一見さんはあてにならないので、常連客をメインに操業すれば安定した商売ができるそうです。

そのためには、メールマガジンを送るなどの努力が必要です。季節季節の情報を顧客に流していれば、向こうから問合わせてくるそうです。少しずつ装備を整える。

慌てて、最新の装備を整える必要はないそうです。次にお客が乗船したとき、ほんの少し装備が変わっていればお客は喜んでくれるそうです。

お客は、自分の自由になる船だと思っているので、愛着心を持ってもらうこともサービスの一つだそうです。

無理をしない。海上に出ると、どんな気象の変化があるか予想できません。感天気望、気象情報、海象に目を配り、早め早めにお客に情報を流すことが大切です。

直前の催行中止を決断しても、お客に納得してもらえる根拠を示すことが信頼につながるそうです。

最高のコンディションを用意する。時期に応じて釣れる魚を選び、心地よく釣れる状況を作り出す技術を持つことが必要です。

遊漁船の船長をしている知人を分析すると、こんな感じになります。性格は、マイペースで楽天的。細かいことを気にしない。気さくで親切。釣りに関しては、負けず嫌い。

研究熱心。お茶目で話し好き。無欲で身の丈にあった暮らしを好む。現在、遊漁船を開業して25年。

キャパをオーバーする依頼が来ても大勢の知人に助っ人がいるため困らない規模に成長しています。どの船も、助けられたり助けたりの相互扶助をしているため、ネットワークが広がり続けています。

船同士のネットワークも必要

釣りに自信があり、へこまない性格で社交的なら誰にでもできる職業だと思います。スタートアップの宣伝と焦らないことが成功の鍵ではないでしょうか。

同業他社のいない地域を探して開業すれば、つまずかない商売かもしれません。3年間食べていけるだけの自己資金を用意してチャレンジしてみる価値はあります。