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どこからも“文句の出ない”進捗報告書の書き方

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プロジェクトの進捗状況などを幹部社員や顧客に報告するための資料に「進捗報告書」があります。

大規模プロジェクトになりますと、プロジェクト内でさらに複数のチームに分かれていることも多く、情報共有のためには「進捗報告会」は欠かせません。

 

その会で使用する「進捗報告書」は、現在の進捗状況を確認するためだけでなく、次年度以降の作業見積もりや工数管理、要員計画などを行う際の資料としても役立つ非常に重要なドキュメントです。

しかしその一方で、進捗報告書は進捗報告会のたびに作成しなければならず、要員の変更や作業割り当ての変更なども適宜反映しなければなりません。

そのため前回資料からの流用も難しく、また正確な資料を作成するためには資料作成者が部下の持つ作業タスクと進捗を全て正しく把握していなければならないため、資料作成にかかる時間が非常に多くなっています。

また、それだけの労力と時間を費やして作成した資料も、内容が不十分であるとか、知りたいことが書いていないなどの指摘を受け、資料としての完成度が低いものになりがちです。

今回は「どこからも“文句の出ない”進捗報告書の書き方」と称して、上司やお客様、他チームのリーダーが知りたいことは何かという観点を整理し、なるべく指摘事項を減らし、わかりやすい進捗報告書を書くためのやり方をご説明します。

目的意識を持とう ~進捗報告書とは?~

進捗報告書とは、その名の通り、進捗を報告するための書類です。そのため、以下のような内容になりがちです。

(悪い進捗報告書の例)

「1.XX作業(A田)

  ・X1作業 完了

  ・X2作業 実施中(50%)

  ・X3作業 未着手

 2.YY作業(B山)

  ・Y1作業 実施中(70%、遅延)

  ・Y2作業 未着手

  ・Y3作業 未着手」

しかし、これでははっきり言って、進捗報告を受ける人の知りたいことは何一つわかりません(せいぜいB山のY1作業が遅れていることくらいです)。

何のために書いているのか

進捗報告書とは、何のために書いているのでしょうか。それは、作業の進捗具合、遅れているのか順調なのか、順調に見えるけれど潜在的な問題があるのではないか、そういったことを報告するとともに、今後の作業スケジュールの修正や要員計画の見直しを行うための素材となるものなのです。

ですから、進捗報告書には、少なくとも以下のような項目が必要になるのです。

  • タスク(作業項目はすべてスケジュール化されているか)
  • 期限(作業期日はいつまでか、間に合いそうか)
  • 要員(誰がどの作業を担当しているのか、負荷の偏りはないか)
  • 問題点(進捗を妨げている要因は何か、潜在的な問題はないのか)

このような項目が進捗報告書に記載されていないと、進捗報告書の意味がありません。

現状どれだけの作業が消化されていて、どれだけの作業が残っていて、それが期日に間に合うのか、それを実施できるだけの十分な要員が割り当てられているのか……そういったことが一切判断できないからです。

「悪い例」で言えば、B山さんのY1作業が遅れているということはわかります。しかし期日が書いていないので、どのくらい遅れているのかわかりません。

また「70%」と書いてありますが、全体の分量がどのくらいかわからないので、その70%と言われてもこれまた具体的にどのくらいの作業が完了して、どのくらいの作業が残っているのか判断できません。

B山さん一人でリカバーできるのか、それともリカバーは難しいから要員を増やさないといけないのか。

そもそも元々B山さんの手には負えないほどY1作業が難しい作業だとしたら担当を変更しなければならないが、そこまでやる必要があるのか……そんなこともわかりません。

また、順調に見えるA田さんの作業には問題は何もないのでしょうか?

こんな進捗報告が出てくると、報告者は上記のようなことを質問されてしまいます。

そして、会議の時間は無駄に長引き、出席者は疲労困憊、せっかく作った進捗報告書は誰にも顧みられることもなくシュレッダーに突っ込まれる……何もいいことはありません。

進捗報告書はタスク、期限、要因、問題点など必要な情報をしっかり記載して、その報告書だけ見れば全体状況が把握できるよう注意して作成しましょう。