転職で圧倒的な好印象を残す面接ノウハウ【声で差をつける】
転職のあなたは、もしかしたら現職で就業途中での面接だったり、面接の日程が急だったりして、十分な準備の時間がないまま、当日を迎えるかもしれません。
あるいは、前夜は緊張で眠れず、体調がすぐれないまま会場に向かうかもしれません。
そんなとき、つい疲れた雰囲気が体全体に出てしまうものです。その疲れは必ず声に反映されてしまいます。
また、万全の状態で面接に臨んでも、第一声の声にハリがなければ、そのあとの言葉がどんなに立派でも説得力がありません。
声のトーンに引きずられて、盛り上がらないまま面接の時間を過ごすことになります。
声というのは、その人自身の生命力を表すものですので、その声のハリに、面接官はあなたのやる気や健全さを見ています。
つまり、あいさつの第一声で勝負が決まる、と言っても過言ではありません。
そこで、知っていれば得をする! 話し方のプロに聞く「面接で差をつける声の使い方」についてお伝えします。
第一印象の中には「あいさつ」の「声」も含まれる
キャリアのある面接官が、選考のポイントを「第一印象」においているということは、すでにご存じの方も多いと思います。
しかし、身だしなみに気を使っても、「声」に気を使う人は少ないのではないでしょうか?
第一印象の中には「あいさつ」という「声」の印象も含まれています。
「えーっ! 声のケアまで? 面倒くさい!」と思ったあなた! 実は声の印象って侮れないんですよ。面接官のアンケートでも「声がよく聞こえない」「声に覇気がない」「聞き取りづらい」など、声の印象がその人のマイナス評価につながるケースも多いのです。
一人だけならまだしも、複数人数での面接では、声が小さい、通らない、滑舌が悪いというのはとても不利です。
また、声の印象が明るいか暗いかで、その日の面談の雰囲気が決まってしまいます。
低いトーンで始まると、一度落ちてしまったテンションは、なかなか上がりません。逆に明るい雰囲気で入れば、明るい状態のまま話せますし、多少落ちても挽回できるでしょう。
そんな、場の雰囲気まで左右する声。声の使い方というのは、知っているのと知らないのとでは大違いです。
ほんの些細なことで、印象のよい声を作ることができるので、その方法を具体的にあげていきましょう。
聞き取りやすい声を作るには「腹から声を出す」
誰しも、面接会場での第一声で大きな声を出すのは勇気が必要です。ましてや緊張して声は震えるし、かすれるし、だからと言って、やたら大きい声であいさつするのも困りものです。
声というのは、その場に応じてコントロールできることが理想です。
面接における「覇気のある声」というのは、単に大きいのではなく、面接官に確実に伝わる適正な声のことを言います。その適正な声を出すには、日ごろから練習をすることが大事です。
では、日常で簡単にできる声のトレーニングをまとめてみましょう。
- 腹式呼吸をする
- 腹式呼吸を意識しながら、カラオケで声を出す
- 一番大きな声と一番小さな声を出してみる
- 2メートル先の相手に伝わるように話す練習をする
- 鏡の前で笑顔のレッスンとともに、口角を上げて話す練習をする
- 割り箸を平行に口にくわえて、新聞や本の音読をする
- いつもよりワントーン高い声で話す練習をする
- 留守電の声を自分で入れて、聞いてみる
さあ、できることからやってみよう
腹式呼吸をする
言葉は腹から声を出すと、俄然、声が遠くまで通り、説得力がついてきます。
でも日ごろ腹式呼吸をしたことがない人は、いきなり腹から声、と言われても、すぐに出すことはできません。
そこで、腹式呼吸を朝晩10回ずつ、さっそく始めてみてください。空気をお腹に貯めるつもり鼻から深く息を吸い、吸い切ったら口から「ふ~」と吐ききってお腹をへこませ、腹筋を使って呼吸をしてみましょう。
声が小さい人は、一般的に呼吸が浅い人が多いのです。このように深く息を吸ったり吐いたりすることで、体も整って、自然と大きな声が出るようになるでしょう。
腹式呼吸を意識しながら、カラオケで声を出す 一番大きな声と一番小さな声を出してみる
腹式呼吸の練習で最も効果的なのがカラオケです。一人カラオケで歌を歌いながら、発声練習も兼ねてしまいましょう。特にのばす音の多い曲は、息が続かなくならないように深く呼吸をするのでうってつけです。
同じく、カラオケボックスで最も大きな声と最も小さな声を使い分ける練習もしてください。
これは、自分の声をコントロールするためにはとても良い方法です。どのくらいの声なら適正なのか、友達に聞いてもらうのも良いでしょう。
2メートル先の相手に伝わるように話す練習をする
これは、意外と地味ですが、大変有効な練習です。声が通らない人は、そこに声が届くような意識で話をしていないのです。
日ごろ声が小さいと言われる人は、面接官のちょっと後ろあたりに人がいるようなイメージで話すと、ちょうど良い声になるでしょう。
鏡の前で笑顔のレッスンとともに、口角を上げて話す練習をする 割り箸を平行に口にくわえて、新聞や本の音読をする
笑顔は「緊張対処法」で書いたように、体をリラックスさせ、面接官の心も解きほぐすという素晴らしい効用がありますが、さらに、声を通りやすくする、というとても大きなメリットがあります。
口角が上がると、唇で声が遮られないので、声がまっすぐに相手へ飛んでいきます。年齢とともに口角が下がりがちになるので、その自覚のある人はさらに笑顔を意識しましょう。
また、割り箸を平行にくわえて新聞や本の音読(声に出して読む)をすると、口角アップと滑舌アップに効き目があります。
これも長くやる必要はありません。一日5分を続けるだけでもずいぶんと変化が現れますので、繰り返し練習してみてください。
いつもよりワントーン高い声で話す練習をする 留守電の声を自分で入れて、聞いてみる
誰が聞いても印象のよい声というのは、やや高めの声です。高い声はさわやかさを感じさせ、若さや新鮮さを醸し出します。
そこでお勧めしたいのは、いつもの声よりワントーン高い声で話す練習をすることです。その基準となるのが、留守電に入れた自分の声を聴くことです。
今や面接対策として自分の声を録音して聞く、というのは必須と思いますが、ボイスレコーダーよりも留守電の声は、電話機を通している分、少し暗く感じると思います。その留守電で明るく聞こえるくらいが、本番でちょうど良い明るさになるのです。
ボディランゲージも忘れずに
「声」は「態度」そして「気分」と連動しています。あいさつの第一声は、緊張しがちな場面なので、柔らかくソフトに、「失礼しまぁす」と、ほんの少し伸ばし気味にすると気持ちの良い声が出るでしょう。
そして、あいさつの気持ちは「今日はお会いできてうれしいです」というのを体で表しながら声を発するようにすると、面接官への好感度が格段にアップします。
第一印象は、会って10秒の勝負です。まずは笑顔で相手を見て、全身を相手に向けて「○○です。よろしくお願いします」と明るくあいさつします。
それらをおざなりにせず、しっかりと相手に向かって体全体で声を発しましょう。
前日の夜と当日の朝にすべきこと
そして最後に、前日と当日の声のケアについてです。前日は早く寝てじっくり明日に備えるのが理想ですが、もし万が一、準備や緊張のため眠れなくなったとしても、ゆっくりお風呂に入ることは忘れないでください。
お風呂に入ることで体がほぐれ、声帯がリラックスするからです。そしてお風呂では鼻歌を歌ってください。鼻歌は喉に負担をかけず、優しく声帯をストレッチできる方法です。
そして当日は、もし面接が9時からだとしたら、最低でも面接の3時間前に起きること。
プロは絶対に3時間以上前に起きて、発声練習をしてから現場に臨みます。どんなにキャリアのある声のプロでも、起きて3時間以内に魅力的な声を出すことはできません。
起きたら軽く体をほぐして、肩の力を抜き、鏡の前で笑顔とあいさつの練習をしてから会場に臨んでください。面接会場では練習通りのことを行えばいいのです。
声に自信がつけば、面接の最初から自分のペースで話すことができます。
さあ、今すぐできることから始めてみてください。また、いつ始めても遅いことはありません。
声についてこれだけ知っていれば、知らない人より数倍、面接での印象が上がることは間違いないのですから。