転職で圧倒的な好印象を残す面接ノウハウ【清潔感こそ命】
近年の面接官へのアンケートや面接ノウハウの指南書を見ると、「清潔感」というのがかなり大きなポイントとなっていることがわかります。
これは、新卒の就職はもちろん、アルバイトやパート、派遣など、どんな就業形態の仕事でも、共通しているようです。
面接官は見た目の印象だけではなく、いろんな点で「清潔感」をチェックしています。
しかし、転職の場合は、新卒のフレッシュさに比べると、清潔感が出しにくい、というデメリットもあるようです。
それはいったい、何故なのでしょうか?
そこで今回は、転職の面接で圧倒的な好印象を残す「清潔感」の演出についてお伝えします。
転職の面接における清潔感の極意とは?
清潔感を辞書で引くと、「汚れのない、清潔なさま。人格が正しく、誠実であるさま」とあります。では、転職の面接の場合の清潔感とは、具体的にどんなことでしょうか?
それは、外見の清潔さに加えて、人としての新鮮さ、素直さ(純粋性)といえるでしょう。
あなたが何歳で、何回目の転職かはわかりませんが、年齢を重ねるほど、また転職を重ねるほど不利になっていくことがあるとすれば、それは「清潔感」です。
なぜなら、年齢を重ねると知らない間についてくる不要なプライドや長年培った対人関係のクセが、清潔感を阻害するからです。
でも、ご安心ください。清潔感を印象付ける新鮮さや素直さというのは、年齢ではありません。
新卒だからと言って素直さがなければ清潔感は損なわれますし、逆に年齢を重ねても、新しい環境に適応する能力と好奇心さえあれば、新鮮さを保つことができます。
そして、面接官の見る「清潔感」という印象の中には、清潔な身なりを心掛けるための時間的な余裕や、会う相手に対するマナー(思いやり)なども判断されているのです。その辺の心配りは、キャリアがある人の方が長けているはずですよね。
ここで、一つ重要なことをお伝えします。面接を相手のペースに巻き込まれて終えるか、それとも、自分のペースに巻き込むことができるかの一番の決め手は、「どれだけ早く信頼関係を築けるか?」なのです。
そして、第一印象ですぐに信頼されるためポイントこそ「清潔感」なのです。
心理学的には、清潔感のある人に人は安心し、信頼できると判断するようです。つまり、清潔感さえ印象付けられれば、面接をあなたのペースに巻き込むことが可能なのです。
そこが見られている! 見落としがちなエチケット
では、面接官は具体的にどんなところに清潔感の目を光らせているのでしょうか?
例えば服装では、シミやシワのない服は当たり前、それ以上に気をつけたいのは服のサイズです。
いくら高価なスーツを新調したとしても、サイズが合わないと、いたる所にシワが寄ってだらしなく見えるものです。
大きすぎれば貧乏くさく見え、小さすぎれば若く見せようと無理しているように思われがちです。
また、転職の場合は、サイズがピッタリであることプラス、それがあなたに似合っているか? というのも重要です。
身分不相応なブランド品や、逆にいかにも間に合わせたような仕立ての悪い服は避けましょう。
色について言えば、今は黒いスーツを着る人が多くなりましたが、黒はインパクトが強い分、実は着る人を選ぶ色なのです。なんでも流行に流されず、自分に合ったものを選べるかどうかも、あなたの信頼度につながります。
デパートや美容系、ジュエリーなどの販売職であれば黒の方が良い場合もありますが、もしこれから新調したいと思うなら、紺のスーツを揃えておくと良いと思います。
紺なら、日本人の肌をイキイキとキレイに見せ、フレッシュな印象を与えます。
紺にもいろいろな色があると思いますので、あなたの顔映りが良い色を選んでください。
迷うようであれば、濃紺のマットなタイプが良いでしょう。そして、男女とも、できれば襟がパリッと見える白いシャツがお勧めです。
特に転職の場合、柄や色のシャツはそれだけである種の「味」が出てしまいますので、清潔感を演出するなら白の方がポイントは高いですね。
面接会場では、目立つことよりも馴染むこと、それがマナーなのです。
同じ理由で、ちょっと癖のあるデザインや色の靴、お化粧の濃さ、香水や整髪料の匂いなども要注意です。
長く愛用しているものは本人が慣れてしまって気づかないことが多いので、面接の前は親しい人にチェックしてもらうと良いでしょう。
自己アピールは、言葉でも態度でもできるのですから、まずファッションではニュートラルにしておいた方が清潔感を感じさせ、面接官の印象は良いことを覚えておいてください。
もう一つ、シワということで言えば、せっかくピッタリのサイズの服を着ていても、姿勢が悪いだけで肩の内側や背中にシワが寄ってしまいます。
姿勢も清潔感にとても大きな影響を与えますから、日ごろから背筋を伸ばすクセをつけておきましょう。
面接では「目立たせない」ことが逆に「目立つ」と心得よ
先ほど、「目立つより馴染むこと」というのが面接ファッションにおけるマナーとお伝えしました。
服以外に、爪をきちんと切る、ひげを剃る、髪を整える、ナチュラルなメイクをする…それらもすべて、悪目立ちしないためのエチケットです。
そのように、身だしなみに時間と手間をかけて、目立つ部分をできるだけ作らないことが、会う相手に対する心遣い(=マナー)になるのが面接会場という場所です。
同じように、面接における受け答えにも、それは言えると思います。
長く話し過ぎたり、話を大げさにしたり、やたらとオーバーアクションになってしまう、というのはすべて悪目立ちしてしまうパターンです。
まず気をつけたいのは、面接官の話は最後までじっくり聞く、ということです。
間違っても、面接官の話を途中でさえぎったり、「でも」や「しかし」などで話を始めないように注意してください。
また、ご自身のキャリアをアピールしたいあまり、矢継ぎ早に話し始めるのもガツガツした印象で、暑苦しく感じます。
面接官の話はすべて受け止めてから、一拍おいて話し始めるようにしましょう。
転職だからといって知ったかぶりをせず、知らないことは素直に質問した方が印象は良く、好感度がアップします。この素直さこそが、清潔感なのです。
転職というと、当然、今までのキャリアや即戦力としての力量を問われると思いがちです。
しかし、近年の採用の方向性は、仕事の能力より人柄に重きを置いている傾向があります。
同じくらいの能力がある2人が面接に来たとしたら、チーム内や上司との関係が円滑になるような人を選ぶのが組織の考え方であると言えるでしょう。
ことに転職の場合は、上司が年下である可能性が高いこともあり、謙虚さや「学ぶ姿勢」が必要になってきます――もちろん、そんなことは百も承知で転職に臨んでいらっしゃると思います。
それでも、キャリアがある人がつい出てしまうのが「私の方が正しい」「そのやり方は古い」「私だったらできるのに」などの「上から目線」」です。
なんでもへりくだったり、知っているのに知らないふりをする必要はありません。しかし、つい出てしまうこの「上から目線」は、言葉にしなくとも、感じ取られてしまうものです。
もしそう思ったとしても、あなたがその会社に入社したいと思うのでしたら、ここはひとつ初心に返って、どんな人からも学ぼうと思ってみてください。
その潔い姿勢が清潔感として映り、あなたを合格へと近づける一歩となるのです。
以上、転職における清潔感について述べてきましたが、「清潔感」が見た目だけではない、ということがおわかりいただけたと思います。
しかし、辞書にあるような「人格の正しく、誠実なさま」と言われると、あまりに抽象的で、ハードルが高すぎますよね。そこで転職の面接では、素直さや潔く初心に返れること、と定義してみました。
どんな仕事でも、新しいことに挑戦する好奇心のある人は、いつも新鮮で、若々しい印象があります。
あなたの心に新鮮さはありますか? 仕事に対する無邪気さや素直さをもう一度見つめ直し、面接には「清潔感」を持って臨んでください。
そうすればきっと、面接官の方からあなたに信頼を寄せ、熱心に質問をしてくれるに違いありません。