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効果的な逆質問で転職の鬼門「面接」を攻略!

効果的な逆質問で転職の鬼門「面接」を攻略!

一念発起して、いまの仕事を辞めて転職にチャレンジする若い人たちは少なくありません。ただ、どんな理由であれ、転職は多かれ少なかれリスクを伴うアクションだけに、大きな不安を抱えての挑戦になります。

特にその不安を助長するのが「面接試験」ではないでしょうか。

それは、現職を辞めて就職活動をしていることへの、ある種の後ろめたさもあるのではないでしょうか。フレッシュな新卒者がいだく緊張感とはまた別の意味で、第二新卒者には「面接」が大きな鬼門になっているといえるでしょう。

そこでここでは、すでに社会人であることを逆手にとった「逆質問」で、積極性を上手にアピールするコツを紹介します。

転職者にとっての面接の意味

まず、面接試験は何のために行われるのか、それをおさらいしましょう。

企業の採用試験は、多くの場合筆記試験と面接試験で行われます。小規模の事業所や個人営業の事務所に就職する際はもっと簡素ですが、筆記試験がなくとも、面接を一切行わずに社員を採用することは常識的にはありません。

それだけ面接試験は企業にとって重要視されているといえます。

基本的に面接試験は、実際に会って人柄を確かめるために行われます。大学を出たばかりの新卒者の場合、社会人としての経験は基本的にはゼロですから、将来の「伸びしろ」を推し量るという姿勢で臨まれます。

いっぽう第二新卒者の場合はどうでしょうか。まだ勤めて数年の若い社会人としても、すでにビジネスの基本的な礼儀をわきまえ、社会人として動ける体ができているものとして、採用側は人物評価に臨むでしょう。

その上で、いまの仕事を辞めてまでわが社の採用を受けに来たのはなぜなのか、そこに企業側の関心は集中します。

給料を払って社員を雇う以上、「辞め癖」のある人を警戒せざるをえないからです。したがって、面接では、あなたは期待と疑念が五分五分のまなざしで観察されるということを覚悟しなければなりません。

その疑念を拭い去るための大前提は、落ち着き、堂々とした態度で面接に臨むことです。

「勤まらなくて辞めた人」ではなく、「前職のスケールに収まらなかった人」という印象を与えることができるかどうか、それが鍵になるでしょう。

資質とやる気をアピールする逆質問

第二新卒者の場合、面接試験の基本的な対策は、すでに新卒の就職活動で経験済みでしょう。

いっぽう転職者としての面接で大きな関門になるのは、なぜ現職を辞めることにしたのか、という疑問に答えることです。

この質問は、転職者には必ず投げかけると考えなければなりません。それだけに、面接を受ける前にほとんどの人がこの質問へのポジティブな答えを周到に用意してきます。

つまり、立派な答えを準備してきても、本当にあなたが答えた通りの人物なのか、それとも単なる試験対策なのか、半信半疑で受け止められると考えるべきです。

そこで、その疑念を払拭できるのが「逆質問」です。

通常面接試験では、最後に「何か質問はありますか」と聞かれます。「特にありません」と答えて面接が終了するケースは少なくありませんが、むしろここが、あなたの本気度と積極性をリアルにアピールできるわずかなチャンスなのです。

逆質問で大切なのは、「資質」と「やる気」を表現することとです。

たとえば「私は前職でこのようなスキルを身につけましたが、ほかに事前に身に着けておくべき資質がありましたら教えてください」という逆質問です。

この逆質問は、面接官が現場責任者クラスか重役クラスかによって微妙にニュアンスを変える工夫が必要です。しかし重要なのは、自分は何ができるかと、求められるミッションに全力で臨む姿勢をアピールすることです。

避けるべき逆質問

自分を売り込む姿勢は面接の鉄則ですが、相手の立場を考えずに主張するだけでは、コミュニケーションのルールをわきまえない人と受け取られてしまいます。

面接担当者たちは忙しい中時間を割いて応じてくれている、ということを理解し、無駄に時間を消費するような質問は慎みましょう。

たとえば、会社のサイトに載っているような基本的な情報をたずねると、事前調査が不十分と評価される可能性があります。

あなたが採用されて働くことになった時のことをできる限り具体的に想像して質問を練らなければなりません。

また、受験者には気にかかる福利厚生にかかわる事柄には注意が必要です。休日や残業の状況をたずねると、仕事に後ろ向きのイメージを与えることになるからです。

給与や退職金などの待遇面を未来形で質問することも禁物です。企業は生き物ですから将来のことは明言しにくいものだからです。

ほかにも、ネガティブな印象が強い質問、採用試験そのものに関する質問、批判的な意見をにじませた質問も避けましょう。質問によっては担当者には答えられないこともありますし、そもそも社として回答を控えたい機密情報もあります。

逆質問には、会社の事情に配慮する謙虚さも必要です。質問のセンスがあなたの評価を分けることになることを肝に銘じましょう。

逆質問の機会をとらえてアピールする際、うっかり気を抜いてしまうのが、その後の態度です。あなたの質問に答えてもらったら丁寧に感想や感謝を述べることを忘れないようにしましょう。

すでに社会人として働いてきた人ならば、面接試験と営業職の類似性がよくわかるはずです。

営業の場ではクライアントの要望をひとつひとつ確認するために質問をします。その確認作業の態度そのものに、営業マンの積極性が表れていれば、クライアントも気持ちがよいものです。

面接試験は、れっきとしたコミュニケーションです。身近な人との対話で練習し、相手を気持ちよくさせつつ、自分の評価を高める「質問」のテクニックを磨いてください。