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自分を売り込む仕様書づくり!新卒者のための履歴書の書き方

「自分」を売り込む仕様書づくり-新卒者のための履歴書の書き方

履歴書は、採用試験を受ける会社に提出する文書のひとつで、通常はどこの会社でも求められる基本的なものです。

長く学生生活をしてきた新卒者には、なじみのない書類作成に戸惑い、要領をつかむのが難しいかもしれません。

そのような新卒者には、いつの時代でも共通した誤解があります。それは、履歴書をテストの答案用紙と同一視してしまうことです。

履歴書は正解や不正解で採点されるのではなく、「あなたという新商品」を売込む企画書と考えるべきものです。

「あなた」を購入したい、と採用担当者に思わせるための履歴書づくりを心がけましょう。

文書ルールを守り社会性を示す

履歴書は、入社を希望しているあなたの人物像を、会社に伝えるための文書です。市販の履歴書には微妙な違いがあり、会社によっては独自の書式を用意するところもあります。

しかし文書として記述する際の最低限の社会的な常識というものがあります。これまで学生だった新卒の人達にとっては、まずはこの社会で普遍的に通用する文書の書き方をきちんと守れるかが問われる場面といえるでしょう。

例えば筆記用具は黒の油性ボールペンを使います。あとから修正可能なものは文書には適さないからです。

また、途中で間違ったらどうするか。ビジネスの世界では金額や契約書など重要な部分で修正ペンなどを用いることは通常ありません。

履歴書も途中で間違ったら一から書き直すのがセオリーです。ただし軽微な誤りは砂ゴムなどを使ってもかまいません。

「株式会社」などの固有名詞の記述はすべて正式名称を用いるのが鉄則です。

また、履歴書を郵送などで送る場合も礼儀を尽くしましょう。宛名が担当者個人の名前の場合は「様」を付け、組織や係などの役職宛の場合は「御中」と付けます。

また履歴書だけを封筒に入れるのではなく、必ず挨拶を兼ねた「添え状」をつけましょう。

近年は手書きの履歴書が減少し、パソコンで印字したものが普通になってきました。読みやすさという点でパソコンが有利ですが、だからこそあえて手書きの履歴書をつくることも決して無駄ではありません。

複数社分を手書きするのは大変ですが、ここぞという会社に入魂の手書き履歴書を提出するのも、モチベーションを高める効果があります。

好印象を演出する

履歴書は、自分の人となりを会社に知らせる客観的な文書です。ただその形式を守りながらも、さりげなく自分の印象をよくし、注目してもらえるように注意深く配慮することも、採用を勝ち取る上で大切な姿勢です。

例えば証明写真です。新卒の学生はとかく値段の安さからセルフサービスのスピード写真を利用しがちですが、広角レンズを使用するスピード写真は表情がきつくなる傾向にあります。

写真スタジオでプロにお願いし、身だしなみもチェックしてもらいながら撮影しましょう。

「資格・免許」の欄も一工夫できます。単に現在保有している資格だけだと、新卒者には自動車の運転免許くらいしか書くことがないものです。

そこで現在取得にむけて勉強中であるもの、講習を受けたもの、あるいは近い将来予定しているものなども範囲に入れて記述しましょう。

大切なのは資格の所持そのものだけでなく、努力しているという印象を伝えることにあるのです。

「趣味・特技」の欄は悩ましい項目のひとつです。これといった趣味も特技もないとしても、あなたの人物像を表現するのが履歴書です。決して空欄のままにせず、考え抜きましょう。

趣味の欄は面接試験でも話題になりやすい項目で、あなたの人物像を大きく左右する部分にもなるのです。

趣味や特技といえるレベルかどうかは問題ではありません。あなたの余暇の過ごし方の中で、面接試験で話題になっても困らない話題を探しましょう。

自分をアピールする

履歴書は、自分の履歴等を客観的に記述した文書ではありますが、第三者があなたを調査したものではなく、「自分」について記したものである点が重要です。

つまりあなたのやる気をアピールする場であり、また自分自身を適正に分析する能力を示す資料にもなる、ということなのです。

このポイントに注目した場合、「鬼門」になるのが何と言っても「志望動機」でしょう。

新卒者は多くの企業を受けるのがほとんどで、そのひとつひとつに志望動機を丁寧に考えるのは重労働かもしれません。

だからといって「貴社の将来性に期待して」といった具体性のない動機を書いていては、ありきたり過ぎてほとんど読んでもらえない履歴書になってしまいます。

注目される履歴書にするには、この会社で働きたいと思うに至った具体的な体験を記すことです。

具体性と運命的な出会いこそが、会社とあなたという二者の実態を結びつける強力な動機になるからです。

また「長所と短所」という欄も悩ましいテーマです。特に短所については、うっかり書くと地雷にふれて致命的なことになるのではないかと不安になるでしょう。

短所を書くテクニックは、逆説的に自分の「長所」を考え、それを短所の視点に変換することです。

たとえば「決断力があると言われますが、ときに早とちりしてしまうこともあります」という表現を練るのです。

ネガティブな印象の履歴書にならないように、記入欄のスペースを最大限に利用して、自分自身のイメージを立体的に伝える工夫をしてみましょう。

履歴書は、決まりきった項目に必要事項を記入するだけの資料に見えるかもしれませんが、その書き方や答え方ひとつひとつに、あなたの個性や深刻度が現れます。

主観を交えず、事実を客観的に述べるという書き方は、論文の執筆姿勢としてセオリーであっても、事実を書いただけという印象の履歴書は、魅力的なアピールになりません。

「あなたという新商品」を、いかにして売込むか。それが、履歴書の作成に欠かせない基本的な姿勢といえるでしょう。