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就活生必見!「好きなこと」を仕事にしてはいけない、4つの理由

「好きなこと」を仕事にしてはいけない、4つの理由

就職活動で一番真剣に考えなければいけないのは、うまい自己PRの言い方でも、面接やグループワークのテクニックでもありません。一番大事なのは自分に合った企業・仕事を選ぶことです。

よく、自分が「好きなこと」から仕事を選ぶ方が多いようですが、実はそれは長い人生からすると失敗となる確率は高いです。「若者は3年で辞める」というのも、企業選びにミスマッチがあったからです。

例えば、

  • 洋服が好きだからアパレル企業に就職
  • 料理が好きだからファミリーレストランに就職
  • ケータイが好きだから携帯電話ショップに就職

など、人の趣味嗜好は様々で、よく上記のような企業選びをする方がいますが、なぜ「好きなこと」を仕事にしてはいけないのでしょうか?

「好きなこと」=「得意なこと」とは限らない

洋服が好きな方で、プライベートでたくさん服を買ったり、友達からもセンスが良いと評判でよく服選びの相談を受ける方がいるとします。確かに服に対する情熱はあるかもしれません。センスもいいかもしれません。

もしかすると、あなたの選んだコーディネートで、あなたやお店の固定ファンもつくかもしれません。ただ、好きな事=得意なこととは限りません

お店という特性上、売らなければ潰れますし、売れ残った在庫をさばいていかなければ赤字となるだけです。

販売に必要なのはもちろん、センスも必要かもしれませんが、お客様へのセールス力(おすすめする力)や説得力のある言葉を言う力、誰とでも仲良く友達になれるコミュニケーション力などが重要になってきます。

センスも大事ですが、すべての人が店員に洋服選びを任せませんし、アパレルに勤めるくらいですから、他の店員も一定以上のセンスはあるはずです。

その中で、洋服を買うのが好きだから、センスがあると思っているからといって他の店員との競争に勝つのは難しいでしょう。

好きなことを仕事にしてしまったせいで、プライベードでやりたくなくなる

料理が好きで、自分で食べる分はもちろん毎日自炊や弁当、それどころか、友達を呼んで食事会をしたり、進んで何かあるたびに手料理を披露してくれる方がいます。

そんな方が料理が好きだからといって料理屋に勤めたらどうでしょうか。例えば、ファミリーレストランに勤めた場合です。最初は好きな料理を仕事にできたということで、張り切って料理を作ったり、それを給仕したりすることでしょう。

ですが、数ヶ月、数年と同じ日々を繰り返してくると、料理をするのがしんどくなって、プライベートで料理をしなくなったりすることもあります。中には包丁を握るだけでも嫌になる、なんて方もいらっしゃるかもしれません。

何かが好きだからと言って、それを毎日しているとただの作業になり、新鮮味や感動が薄れてくるものです。

せっかくの人生で趣味と言えるものが、作業としか思えなくなったり、せっかくの休日にしたくないものになってしまうのは、長い人生からすると不幸と言えるのではないでしょうか。

好きなことが出来る業界でも、違う仕事はたくさんある

前項の料理が好きな方の例の続きです。

ファミリーレストランに勤めた料理好きの方も、プライベートでも特段嫌いになることはなく、順調に長年勤める事ができることもあるでしょう。 ただし、いつか起きてくることは、昇格や異動などです。

小さな店舗であればないと思いますが、ある程度の大きな企業であれば、必ずそれはやってきます。店長になるということもあれば、本社に勤務し、数字やパソコンとにらめっこをする業務につくかもしれません。

店長になれば、料理をする時間はあるでしょうが、圧倒的に減り、代わりに新しい店員の採用やシフトや給与の計画や新人育成、店員育成などの教育、店舗の販売を伸ばすための販促活動や店のレイアウトや展示の変更など、様々な業務を行うことになります。

もちろん、本社での勤務で経理になったり、新店舗拡張の営業マンになったりすれば、料理に携わることは少ないどころかゼロになるかもしれません。

つまるところは、好きなことができる企業・仕事でも、違う仕事がたくさんあるということです。

結局、好きなことをやるために入った仕事のはずが、気がつけば事務作業をやるだけになることもあるんです。

好きだからこそ、納得できないことが見えてくる

ケータイが好きだから携帯電話ショップに入った方の例です。

普段から新しいことに目が無く、なかでも携帯電話はカメラや音楽、インターネットなど、様々なことができるということで、ケータイが好き、という方も多いです。

そんな方が携帯電話のショップに勤めてみたらどうでしょうか。はじめは、携帯電話が特段好きでない他の同期よりのアドバンテージはあるでしょう。

好きだからこそ、知識も豊富ですし、新しい事もどんどん吸収したり、自分から調べたりもするでしょう。ただし、やはり利益を得るという企業である以上、納得できない面も多く出てきます。

明らかに目の前のお客様にはぴったりな商品があるのに、売れ残った在庫を減らさないといけないという企業としての事情から、古い機種を売らないといけないこともあるでしょう。

はたまた、売上のためにお客様にいらないオプションをつけたり、周辺機器を無理矢理言って売らないといけないこともあるでしょう。

自分だったり、絶対要らないなというものや必要じゃないと思う内容も、オススメしなければいけない状況は必ずあります。

本当に好きであれば、そんな企業の方針に納得できず、心を鬼にして日々業務を行うことになるかもしれません。そんな仕事はあなたの幸せに繋がるでしょうか。

自分が就職する業界や企業を安易に好きなことから決めるのでは無く、まずは自分が得意なことはなにかを考えること。 また、好きな分野であってしても、それを消費者側で無く、提供者側として、どのような業務を行うことになるのか。 好きな業務をするとしても、立場や職場が変わったりして、違う業務に就くことにならないかなど、その会社の人事面や規模。

好きだからという理由で安易に決めるのではなく、様々な想定をして企業選びをすることが、就職活動の第一歩として重要です。

もちろん、好きなことを仕事にして、それを納得できる環境の上、ずっとその業務をすることが出来るのであれば、就職活動は成功でしょう。

ただし、それが実現できるのはよっぽど能力の高いごくわずかな人と、運が良い人だけです。就職前にその企業のすべてを知ることはできません。

まず就職活動の第一歩は、好きなことではない、自分に合った業界・企業を選ぶことです。