【スーツ選び】1通りではない、就活における身だしなみの整え方
就職活動のための勝負服と言えばスーツ、誰もがそう思うでしょう。もちろんスーツは就活に臨むに当たってマストなアイテムと言えます。しかしただスーツを着ているというだけで身だしなみが整うかというと、必ずしもそうとは言えません。では何に気をつければ良いのでしょうか。
リクルートスーツの定義
就活をすることになった方が身だしなみと聞いてまず思い浮かべるのが「リクルートスーツ」だと思います。就活生のなかでこの言葉を耳にしたことのない人は稀でしょうが、それがどのようなものなのか、明確な定義を言葉にできる人もまた少ないのではないでしょうか。
実は、リクルートスーツには明確な定義というものはありません。ただ、就活シーズンになると紳士服メーカーなどのキャンペーンに見られるような、個性に乏しく質実剛健あるいは清楚なイメージを演出するスーツが多く出回り、また求められています。
ですから、基本的にはそうしたスーツのことをリクルートスーツと呼びます。白いシャツにテーラードカラーで2つか3つボタンのジャケットを合わせ、女性は膝丈かやや短めのタイトスカートか細みのパンツ、男性も細身のパンツを履くのが一般的となっています。
定義がないといっても「これだけは当てはまらない」という条件がいくつかありますのでご紹介しましょう。
- ダブルボタンのジャケット(男性)
- ツータックのパンツ(男性)やワイドパンツ(女性)
- ロングスカート(女性)
- ショールカラーのジャケット(男女問わず)
- 水商売に従事する人が着るような派手なスーツ(男女問わず)
上記のようなスーツは新卒のフレッシュさに相応しくないので避けましょう。あなたがある程度のキャリアを積んだ中年の方で、中途採用試験に応募するのであれば話は異なりますが、30代くらいの若い方がこうしたスーツを着ると年齢や立場に合わないと思われてしまいます。
そう、強いて言えば、フレッシュさというのがリクルートスーツの中核をなす要素でしょう。そう考えると、リクルートスーツのシルエットはゆったりしたものよりも細身のものが好まれることにも納得がいきますね。
色について言えば、ダークグレーや紺、最近は黒が主流になってきています。その理由としては、濃い色のほうが顔を明るく見せるため、表情が引き立つということが挙げられるようです。日本人にとっては、学生時代の制服のイメージもあるのかもしれませんね。
就業後も使えるスーツを選ぶ
オフィス・カジュアルやもっとくだけた私服で勤務する社会人も大勢いますが、スーツでの勤務が基本となる社会人も大勢います。その場合、就活で使ったリクルートスーツを使うのは当然のことと言えます。それを考慮に入れてスーツを選ぶのが賢い社会人の選択と言えます。
そうした考え方でスーツを選んでいくと、あなたが選ぶのは上述のスーツとは雰囲気の異なるものになるかもしれません。たとえば明るい色のスーツはどうでしょうか。ベージュやグレーといった色を中心に、ビジネスマンやOLに相応しい色というのはあると思います。
そして、そのような色を選んだからと言って、必ずしも就活に使っていけないということはありません。社会人の服装として相応しいスーツなら、就活生が着てもいいのです。但し形は華美過ぎず、ラフ過ぎないきちんとしたものを選んでください。
では、色の幅はどの程度までならゆるされるでしょうか。真っ白や赤、青、黄といった原色は避けましょう。先ほどベージュやグレーと言いましたが、ブルーグレーやグリーングレー、グレージュなどは然程華美でもなく、お洒落の範疇と言えると思います。
あなたの性格にも依りますが、紺や黒を着るときつく見えてしまうタイプの方には、比較的明るい色のスーツをおススメします。表情が柔らかく落ち着いて見えるだけでなく、目立ちすぎることなく個性を主張することが出来、面接で自分の良さを発揮しやすくなると思います。
さて色や形はだいたいお分かりいただけたと思いますが、何よりも大切なのはサイズです。これが合っていないと、せっかく素敵な色や形を選んでも、面接官が受けるあなたの印象は台無しになってしまいます。サイズが合わないだけで「だらしない」「自己管理がなっていない」と取られかねません。
ですから、サイズだけは自分に合ったものを選びましょう。オーダーメイドのスーツというわけにはいかなくても、肩幅の合ったものを選び、袖は自分に合った長さに詰めましょう。またボトムスはウェストやヒップの合ったものを選び、丈も履く靴に合わせてください。
スーツを着て行ってはいけない場合
たいていの説明会や筆記試験、面接にはスーツで行ってもいいのですが、就活によっては、スーツで出掛けてはいけない場合もあります。たとえば私立美術館など観光地のレジャー施設に就職を希望するような場合には、景観を損ねないようリクルートスーツを避ける必要が生じることがあります。
スーツで出掛けてもよいのか迷う場合には、採用担当者に予め尋ねておくようにしましょう。そして、スーツ以外でと言われた場合には指示に従うようにします。わからないことがあれば素直に尋ねることです。わからないまま勘違いして出掛けるより得策です。
どんな場合でも必要な身だしなみ
スーツであろうがなかろうが必要な身だしなみというのがあります。それは、髪型や顔の手入れ、爪の手入れはもちろんですが、スーツに毛玉がないかどうか、シミがないかどうか、靴下に穴が開いていたりストッキングが伝線したりしていないかどうかということです。
さらに、ボタンが外れかけているような時はかけ直し、ポケットやスリットのしつけ糸は外しておきましょう。カフスボタンや背面といった自分では目に入りづらい部分にも気を配り、どこから見てもきちんとして見えるようにします。皺も自然に出来るもの以外は取り除くようにしましょう。