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派遣社員から正社員への登用や転職を実現するための秘訣とは

派遣社員に求められるもの

企業が正社員ではなく派遣社員を採用する理由には、人件費の削減、人件費の変動費化、繁閑期対応や慎重な採用志向などがあります。

人件費の削減は、比較的割安な賃金の派遣社員を使用することでコスト削減を図ろうとするものです。専門的な知識やスキルはあまり必要でなく、誠実に働いてくれればコスト削減につながり助かる、というような考えで派遣社員を使用するものです。

人件費の変動費化や繁閑期対応は、忙しい期間は派遣社員を投入し暇な時期は派遣社員を使用しないで対応しようとするものです。必要な時期に一定の役割を果たしくれれば助かるというような考えで派遣社員を使用するものです。

慎重な採用志向とは、正社員としての人材は必要だけど適任者かどうか一定期間様子を見てから採用の判断をしたいというものです。

いずれにしても企業は派遣社員を事業の状況に合わせて都合よく利用することには違いありません。だからこうした現状を踏まえて、派遣社員から正社員へシフトできる方法を検討しなければなりません。

派遣先企業の選別

正社員を本気で狙うなら派遣先企業を適切に選ぶことが重要です。いくら派遣社員本人の能力、人間的魅力や意欲が高くても、人件費削減や繁閑期対応などを目的に派遣社員を利用する企業では正社員への登用の可能性は低いです。

そのため派遣契約をする際には派遣先企業での登用の可能性があるのかを派遣企業とともにしっかり確認しなければなりません。

派遣先企業の人事制度、人材に対する考え、派遣先企業の過去の登用実績、インターネットなどでの世間の評判、特に労働問題や労働環境などに関する情報も可能な限りチェックしなければなりません。

能力、人間性、意欲のアピール

慎重な採用志向である派遣先企業では、派遣社員が良い適任者、良い従業員になれると判断できれば正社員への登用が期待できます。

そのため、誠実に仕事に従事することは当然ですが、他の正社員よりも能力が高い、企業が期待している以上の結果が出せる、上司を助け仲間の支えにもなれる、というような優れた特徴を示さないといけません。

高い能力を示し優れた結果を残すためには、その職務に関連した直接的或いは形式的な知識やスキルを磨く必要はありますが、それだけではなく派遣先企業の事業や業務の目標を達成するための本質的な能力を身に着け発揮していくことも重要となります。

例えば、ブティックの会社の店頭販売員として派遣された場合、販売員としての売上額が重要となります。しかし、企業によっては担当者本人の売上額だけでなく、他の販売員への協力、店全体への貢献、固定顧客の獲得や育成を重視するところもあります。

このことを理解しないで、表面的な接客対応の良さで一過性の販売額を高めても、店全体への協力度が低かったり顧客との長期的な人間関係を作れなかったりでは高い評価は得られないかもしれません。

従って、どのような要素が高く評価され正社員への登用に繋がるのかということをその企業ごとに把握しスキルの向上に努めるとともに、それを実際に行ってアピールすることが必要なのです。

派遣企業の担当者との関係構築

派遣契約は、派遣企業の担当者が派遣先企業と派遣社員との間を仲介するような形で締結されるので、担当者がそのマッチングの役割を担っているといえます。

つまり、派遣労働者はその担当者が紹介する派遣先企業次第で正社員になれるかどうかが大きく左右されるわけです。従って、派遣社員としては、その担当者に正社員になれる可能性の高い企業を紹介してもらうことが正社員への近道になるのです。

そのためには、担当者との良好な信頼関係が必要です。具体的には、まず能力面で高い評価を得ることが重要です。どのような職務をどのようなスキルでどの程度の質でやれるかを明確に示しておきます。

例えば、経理業務に関して、簿記1級の資格をもっている、日常の経理事務のほか財務諸表の作成や税務申告の準備などもできる、6年間に2社の派遣経験の実績がある、などの詳細な情報をアピールしておきます。

また、業務面以外の特徴や魅力のアピールも重要です。派遣先の職場で、誠実に業務に従事できる、職場の上司や同僚と協調し貢献できる、職場の問題改善に前向きに取り組める、私的な付き合いにも参加できる、などを示ししておけば、担当者としても安心して派遣先へ推薦することができます。

このように担当者が派遣労働者である自分のことをよく理解し信頼してくれれば、正社員の登用の可能性の高い派遣先企業を紹介してくれるはずです。