よくある質問、どうして英語をするの、目的も学習方法も人様々
私は高校の英語教員をしています。現在、仕事上や学校で英語の勉強をしている人が多いと思います。しかし、英語は嫌いだが、必要にせまられて学習している人が多くいるのが現状です。
単純な質問ですが、よく聞かれるのが「Why do you learn English?」(どうして英語を学ぶの)です。皆さんでしたらどのように答えますか?
趣味として
英語を勉強することが趣味の人はあまりいないと思いますが、実は私がその1人です。力を入れて、さあ英語を勉強するぞという気持ちはあまりありません。しかし、常に頭の中は英語モードになっています。
朝起きて自分の目にした身の回りにあるものを英語で表現出来るか考えます。もしすぐ英語が出てこなかった場合は、すぐ電子辞書で調べます。
調べるだけならすぐ忘れますので、自分独自の英語メモ帳に記録しておきます。そして暇な時に何度も繰り返し見ます。これをするだけで、朝起きてから夜寝るまでの自分の行動を英語で言えるようになります。
新聞も週に1回は英字新聞を取っています。端から端まですべて目を通します。テレビもCNNや日経CNBCを英語で聞いています。
それから仕事の会議においても、ただぼーっと聞いているだけではなく、もし今、外国人教員にどういうこと?と聞かれた場合、即座に答えられるように同時通訳的にトレーニングしています。
大学の入試問題や資格試験の問題もクイズ感覚で解いています。センター試験や各大学の傾向が見えてきて面白いものです。自分の答えが間違っていたとしても、人生が終わりというものでも無いので、気楽な気分で英語に触れています。
仕事上でもアメリカ人だけではなく、アジア系の人と英語で話をする機会も増えてきました。そのおかげか最近では1日中英語の世界にいても全く抵抗がなくなりました。
仕事に必要だから
英語教員でも英語があまり好きではない人もいます。年配の先生とかで、大学入試でたまたま教育大学の英語専攻に受かったとか私立大学の英文科に在籍していただけで、就職の際にある教授の推薦で勤務校に配属になった人もいます。なので、受験英語は指導出来ても、英会話もあまり出来ない英語教員も多くいます。
それに対して最近、新採用になる英語教員は英検準1級やTOEIC730点以上の基準があるのと、海外留学経験者も多く、英会話が堪能な教員が普通になってきました。英語の教員研修に参加するとすぐ分かります。
最近では一般企業や特に外資系企業においてもTOEIC受験が課せられたりしています。会議も英語で会議を行うところも増えてきました。でも仕事をしながら英語の勉強をするとなると大変な労力が要ります。
特に年配の方にとってはまた1から単語を覚えなおすだけでもかなりしんどいと思います。私も最近つくづく感じることは、記憶力の低下です。前日に時間を掛けてしっかり覚えたつもりが、翌日になると結構忘れています。
英語学習のモチベーションを保つことは大変ですが、資格試験を受ける日を1つの目安として、計画を立てて、毎日少しずつすることが大切です。
将来、英語圏で暮らしたいから
これからはますます海外で仕事をしたり、旅行に出かけたりする機会が増えてくると思います。いつも誰かと一緒に行くのでは、英語は上達しません。通訳を通してだと、言葉は分かりますが、自分の気持ち、本心は半減してしまいます。
私が思うに、英語はアメリカ式やイギリス式だけではなくこれからはアジアの英語も多く聞くようになると思います。私も仕事でマレーシアに行ったときは、中国系が約半分いるので、英語も少し違っていました。
英語は公用語というよりは世界語(World Language)です。簡単な英会話が出来るだけでも世界の人と通訳無でコミュニケーションが取れ、自分の世界が広がると思います。
入試や試験があるから
生徒たちの英語を勉強する1番の目的はやはり定期試験や入試のためになると思います。毎日の授業の中で単語テストがあったり、英文法をやったり、受験校になるほどあまり実用的でない詰め込み式の授業が多いようです。
グローバル人材育成と文科省が言っている割には、どうしても受験があるので、模試の偏差値に焦点が行ってしまいます。私の勤務校はあまり受験というカラーはありません。英語の授業は出来るだけ英語で行い、英語で理解できるような形態に変えていっています。
しかし生徒の学力がかなり低いので色んな面で苦慮しています。日本では、中学校、高校、大学で英語を長年勉強してきても英会話が出来ない人が圧倒的に多いです。
やはりせっかく英語を勉強するのであれば、生涯使えるようにしなければもったいないと思います。資格試験にも色々挑戦し、海外旅行に行っても自分から積極的に英語を使ってコミュニケーションを取る姿勢が大事だと思います。