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失業手当で損しないために。賢い会社の退職方法

仕事をやめようと思っているあなた。ちょっと待って!後先考えずに今会社をやめてしまったら、あなたは大きな損をしてしまうかもしれません。というのも、やめるタイミングを見誤ると、失業中に受けられる失業給付の額が大きく変わってくる可能性があるからです。

あわてて会社をやめてもいいことはありません。「会社をやめたいな」と思ったら、上司に辞意を伝える前に、まずは次のことを確認してみましょう。

退職前の半年はできるだけ稼いでおこう

失業給付の額は、やめる前6ヶ月分の給料の合計から計算され、決まります。ここでいう「給料」にボーナスは含まれませんが、諸手当は含まれます。つまり、やめる前の半年分の給料をどうにかして増やすことができれば、その分給付も手厚くなるということです。

歩合制で働いている人は、給料を増やすことは簡単ですね。やめる前6ヶ月を死ぬ気でがんばればいいのです。じゃあ固定給の人はどうすればいいのか。それは残業代で増やしましょう。だからといって、やることもないのに無駄に会社に残らないように。

毎月の残業時間をチェックしよう

残業代を稼ぐ以外にも、残業時間が多い人にはいいことがあります。毎月45時間以上残業をしていれば、たとえ「自己都合」で会社をやめた場合でも、倒産や解雇などによって退職した「会社都合」と同じ扱いになるのです。

というのは、普通「自己都合」でやめた場合は、失業申請後の約3ヶ月間は給付を受けられないのですが、過度に時間外労働をしていたことを申請すると、「会社都合」で離職した場合と同様に、申請後すぐに失業給付を受けることができるのです。

さらに給付を受けられる期間が長くなる可能性もあります。「会社都合」と同様の扱いになるためには、やめる直前の3ヶ月間に、毎月45時間以上残業していることが必要です。

もちろんどれだけ残業したかが証明できないとだめですので、タイムカードのコピーや、残業時間が記載された給与明細など、残業時間が証明できるものをとっておきましょう。

証明できるものがない、という方もご安心を。手帳やノートなどに、毎日の出退勤の時間を書き留めておいたものでも証明になります。それらの証明を持ってハローワークに申請に行きましょう。ここで注意しておきたいのは、有給休暇のとり方です。

退職する最後の月に、残っていた有給休暇をまとめて消化する人も多いと思います。しかし、今までずっと身を粉にして残業してきたのに、最後の月に有給休暇をまとめてとったがために、その月だけ残業が45時間に満たなかった・・・、なんてことにならないよう気をつけてください。

あなたは今何歳ですか?

今、29歳と44歳の人は、次の誕生日が来るまで待ちましょう。会社をやめた日の年齢によって、もらえる失業給付額が増える可能性があります。

失業給付の額は会社をやめた時の年齢が関係し、より生活にお金がかかる年代ほど給付が手厚くなります(年齢区分:29歳以下 < 30~44歳 < 45~59歳)。

年齢だけではなく、払っている雇用保険の額によっても給付額は異なりますが、日額で約700円、月にすると約2万円も違ってくる場合もあります。つまり、今29歳の人は、30歳になってからやめた方が多くもらえる可能性があるということです。

さらに、年齢によって支給を受けられる期間も変わってきます。前述の残業過多などによる「会社都合扱い」で辞めた方は、支給を受けられる日数が最長で330日まで伸びますので、やめる時の自分の年齢は考慮しておいたほうがいいでしょう。

ただ、60~64歳の区分に属する人は、給付金額、給付日数ともに59歳以下の方と比べて低く抑えられているので注意しましょう。

雇用保険に加入していた期間を確認しよう

今雇用保険加入9年目という人は、がんばってあと1年ガマンしましょう。給付日数は雇用保険に加入していた期間によっても変わります。10年未満は90日間、10年以上20年未満は120日間、20年以上は150日間、失業給付を受けられます。

たとえその間に何度か転職していても、雇用保険に加入していた期間が通算で1年以上あれば給付を受けられます。ただ、1度給付を受けたことがある人などは、加入期間がリセットされてしまうので気をつけてください。

いかがでしょうか。これらはあくまでも失業給付を最大限もらうための方法です。ただ、失業給付の額や期間は個々人の条件によって異なってくるので、これらの方法を行っても必ずしも給付額が増えたり、期間が伸びたりするものではありません。

失業給付はあくまで次の就職先が見つかるまでの「保険」ですので、なんとかして失業給付をより多くより長くもらおうとするより、さっさと就職した方がよっぽど多く稼げますので、がんばって早めに再就職を目指しましょう。