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反論禁止は当たり前?クレームの上手い対応の仕方とは

どんな仕事にもクレームというのは付き物です。そんな時、大抵相手は感情的になっています。しかし、ロジカルに反論してはいけません。相手は感情で話しているので、正論で説いても全くの無駄。そんなクレームの対処法を紹介します。

先ずは感情に配慮してあげる

クレームが来た時、大抵相手は感情任せに怒っている事が多いです。冷静な相手のクレームであれば、お詫びと同時に建設的な解決策を提示すればそれで済む事ですが、感情任せにクレームを入れてくる人は少々やっかいですよね。

下手に反論しようものなら、より一層怒りが増してしまいます。例えそれがロジカルで、建設的な意見であったとしても、怒っている相手には全く通じません。感情を逆なでするだけになってしまいます。

ですので、先ずは相手の感情に配慮をして、怒りを冷ましてあげる事に集中しましょう。その時に気をつけないといけないことがあります。

それは、相手の言っている事に理解を示すという事と、もう1つは決して「でも」とか「いえ」とか、反論を示す言葉を用いてはいけないということです。先ずは、相手の言い分を聞いてあげる事に専念しましょう。

ロジカルに反論してはいけない

「納期は間に合うと言ったじゃないか!にも関わらず、納期が10日も送れるなんて一体どういう事だ!」

「いえ、間に合わせるように努力しますとお伝えしただけなんです」

と、こんな風に反論してしまうと、相手は更にヒートアップする事でしょう。

「納期回答を紙で貰っているぞ!これに合わせて製造計画を立てているんだ!遅れるなんて言ってないで何とかしろよ!」

「でも、今回は途中工程で不良が出てしまって・・・」

この場合もお客様は相手の怒りはヒートアップします。決して反論したり、ロジカルな事を言ってはいけません。先ずは理解を示してあげてください。

「すいません。おっしゃる通り、納期でご迷惑をかけております」

こう言った所で、満額で責任や非を認めた事にはなりません。実際に納期で迷惑をかけているということだけは事実だからです。

「すいません。お仕事に支障が出ていると思います。申し訳ありません」

お詫びをしながらも、相手の気持ちに理解を示しましょう。ロジカルに反論するのは、お客様の気持ちの整理がついてからなのです。

反論は感情を吐き出してから

お客様が怒り任せにクレームを入れてきて、それに理解を示したからといって、決してこちらの言い分を何も言わない訳ではありません。

何も言わずにお客様の言うがままにクレームを受け入れていたら、全ての責任をこちらが負わなければならなくなります。ちゃんとこちらの事情や言い分も主張しなければなりません。

しかし、先ほどと同様、「でも」とか「いえ」とか、相手の言葉を否定してしまう言葉を使うのは賢明ではありません。こういう時に効果的なのが、イエスバット方式です。一旦相手の言葉を受け入れてから、反論する方法です。

「まぁ随分荒っぽい言葉を使ってこちらも申し訳なかったけれど、でも君は確か納期は間に合うと言っていたよなあ」

「そうですね。ただ、納期は努力しますとお伝えしていたんです」

という風に、一旦「そうですね」とお客様の言葉を遮らずに受け入れてから、「ただ」と反論して下さい。万一ここでまた「いえ、納期は努力しますとお伝えしたんです」としてしまうと、お客様は自分の言葉が否定されたと認識してしまいます。

「納期回答に合わせて製造計画を立てているから、何とかしてほしいんだよ」

に対しても、

「そうですよね。ただ、今回不良品が出た影響で製造工程が遅れています。ご迷惑は承知ですので、出来る限りの対応はさせて頂きます」

というふうに、相手の言葉を受け入れてから、自社の事情を主張して下さい。最後はなるべくプラス発想の意見で終わってください。

クレームが来ている時の状況は、実はもうどうしようもない場合が多いのです。ですからお客様がヒートアップされるんです。実際物理的に納期がどうしようもない状態で、営業とお客様で長らくやり取りをしていた所で、納期は縮まりません。

お客様の怒りを解いて、お客様にも調整をして頂きながら、自社もなるべく早く納品をするという事以外に、解決しないからです。納期のクレームだけでなく、品質に関する事や、対応に対する事も、済んでしまった事はどうしようもありません。

どうしようもない事にお怒りのお客様の気持ちを和らげてあげる事が、クレーム処理の前提なのです。