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有能営業マンの周りには営業が集まる?人を動かす営業術

本当に優秀な営業マンは、一体どんな営業マンでしょうか?トークが上手い?プレゼンが上手い?情報収集能力が高い?どれも当てはまるでしょうが、最も素晴らしい営業マンは、自分の代わりに動いてくれる営業マンを沢山持っている事です。自分が動かなくても売上が上がる営業方法を紹介します。

某飲料水の販売会社の営業に、こんな方がいらっしゃいました。本人は特に口が達者なわけではなく、客先での商談ポイントも若干ずれている様子。決して営業マンとして優秀とは思えない人なんです。しかしながら、営業の成績は販売店の中でも常にトップ。

商談も不得意、実はプレゼンテーション自体もそれほど得意という訳ではないのですが、トップセールスなんです。そんな彼には自由な発想がありました。彼がトップセールスでいられた理由は、実は彼以外の営業が頑張ったからなんです。

彼の代わりに彼の製品を販売したのです。しかもそれは同じ社内ではなく、他社の営業マンなんです。果たして、これは一体どういう事なのでしょうか?実は彼が扱う製品を、他社の営業と一緒にタイアップ販売をしたという事なんです。

これはあくまでも一例で書きますが、例えば自動販売機。自動販売機を法人に設置する場合、自動販売機の販売店から協賛金が出る場合があります。その協賛金を使って、例えばLEDのメーカーとタイアップを組めば、どうなるでしょう?

法人企業にLEDを無償で提供することが出来ますよね。自動販売機を設置して頂いた企業に、自動販売機の販売店が協賛金によってLEDを購入し、それを企業に提供するのです。協賛金を現金で提供する場合もある様ですが、その場合だと雑所得の税金が取られます。

LEDでしたら物を提供した上、電気代が1本当たり半額程度になりますから、今後毎月継続して経費削減が出来るという訳なんです。更にLEDのメーカーからしても、自社の製品を購入してもらえるので、法人企業も得をして、自動販売機の販売店も設置箇所が増え、LEDメーカーも喜ぶという、まさに三方良しの考え方なのです。

こういう仕組みをその営業マンが考え、LEDというニーズの多い商品で他社とタイアップしました。その結果、次のストーリーに発展します。LEDメーカーは販売拡大のチャンスです。今まで有償で普通に販売していた営業方法に対して、無償提供という売りやすい武器が手に入った訳です。

そのため、自社が抱える販売代理店にもこのスキームを提示しました。すると、自販機販売店の営業1人で売り込みをしていた事が、LEDのメーカーの営業マンも自動販売機を設置してくれる事になり、営業が数人に増えた訳です。

しかし、先ほども言いました様に、LEDのメーカーが各代理店にもこのスキームを提示したために、各代理店の営業も、自動販売機の取り扱いを始めました。こうして、1人で売っていた事が、数十人の営業に増えたのです。

毎月自分自身が営業をしなくても売上が自動的に上がり、自分の仕事は客先への訪問ではなく、各営業マンへの顔出し程度となったのです。更に、彼は同じようなスキームをセキュリティー会社とも行いました。

異なる分野とのタイアップによって、客先のニーズ衰退のリスクを分散したと言う訳です。こんな風に、自社の製品を単純に販売して、自分のマンパワーだけで売上を立てるのではなく、他の人と上手く連携を取りながら売るという仕組みを考えた発想が、彼をトップセールスにし続けている理由です。

この仕組みのために、彼は異業種交流会に頻繁に出席したり、様々なメーカーにこの話を持って行ったり、普段の営業以外の所でアクティブに動いておりました。営業ノウハウとか、売るためにはと聞くと、がむしゃらに自分自身が売らなければならないと思いがちでしょうが、決してそんな事はありません。

例え人前で話すのが苦手でも、プレゼンが下手だったとしても、売上を上げるという目的を満たす方法はいくらでもあるのです。しかも自分で売らなければならないという事もありません。会社のルールの範囲で、売るための仕組みを構築する事に価値があるのです。

売るためには何が必要なのか、自分が売る以外の方法で、どんな仕組みを取れば自動的に売れていくのか、マンパワーをどこに置くのかなど、普段の営業と違った仕組みを考え、試してみて下さい。

しっかりとした仕組みを作ることが出来れば、彼のように売上が自動的に上がるという状態になるかも知れませんよ。