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知らないふりでチーム力を上げる!知ったかぶりを防ぐミーティング

ミーティングの席で、分からない事を分からないと言えない人がいます。今さら聞けないので、知ったかぶりをしてその場をスルーする人。しかし、それではミーティングに出席している意味はありません。

そんな人に知ったかぶりをさせないため、リーダーは無知なふりをして基本的な質問をしてみては如何でしょうか。

リーダーと、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの5人でミーティングをしているとします。その中でDさんは新人。右も左も分かりません。しかし、先輩達に囲まれて、分からないことを質問しにくい様です。

リーダー「今日は現状の、皆の途中経過を洗い出して、今月の目標に向けての過不足を出す。先ずA君。現状の報告をしてくれ」

Aさん「はい。予算100万円、現状の数字は50万円です」

新人Dさん「(予算ってどういうことだろう。でも取り敢えず頷いておこう)」

Aさん「残り50万円の予算のうち、見込み客が40万円分ありますので、後10万円分は既存リストからローラーかけます」

新人Dさん「(ローラーかけるってどういうことだろう。取り敢えず頷いておこう)」

と、たったこれだけの会話でも新人には分からない事が沢山あり、真剣な先輩たちが話し合う会議では、質問もしにくいのです。

もちろん、文脈から推測したり、分からないことを紙に書いて後から質問する事も出来ますが、どうせならタイムリーに理解している方が、会議の内容そのものを理解しやすいですよね。

リーダーは部下を早く成長させた方が得なわけですから、部下の表情を見ながら、会議の内容に付いてこれる様にしてあげる度量が必要です。

リーダー「では、A君は、予算つまり売上目標は、あと10万円分を頑張れば達成出来そうだね。ローラーはテレアポで順番にかけていくか、飛び込み営業で順番にかけていくか、どうするつもりだ?」

というふうに、新人Dさんが推測しやすい様に言い換えたり、言い直したりしながら、Aさんにも確認の意味で聞き返します。こういう方法だと会議の進行の妨げにもなりませんよね。

リーダー「では次にB君の報告を宜しく。B君は新規案件専属で当たっていたけれど、結果はどうだった?」

新人Dさんは、AさんやBさん、Cさんがどういう役割かも把握をしておりません。そこでリーダーはわざわざ「新規案件専属で当たっていたけれど」という言葉を自然に入れます。

たった一言で、新人Dさんは「あっそうなんだ、Bさんは新規営業専属だったんだ」と気付き、会議の傍観者ではなく、理解して会議を聞くことが出来る参加者となるんです。

Bさん「目標案件数が5件に対して、現在3件を達成しております。後2件も決まりそうですが、そのうち1件は与信管理をしっかりしないと怖いので、受注は少しずつ様子を見ながら受ける事にします」

新人Dさん「(与信管理って何だろう?営業は沢山売り上げた方がいいはずなのに、どうして少しずつ受けるんだろう?)」

と、また新人Dさんは分からない事に対して、話の腰を折るわけにもいかず、疑問を頭に抱えています。

リーダー「そうか、確かにその会社が潰れずにちゃんと支払いしてくれるのか、管理は必要だしな。B君の言うように、様子を見ながら少しずつ注文を受けて、ちゃんと支払いが継続して信頼出来る様になったら、沢山引き受けよう」

と、リーダーが返答を分かりやすく答えるだけで、新人Dさんの様に分かっていない人がいても、情報を共有出来ます。

リーダー「最後にC君は、新商品の提案を客先にしていたね。新商品の特色ってどんなのだったかな?」

Cさん「あれ?以前報告したと思うのですが?」

リーダー「会議の場で全員にシェアしたいから再度説明してくれ」

Cさん「あ、そういう事ですね。分かりました。新商品の特色は・・・」

実は、リーダーは事前にCさんから新商品の説明を受けて、内容を知っていました。同僚のAさん、Bさんも、普段からコミニュケーションをとっているために、大体の内容は知っていました。

しかし、リーダーは新人Dさんにも理解させるべく、自分は知っていようが知っていまいが関係無く、わざわざ質問をしたのです。

こんな風に、リーダーがちょっと気を使って、部下の報告を分かりやすい言葉で言い直したり、基本的な事を言い換えたり、今更の事を敢えて質問する事で、会議に出ている全員が情報を共有しやすくなるのです。

今回は新人Dさんを対象として例に上げましたが、新人でなくても、今さら聞けないという事を持っている社会人は沢山います。

そういう人に「何を今更!」と言うよりも、理解させて上げるリーダーになりましょう。その方が組織にプラスですから。