• RSS

仕事であなたの主張が正しいのに受け入れられない5つの理由

仕事をしていると、進め方や仕事の内容などいろいろなことであなたと他の人の意見が対立することがあると思います。

その時、例えあなたの意見が採用されなくても、採用された意見が正しいのであれば納得いくでしょう。しかし、実際には正しくない意見が採用されてしまうこともあります。

この不条理、自分の意見をはねのけられたものとしては、とても納得いくものではありません。ではなぜ、明らかに正しい意見であっても採用されないということが起こりうるのでしょうか。今日はあなたの主張することが正しいのに受け入れられない理由をご紹介します。

1.慣習に合っていない

なかなか納得しがたい理由ではありますが、あなたの意見が「慣習に反している」場合、その意見は採用されない傾向が強くなります。

慣習というのはその業界・業種でのみ通用する常識、あるいは暗黙の了解と言い換えてよく、自社だけでなく取引先やお客様も、その慣習を前提としてすべての事業計画を練っている可能性があります。そのため、慣習を覆すような意見を採用する場合、思いもよらない部分にまで影響が出てしまう可能性が高くなります。

いま問題となっている一つの現象に関しては、確かにあなたの意見が正しいのかもしれませんが、それについてあなたの意見を採用してしまうと他への影響範囲が大きすぎるために、採用を見送られるケースです。

2.かつて失敗したことがある

かつて同じような問題があり、その時の解決法としては正しい手法を選んだけれども、実際にはうまくいかずに失敗してしまったという経験がある場合は、あえて正論を採用せずに、他の意見を採用することがあります。

例えば問題に対して「上手くいくかどうかわからないけれど、コストがかからない意見」「あまり正当性はないが、実際に対処にあたる現場の要員から支持率が高い意見」「理論上は正しいが、かつて採用して失敗したことのある意見」の三つが対処案として上がっていた場合、「正しいがかつて失敗した意見」というものはなかなか採用されません。同じ失敗をすることを恐れて採用を見送られるケースです。

3.お客様の要望に合致しない

問題がお客様と直接かかわる内容である場合、お客様の要望を聞くというのはとても優先度が高くなります。仮に企業側が正しさを優先したいと思っても、お客様が正しさよりも重要に思っていることが別にあり、そちらを優先してほしいと強く要望してきたら、企業側としても強く正しさを主張することはできません。

例えば、製品組み立ての際に十分な強度を確保するのには10本のネジが必要ですが、理論上は6本あれば十分だという製品があります。企業側は安全のために10本のネジを使いたいのですが、お客様側から「コストカットのため、理論上最低限必要とされる6本で押さえてほしい」と強く要求されれば、(実際に理論上6本でも安全性に問題はないわけですから)「10本使いたい」という企業側の要望を通すことは難しくなります。お客様の意見を優先するために採用を見送られるケースです。

4.現実的でない、実現できそうにない

一番よくあるケースが本件ではないでしょうか。理論上は確かに正しいけれど、それを実現するためには膨大な時間や人員、お金がかかるため出来ないというケースです。残念ながら企業は限られた資源を用いて利益を上げなければいけませんから、必ずしも正しさだけを追求できるわけではないのです。

ボランティアや個人の活動であれば、いくらでも納得がいくまで最上級の正しさを追求することもできますが、企業はお客様やステークホルダーと約束した契約があり、それを果たすことが一番大切なことなのです。

ですから、契約で定められている品質、あるいは社会から期待されている水準を満たすことが出来れば、それ以上のものを過剰に追及していくことは出来ないのです。実際に実現することが出来るか、現実的に可能かということを「実現可能性」と言いますが、本ケースはその実現可能性に問題があり、いわゆる「机上の空論」として採用を見送られるケースです。

5.面倒なことになりそうだから

以上1~4は、全体を眺めた場合、採用を見送る妥当な理由がある場合のご説明でした。しかし、中には単に上司が揉め事を嫌ってとか、新しいアイディアを取り入れるのが面倒くさいからなんて理由で、正しい主張をはねのけてくる残念なケースもあります。

あなたの意見が不採用となったとき、1~4の理由に当てはまらないか冷静に考えてみましょう。そしてもし、そのどれでもないと思ったら、上司やリーダーが単に面倒くさがって不採用にした可能性を疑ってみましょう! そして、もし不採用の理由に正当性がないと感じたら、是非あなたの意見を通すために頑張ってみてください。