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伝わりやすいプレゼン資料作成のポイント~効果的な配色の考え方~

情報戦略が重視され、いろいろな人に事業や製品をアピールする機会が増えている昨今、プレゼンテーションソフトを利用しての資料作りは、どのような業種でも求められる社員の業務の一つではないでしょうか。

資料の用途に合わせたプレゼン資料作成のポイントは、以前『プレゼン資料作成のポイント~目的に合わせた資料作り~』という記事でご説明させていただきました。今回は、その中でも特にプレゼンソフトが本領を発揮する「ディスプレイ資料」について、もうすこし具体的にお話をさせていただきます。

ディスプレイ資料は、セミナーやカンファレンス、フォーラム等で、ブースの前の大型ディスプレイに映し出し、ブースでご説明する細かい製品やサービスのさわりをご紹介するために用いる資料です。そのため、ディスプレイ資料には、わかりやすく人の目を引き、興味を持ってもらうような作りが必要不可欠とされます。

これについては『プレゼン資料作成のポイント~目的に合わせた資料作り~』で、見やすい配色と効果的なアニメーションが必要だとご説明させていただきました。これに関して、色彩学・デザイン学・人間工学の観点から、その資料を見た人がより興味を持ちやすい資料の作成方法を学んでいきましょう。

色合いは、はっきりとしたカラーリングで!

文字を表示するとき、背景色には黒や濃紺がオススメです。その時の文字色は白や黄色にします。一般的な資料は白地に黒文字ですが、あえて逆にするには理由があります。黒や濃紺は縮小色と言われ、色自体が小さくまとまって見える性質を持っています。また、白や黄色は膨張色と言われ、色自体が大きく広がって見える性質を持っています。

膨張色の下地+縮小色の文字の組み合わせでは、遠くから見ると文字が実際のサイズよりも小さく、ぼやけて見えてしまうという難点があります。それを縮小色の下地+膨張色の文字という組泡汗にすると、文字自体が大きく広がって見えるため、遠くから見たときでも文字をはっきりと読み取れるようになるのです。

文字以外の色についても、人の脳に強く印象を残す色がオススメです。通常の資料では、強い色味は紙面がうるさくなりすぎるため、避けたほうが良いのですが、ディスプレイ資料に限って言えば人の脳に強く注意喚起をする色のほうが印象に残るため好まれます。例えば「ビビットカラー」と呼ばれる、強い赤や濃いピンクなどは、プレゼン資料では効果的な色となります。

自動アニメーションのスピードはゆっくり、一定に!

お客様に説明するときの会議資料などでは、口述の説明の妨げにならないよう、アニメーションはあまり使わないこと、使った場合もアニメーションスピードは「速い」に設定し、説明のタイミングを阻害しないように設定します。アニメーションが流れきるまで次の説明に移れない、というようなことを防止するためです。

しかし、プレゼンテーション資料では、常に動きがあったほうが見る人の目を引きます。静止画よりも動画のほうが、生物は本能的に興味を持つからです。そのため、可能であればアニメーションをふんだんに設定します。その場合、ディスプレイ資料は全体を通してストーリーが流れていくように構成をしたほうが望ましいため、継続感を出すためにアニメーションスピードは「遅い」に設定します。

アニメーションがところどころにしか設定されていなかったり、「早い」に設定されていたりすると、見る人のタイミングによってはたまたま一切動きのないシーンにあたってしまうことになり、その人の注意を引くことが難しくなります。誰がいつみても、何かしら動きがあるように、流れるようなアニメーションの設定をしましょう。

また、連続性を表すため、同じ内容を示すオブジェクトは同じ色や形にそろえることも、視覚的に同じものであるということを理解できるため、大切なポイントとなります。

いかがでしたでしょうか。ディスプレイ資料は不特定多数の来場者に効果的にアピールしなければならないので、効果的な資料を作成するためのポイントもいろいろあります。ここに上げた以外にもお客様の目を引くための工夫はたくさんありますので、効果的な資料とはどのようなものか、是非自分なりの答えを探してみてください。