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ピンチをチャンスに!心が伝わるお詫びの手順と詫び状の書き方

クレーム処理は時間との勝負です。気が重いからといって後回しにしているとあなたの社員生命を脅かしかねない一大事に発展しかねません。

どんなに忙しくてもまず連絡を受けたら一番に、先方に電話を入れて話を聞きましょう。そして、上司に報告し会いにいきます。

相手の不満を聞き出し、同感すること

まずは、あなた自身が慌てずに落ち着くことが大切です。先方も怒っている時にはきちんと説明できないことがあります。きっかけは些細なことなのに、今までに積もった不満が爆発するときもあります。

上手にすべての不満を聞き出し、一番元になる不満は何かということを見つけ出さなくてはいけません。ここが間違っているといくら頭を下げてても事態は収拾しません。

日本人はなかなか本音を言いません。特に一番頭にきていることが言いにくいことだったりするとこちらもなかなか理解できないことがあります。相手の感情に同感しながら丁寧に聞いていきましょう。

こちらに100%非があり、相手に損害額が無いような感情的な怒りの場合はすぐに謝ります。

フレンドリーを売りに営業している人も、このような場面では「ごめんなさい」や「すみません」では無く「申し訳ありません」や「大変失礼しました」というビジネス敬語を使いましょう。

小さい声でぶつぶつ言っても誠意は伝わりません。大きな声で聞こえるようにはっきりと発音し、頭を下げます。

「電話を受けた事務員が悪いのに?」というようなことでも、会社を代表して自分がやったことのように謝るのが基本です。

「うちの事務員がすみませんでした?キツく言っておきます?」なんて他人事のように言っても相手の怒りは収まらないでしょう。

もちろん「お宅に言われた通りにやっただけですよ!」とけんか腰になってもダメ。相手に非がある時にはます、調査してみますと言って社に持ち帰ります。

内容が些細な不満なら「言いたかったことを全部しゃべったらすっきりした!」というだけで終わることもあります。

「今回は大変勉強になりました。また気がついたことがありましたらぜひご指導下さい」と言って終われば以前の関係より良くなるはずです。

詫び状は書面で送ること

ただし、損害賠償が絡む時には注意が必要です。特にどちらに非があるのかわかりにくい時には、不用意にあなたが謝ってしまうことで、会社側がミスを認めたことになりかねません。

「今後、同じような事故が起きないようにするために、社に持ち帰って徹底的に原因を追求致します。」と言い、まずは上司に報告しましょう。

「このたびは、ご心配をおかけ致しまして誠に申し訳ありませんでした。」「ご不便をおかけ致しました」と言う謝り方にとどまりましょう。そしてなるべく早く結論を出し、書面でお詫びの文章を書き送ります。

お詫びの文章はメールの方が早く届きますが、年配者には不誠実に取られることもあります。ケースバイケースですが、一言メールで「このような内容の報告書を送らせて頂きます。」と断ってから郵送するのも良いでしょう。

詫び状の書き方

  • 右上に日付を平成から入れます。
  • 一行下がり、左上に相手の会社名、所属名、担当者の名前を入れます。社長が怒っているというのであれば社長の名前にした方が良いでしょう。
  • 1行下がって、右上に自分の会社名、住所、電話番号、自分の所属、名前を入れます。
  • 1行下がり、ここから本文です。まず最初に「拝啓」と書き改行します。
  • 1行下がり、「貴社ますますご盛業のことお喜び申し上げます。」もしくは「平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます」と書き改行します。
  • 相手の苦情内容を書きます。「このたびは ◎◎の件で、ご指摘を受けましたが、ご迷惑をおかけ致しまして誠に申し訳ありません。」
  • 調査結果を書きます。「当社にて原因を調査致しましたところ ・・・・ということがわかりました」
  • 対策を書きます。「今後はこのようなミスの起こらないように、・・・・・し、同じようなミスが起こらないように徹底したいと思います。」
  • 相手に対する対応を書きます「○○様に関しましては、・・・・として対応させて頂きたいと思います。」
  • 「なにとぞご寛容のほどお願い申し上げます。」
  • 「どうぞ今後ともご指導頂きたく、お願い申し上げます。」
  • 最後に 右下に「敬具」と書いて終わります。

もし原因が相手の勘違いだったとしても、相手に恥をかかせないように気を配った表現にしましょう。目的は相手の気持ちが収まることです。

出来あがったわび状は出す前に必ず上司に確認してもらいましょう。上司になる人はトラブル処理とトラブルにならないための管理が仕事です。

多くのトラブルを乗り越えて解決してきた人こそが強いリーダーになれるのだと思います。ピンチを出世に生かせるかどうかは あなた次第かもしれません。