ランチミーティングを薦めない理由1~具体的に得られるメリット
あなたの職場ではランチミーティングを行うことがありますか?ランチミーティングは「本音ベースで話ができる」「いい雰囲気で会話が進む」などのメリットがあるとされているため、導入している職場も多いようです。
しかし今回は、あえてランチミーティングの弊害を述べ、安易な導入に警鐘を鳴らします。
前編:ランチミーティングとは
そもそもランチミーティングとはどのようなものなのでしょうか。ランチミーティングとは、読んで字のごとく、ランチタイムにミーティングを行おうというものです。ランチミーティングには、企業として見たときにたくさんのメリットがあります。
ランチミーティング:企業のメリット
上司などが読むマネジメントメソッドの本でランチミーティングを扱うとき、必ず出てくるのが「本音ベースで」「和気あいあいと」「いい雰囲気の中」「楽しく話す」ことにより「より良いアイディアが出て」「前向きな気持ちで取り組むことができ」「会社の活性化にもつながる」という考え方です。キーワードごとにもう少し詳しく見ていきましょう。
「本音ベースで」
食事の場ではつい本音が出てしまうものです。人間は本能的欲求が満たされると開放的になる傾向があります。本音の意見を聞きたいと思っている企業には朗報です。
「和気あいあいと」「いい雰囲気の中」「楽しく話す」
一般的に考えて、食事は楽しいものです。特に明るい雰囲気でおいしいものを食べるランチでは、自然と雰囲気も良くなり、明るい気持ちで仲良く楽しく話そうという場の空気が出来上がります。たしかに、プロジェクトルームで難しい顔をしながら話すよりもいい雰囲気で話し合いができそうです。
「より良いアイディアが出て」
いい雰囲気の中、参加者が本音で語り合えば、妙案が飛び出ることもあるでしょう。会議宅を前にしては建前の塊しか出てこない可能性があることと比べると、画期的と言えます。
「前向きな気持ちで取り組むことができ」
人間は、人から押し付けられたアイディアよりも、自分たちが出したアイディアに、より前向きに、積極的に取り組むものです。例えば営業のノルマだって、一方的に押し付けられる目標より、自分で「この数字を達成するぞ!」と決めた目標のほうが前向きに取り組む気になります。
「会社の活性化にもつながる」
そして、社員が前向きな気持ちでより高い目標に取り組むようになれば、会社全体の雰囲気が明るくなり、活性化につながっていくというわけです。まるで魔法のように素晴らしいですね。もちろん、ランチミーティングには、きれいごとだけでない会社のメリットもあります。それらは従業員にとってはあまりうれしくない内容も……
「業務を妨げない」
ミーティングというものは意外と工数がかかります。それを業務時間内に実施すると、費用や納期を圧迫することになります。業務内に一時間の時間を確保することは結構なコストがかかります。しかしそれを休憩時間であるランチタイムに充てることで、業務を妨げずに必要な話し合いを行うことができるというわけです。
「社員の休み時間の動向を把握できる」
本来休み時間は、良識に反しない程度で何をしても自由です。しかし、職場によっては休憩時間であっても、緊急に社員に対応をお願いしてもらわなければいけない案件が発生するケースもあります。そのようなとき、ランチに出かけている社員を探し、連れ戻すには手間がかかります。しかしランチミーティングがあれば、決められた場所に社員が集まりますから、わざわざ社員を探す手間が省けるというものです。
いかがですか。少し雲行きが怪しくなってきたとは思いませんか。次回の中編では、ランチミーティングが社員個人に対して与えるデメリットを挙げていきます。