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その道のプロとは「目のつけどころ」が違うということでしょうか?

会社には、様々な職種があり、様々な部署がありますよね。どのような仕事も会社にとっては、それらで働く人員は必要で、なくてはならないものでしょう。

ですからどこに比重があるとかということはないと思います。

私は、とある会社で品質管理という仕事をしています。どの部署も大切ではありますが、今回、取引先の大手会社が品質管理という部署を見に来るという事になりました。何せ、その取引会社は、わが社にとって、最高に重要な取引先でしたので、それはもう大騒ぎでした。

私はまだ入社して数か月で、そのような事は初めてでした。何せ、話によれば、どこをチェックされるかわからないがとにかく厳しいということなのです。そりゃ、ビビりますよね(笑)どこをチェックされるかわからないため、とにかく必死で掃除をし、掃除をし…そして掃除をする…そんな日々が数日続きました。

わが社は古い工場ですので、建物も相当ガタがきていて、掃除するところばかりでした。品質管理というと、その商品の品質をあげ、不良のでないように様々な形でデータをとり、チェックをして、よりよい商品を作り上げるというテーマで仕事をするものです。

品質をよく、不良を出さないように…とするテーマでの数ある中の一つの方法として従業員の衛生チェックがあります。商品の異物混入を防ぐという目的で、従業員の体を部屋掃除をするコロコロローラーのようなものでコロコロして、体についているゴミや髪の毛をとるのです。

そしてさらに、工場内の点検をして、商品に不備が出る原因がないかどうかを確認するという作業をするというのも仕事の一つ。これらの仕事をきちんとされているか、きちんとできているか、そういうチェックをしにくるということでした。毎日3回やるチェック、毎月するパトロール…チェック項目だらけの仕事をみにくるというわけですが、まだ初めて2か月程度の私にはかなりドキドキの日でした。

そうこうしている間に敵(?)は来社されました。休む間もなく、すぐにチェックのチェック、パトロールのチェックが始まりました。ドキドキしながら、心臓がでちゃうのではないかというくらいの緊張をしながら、1時間あまり付き添われての時間が過ぎていきました。

ようやく終わるかと思ったその時、おもむろに取引先の品質管理の方が「あっ」といい、ある部署の机の引き出しを開けたのです。そこまでわりと穏やかに時間が過ぎていたはずだったものが、瞬間的にピリッという空気に変わりました。

その引き出しには細かないろいろな部品や小さなクリップ、さらには電球まで入っていました。異物混入の原因となるような物質が次々と出てきてしまったのです。電球は、もし割れてしまったら…という点で、そこに存在しているのは結構な問題だったようでした。

その引き出しに関してはかなりの勢いで言われました。異物混入防止でやっていることなのに、工場内の机の引き出しにあってはならないものが入っていたのですから。でも、その時、その品質管理の人はいいました。「何か、急にひらめいたんですよねぇ、引き出しに」と。

今まで何度か来た品質管理のチェックの時には、引き出しは見たことがなかったようです。ぴんときたというのでしょうかねぇ、その瞬間。さすがに目の付け所がちがうって思いましたね、その時。数々の会社に行き、数々のチェックを見てきた人ですから…。私たちのような素人とは違うのでしょう。

プロになるには何年も何年もその仕事に携わらないとなれないものですよね。ですから、慌ててもすぐにはなれないでしょうが…しかし、目の付け所が的を獲る事ができるような日々の訓練は大切だと思いましたね。どのような仕事でも、成功するには地道な訓練との戦いなのかもしれませんね!