結果主義に即した思考でプロセスを認めてもらう仕事術とは?
新規事業や広報の仕事では、すぐに目に見えて結果が出てこないものです。新規事業で黒字化するのには数年かかるケースが多く、広報ですぐに集客につながる訳ではありません。
結果が出るまでに時間がかかる仕事でプロセスを認めて貰う方法を紹介します。会社の会議でこんな話になる事はありませんか?特に少人数のベンチャー企業に多いようですが。
リーダー「では全体会議を行います。まず営業課、売上報告をして下さい」
営業課「今月の売上目標に対して、結果は達成率105パーセントでした。来月の予測は今月よりもさらに5パーセント程、見込み客が多いので、もう少し売上を見込めるかと思います」
リーダー「そうか、ご苦労様。この調子で頑張ってくれ。では次に新規事業部、報告してくれ」
新規事業部「はい。まだ立ちあげて半年なので、売上はほとんど有りません」
リーダー「いやいや、それでは困る。会社は新規事業部に経費をかけているんだぞ」
新規事業部「今回は広報の効果が有りました」
リーダー「ほう。効果が有ったとは?どんな効果が有ったんだ?」
新規事業部「新聞3紙で、新規事業部のサービス名と取り扱い商品を取り上げて貰いました」
リーダー「おお。そうかそうか。それは素晴らしい。で、どれだけ購入してもらえたんだ?」
新規事業部「いえ、まだ購入には至っておりません。まずはサービス名のPRが大事だと思います」
リーダー「いやいや、PRしても売上が上がらなければ意味が無いじゃないか」
新規事業部「売上は広報の効果が出てから宣伝をして、それから付いてくるかと思います」
リーダー「それではダメだ。直ぐに売上になる仕組みを考えなさい!」
と、こんな風に、新規事業や、広報が必要なものに対して、すぐに売上を求める無理難題に遭遇した事はないでしょうか?そもそも、それは広報の事や宣伝、または広告の事を良くご存知無い方に多いようです。
例えば新規事業で新サービスを出したとします。そのサービス名を広く知られてから、信頼を築いて始めて宣伝の効果が出ると言うことなんです。
人間関係も同じですよね。出会ってから信頼関係を築く時間がまず有って、その後、お願い事が有れば聞いてくれるという順序です。お願い事というのはこの例で言えば宣伝や広告の事です。
ですから、広報には物理的な時間が必要で、広報を繰り返した後に、宣伝や広告を打って、集客や売上につなげるというのが正しい手順です。
リーダー「なるほど、ではまずは広報に物理的な時間が必要という訳だな。ではそれはどれ位の時間が必要なんだ?」
新規事業部「そ、それは分かりません」
リーダー「そのサービスの目的と、広報に必要な想定時間、宣伝や広告を打つタイミング、その後に売上になるタイミングと予測の売上金額は?」
新規事業部「すいません。それもやってみなければ分かりません」
リーダー「やってみなければ分からないでは事業にならないじゃないか。ちゃんとロードマップを出しなさい!」
つまり、新規事業が認められにくい原因はここです。周りの人に分かりにくい事と、可視化しにくいからなんです。ですから、このリーダーが言うように、ロードマップを考えてしっかりと提出しないといけません。
例え後から上方修正や下方修正、前倒しや後倒しが有ったとしても、ある程度周りの人に明示出来るロードマップを描き、自分自身もやみくもに進めるのではなく、そのロードマップを基準に取り組む必要が有るのです。
そして、そのロードマップの作り方は事業計画の作り方に類する所があります。まずは目的をしっかり定める事。事業の目的と事業のゴールをしっかりと定めて、それに向かって有効な手段を定める事。
つまり目的がブレていると手段も必然的にブレる訳です。目的の設定が出来ていれば、逆算して時間軸に沿った綿密な計画が立てられます。
それを会議の場で、ちゃんと進行しているのか、遅れているのか、早く進んでいるのか、その手段は目的からブレていないのか、など、きっちりとチェックする事が出来ます。
そういう可視化が周りの理解を得られる最も効果的な方法で、実際自分自身も可視化によって事業の状態が見えますから、成功する確率が上がる訳です。
新規事業は黒字化するだけでも大変だと言います。仮に単月で黒字であったとしても、初期投資をしている場合は減価償却費用も乗っかって来ます。
にも関わらず、結果はすぐに見えにくいものですから、逆に可視化を測って、周りの理解の元で事業を運営していく事が大切です。