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ニンジンをぶら下げて会社は良くなるのか?賢明な最近のビジネスマン

お金によるインセンティブや、成果が上がったら臨時ボーナス、目標を達成したら旅行をプレゼントなど、成果に対してお金や物などで社員に還元する経営は昔から存在します。そう言ったいわゆる“ニンジン”は、今でも効果的なのでしょうか?現代の賢明なビジネスマンのニーズは多様化しています。

給料が働く基準?

働く事は確かに生きるための手段ではありますが、はたして給料だけが働く理由なのでしょうか?もしも給料のためだけに働いているならば、その仕事のために使っている時間は空虚なものになってしまいます。

反面、例え給料が安くても、その仕事自体にやり甲斐を感じて、毎日ワクワクしながら働いている人もいます。

どうやら給料というニンジンだけが、働く事の意義にはなっていないようですが、まだまだニンジンを与えてさえいれば、社員が働くと思われている経営者の方も多いようです。

給料が上がると不満が無くなる?

給料さえ与えていれば社員はしっかりと働くのであれば、高給与の会社の社員は不満が無いという事になります。例え不満が有ったとしても、お金でその不満を割り切る人ばかりなのでしょうか?

実際高給取りの会社に在籍されている方にも、様々な不満を抱え、転職を検討している方も多いです。

給料が上がればもっと働く?

時々こんな方がいらっしゃいます。「こんな安月給では真面目に働いていられない」と。そういって仕事中にも関わらず、どこかでサボっている方もいらっしゃいます。

しかし、給料が高い方でもサボっている方は多いですし、給料が安い方でもしっかりと目的意識を持って、頑張って働いている方もいらっしゃいます。

また、インセンティブ制度によって、頑張った分だけ給料に反映したり、旅行や休日を与えるなどの制度を取っている会社も多いですが、インセンティブが有るからといって、頑張って働くという人は少ないようです。

特にインセンティブ制度は最初は一定の効果が有るようですが、慢性化すると効果が薄くなる傾向にあります。どうやら頑張って働くという事と、インセンティブとは別の次元にあるようです。

給料が上がると嬉しい理由

では、給料が上がるという事は嬉しい事でしょうか?それとも嬉しくない程度の事なのでしょうか?これは額にもよりますが、一定の喜びは皆さん感じられるようです。

額にもよるという所が、上記の因果関係に対して矛盾が有るようにも思えますが、確かに喜ぶ方がほとんどです。

昇給した分で何かを買う事も出来ますし、家族がいらっしゃる方は、家族に対して物やサービス、その他の価値を提供する事も出来ますから、嬉しいのは当然だとは思いますが、単にそれだけの理由で嬉しい訳ではないようです。

様々な会社の方々にお話を聞いていると、どうも「給料イコール自分の会社での価値の物差し」と考えている方が多いようです。

給料が上がるという事は、会社が自分の仕事の価値をそのように見てくれている、逆に給料が低い場合は、会社が自分の仕事の価値をそのようにしか見てくれていない、という物差しになっている傾向があります。

転職を考える時

転職を考える時は、自分が考えている自分の仕事の価値と、会社が考えているであろう自分の評価が、自分の基準以下の場合の時のようです。

ですので、給料以外にも、経営者が自分を重用してくれている感覚が有れば、例え給料が安くてもやり甲斐を持って働けて、例え給料が高くても、経営者に認められている感覚が無ければ、仕事に不満が出てくるという傾向です。

要は自分の価値が認められているのかどうかが、重要なポイントのようなんです。

ビジネスマンのニーズは多様化している

最近のビジネスマンのニーズは多様化しています。自分を認めてくれている証を、給料以外にも様々な形で求める方が多いのです。

もちろん場合によっては、それが給料である人もいますが、他にも人前で褒められるとか、自分の主張を聞いてもらえるとか、ワークライフバランスの線をしっかりと引かせてもらえるとか、求めているもの自体が多様化していて、それを尊重してもらえるかどうかが、職場に対しての意義と感じている人が多いようです。

反面、求めてばかりで、しっかりと仕事をしていない人もいらっしゃいます。権利と義務のバランスが欠けているのです。

ビジネスマンのニーズの多様化と、権利と義務のバランスをどこに置くかなど、経営者が人を雇うにあたって難しい時代なのかもしれませんが、そこが良い経営者になれるか、ひいては成長する会社になるかの、経営者の腕の見せ所ですね。