お金と時間の使い方は人それぞれ。お客様によって違います。
お金と時間、どちらもなんとなく使っている
お金の使い方、時間の使い方、どちらにも個性があります。例えば、同じ商品が1円でも安ければ遠いスーパーまで行くことを厭わない人がいます。彼女はきっと、時間よりお金に価値を見出している人です。
逆に同じ商品が数円高かったとしても通り道のスーパーで買い物をするのが当然、と考える人もいます。そもそも、どの商品をどこで買うかの判断に販売価格を勘案しない人もいます。こういう人はお金より時間に価値があると思う人です。
どちらもなんとなく使っているものですが、今、目の前にいるお客様がどういうタイプか、観察していると話がずれていかないような気がします。
企業ではなく一般のエンドユーザーを顧客としている場合
これは、目の前にいる人がすなわちお客様である場合の、特に高額商品を取り扱う方にはぜひ、気にしていただきたい視点です。大きな買い物をするときは特に、金額の多寡に目を奪われがちです。
例えば婚約指輪を買おうとしているとき。同じブランドの直営店で買う場合は定価ですが、会員カードのある百貨店で買えば10%割引になる場合。例えば30万円の指輪だとしたらその差は3万円。気に入ったその場で買う人は「時間」を、いったん帰宅して改めて百貨店に出直す、という人は「お金」をより重視します。
その場で買う人なんているの?と思う人も多いのではないでしょうか。これは個人的な感覚ですが、差額が3万円程度なら「今この時間」を大切にしたい、とその場で買う人は結構いるんじゃないかと思います。
そして大切なのは、営業マンとしてのあなたがどちらのタイプでも「目の前のお客様の時間とお金に対する感覚は私とは違うかもしれない」と常にフラットな目を持っておくことです。
ものごとは金額だけでは決まらない
高額商品の代表格である不動産取引の現場では、販売価格に届かない金額での「購入申込」が入ることがあります。また、入札形式を取って一定期日までに購入検討者を募る場合もあります。
そんなとき、数百万円の差があっても一番高い金額を出した人が買えない、というケースがあります。それはお金以外の条件面であったり、時として購入検討者の属性の問題であったりもします。
何にしても一番わかりやすいのは「金額」ですから、ついついそこに目を奪われてしまいがちですが自分の顧客が大切にしているものに対する感覚を観察しておかないと、交渉事などの席で判断を誤ることにもつながります。
それに、ものごとの多くはまだまだ、人間の感情で動いていきます。結局のところ今対峙している人がどういう人なのか、を観察するキーワードとして「お金と時間に対する感覚」を使ってみると、うまくいくことが多いような気がします。