未経験者可の求人に応募するなら事前に職種と会社を下調べするべき

企業が中途採用者を募集する場合、その多くは即戦力となる人材を求めています。しかし、業種や職種、会社によって違いがあるのも事実で、一概に経験者ばかりが優遇されるわけでもありません。

「未経験者でも可」「未経験者歓迎」などの募集要項は思ったよりも多く見かけることができます。

では中途採用といえば即戦力を求めているはずなのに、なぜ未経験者でもOKなのでしょうか。未経験者可の募集に応募をするのであれば、まずは事前に下調べをしてから行動に移さなければいけません。

本気で人材を育成する気があるからこそ、あえて未経験者可にしている場合

会社としての本音を言えば、その業種や職種に精通した経験者を採用することができれば一番ありがたいでしょう。しかし、その内容によっては経験者を見つけることが極めて困難な場合は非常に多いものです。そして、ようやく見つけた経験者であっても、必ずしもその人の人間性が会社に適応するとは限りません。

となると、あまりにも間口の狭い人材募集をするよりは、ある程度広げた方が結果的に良い採用ができる可能性が高くなるのです。こういう柔軟な考え方の採用を実施している会社の場合、よほどの専門職でもない限りは未経験者可の募集をかけることがあります。

このような中途採用をする会社は、その後の教育システムなどがきちんと整備されていることが多いものです。中途採用者にとってはやりがいのある職場となることでしょう。

それならいっそ新卒を採用すればいいのでは、と思われがちですが、そうではありません。その仕事については未経験であっても、社会人としての経験や常識は評価の対象となるからです。つまり、経験職種ではなく人間性をおおいに評価されるチャンスでもある、というわけですね。

とにかくたくさんの人数が集まることを目的としてるから未経験者可にしている場合

世に言うブラック企業などにはこういう募集の仕方をしているところがありますね。とにかく人数をたくさん揃えてスタートさせ、脱落者はとっとと去れ！というスタンスをとるのです。

ここは猛烈なノルマと過酷なしごきに耐えたほんの一握りだけが生き残る世界です。生き残った人はそれなりに高給取りになるのでしょう。しかし、それ以外の大多数はボロボロにされる可能性がありますから注意が必要です。

こういう会社に応募する場合は、きちんとそれを覚悟して飛び込んで行くのであればそれもいいでしょう。しかし、会社の性質、取扱業種について何も知らぬまま応募すればおそらく初日から後悔するはめに陥ります。――こんな会社だなんて知らなかった！…などという泣き言は通用しません。

中途採用という大切な人生の節目でありながら、事前にきちんとした調査をしなかった自分の落ち度だと反省しましょう。きちんと事前に会社の実態、仕事内容などについて調べていれば避けられた事態だということを自覚してください。

誰にでも簡単にできる仕事だから未経験者可にしている場合

仕事そのものが誰にでもできる難易度の高くないもの――。こういう職種についても未経験者可として募集しているのをよく見かけます。難易度の高くない仕事だから良い仕事ではない、ということではありません。要はその仕事がどういう類のもので、今後の展望としてどんな可能性があるのか。それらをきちんと理解したうえで応募するのであれば何の問題もないわけです。

しかし、単調な仕事を毎日繰り返すことが早々に耐えられなくなるタイプの人には向きません。自分は飽きっぽいと自覚があるのであれば、これから毎日何年にもわたってその仕事が続けていけるのかをしっかり考えましょう。

また、難易度の高くない仕事であるがゆえに待遇があまり良くない可能性もあります。それらを総合的に判断したうえで、応募するかを決めないと早晩後悔することになるでしょう。

このように『未経験者可』の文字だけにつられて応募した結果、入社後すぐに再度の転職を考えるのでは意味がありません。転職を癖のように繰り返す人の中にはこういった連鎖を断ち切れない人もいるのです。

転職は人生における重大な節目の時だと自覚し、事前の調査・確認を怠らないようにしましょう。そういう手間隙をかけることで初めて満足のいく転職への一歩が踏み出せるのですから。