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質問や会話に対する反応が過剰過ぎると人は不快に感じることがある

面接で好印象を与えたい――。これは就職活動にいそしむ誰しもが考えることでしょう。面接マニュアルに書いてあることも、模擬面接で指摘されることも、確かにとても大切なことです。その通りに実践できるのであれば、受け答えとしては上々なものとなるでしょう。

しかし、せっかく参考になることが書いてあったとしても受け取り方を勘違いすると意味がありません。かえって面接官を不快にさせることもあるので正しく理解し、そのうえで役立てるようにしましょう。

相手の言葉を全身で聞く――を勘違いしてはいないか?

面接官の言うことを一言一句聞き逃さないようにする。それはもちろん大切なことです。しかし、それ自体をアピールしようとするのは『あざとい行為』に映ることがあるので注意が必要です。

例えば……

  • 必要以上に相手の目を凝視してしまう。
  • 相手が何か言うたびにやたらめったらうなずいてしまう。
  • 聞こうとするあまり過剰な前傾姿勢になってしまう。

これらはすべて「あなたの話を聞いてます!」というオーバーアクションと思われる可能性が高くなるでしょう。緊張して一生懸命なんだな、と好意的に受け取ってもらえればよいですが、「わざとらしい」と不快にさせてしまうこともあります。

面接マニュアルなどに『相手の言葉を全身で聞こう』と書いてあったとしても、こういうことを言っているわけではありません。真面目に相手の話を聞いている時に無意識にでる頷きと、意図して入れる頷きでは訳が違うのです。

「あなたの話を真剣に聞いています」と表現せんがために、必要以上にアクションをする人。こういうタイプに限って、きちんと肝心な話を聞いていません。アクションをしなければ!ということにばかり気がいくあまり、相手の言葉に集中していないからです。

こういうオーバーアクションは滑稽に見えるだけでなく、相手にとっては馬鹿にされているようで気持ちの良いものではありません。意図して返すオーバーアクションで効果を上げることはまず期待できませんので、せこい作戦は止めておきましょう。

自分の言葉で話す――を勘違いしてはいないか?

『自分の言葉で話そう』という記述は面接の攻略本には比較的よくでてくるフレーズです。自分の言葉なんだから、学生ノリのしゃべり方でOKってこと?などと勘違いする人はさすがにいないと思いますが…。ここを勘違いし、攻略本の内容そのままの内容をそれなりに当たり障りのない敬語で話す人がいます。――これ、意味を取り違えているんですね。

自分の言葉で話すというのは自分自身のこととして話す、という意味です。つまり、自らの体験談や感じたこと、考え方を加えて話しをまとめる、ということですね。ところが、攻略本に記載されている例まるごとそのままに話す人が少なからずいるのだそうです。ある面接担当者が苦笑混じりで話してくれました。

話の導入部あたりですでに途中経過からオチまで予想できてしまうのだそうです。みんな同じ攻略本を読んでるんだなぁと、そんなところに感心してしまったとか。

同じようなことを経験していたとしても、その時に感じた自分自身の生の感情が全員同じになるとは思えません。攻略本にある通りに話の展開をするとしても、必ず本当の意味での自分の言葉で語れるよう、よく練っておくことをおすすめします。