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経験職種が同じという理由だけで応募しても中途採用では評価されない

職種が同じだから。同じ業界で働いた経験があるから。そのような安易な感覚で中途採用に応募しても、思うように評価につながらないことがあります。自信満々で採用試験を受けたのに、不採用通知が送られてくる。それはいったいなぜなのでしょうか?

営業成績がよいのに営業として評価されない!?

一つの例として営業マンの転職について考えてみましょう。営業経験があるからどこの会社であろうと迷わず営業職に応募する――。この発想自体が間違っているわけではありません。しかし、転職という人生の岐路においては少々安易であると言わざるを得ません。営業と一口に言っても、その形態には業界や会社ごとに違いがあるもの。それを十把一絡げで括ってしまってはその企業が求めるものが見えてきません。

例えば、営業個人の成績が何よりも重視される会社で働いていたとします。自分は営業の中で誰よりも成績をあげ続け、今までにトップセールスの座を譲ったことは数えるほどしかない。こんな人であれば自身の営業としての力量にかなりの自信を持って転職活動に臨むことになるでしょう。当然、どこの業界だって自分を営業として欲しがるはずだ――。ところがフタを開けてみたら次から次に不採用通知の山が…。これはいったいなぜなのでしょうか?

あなたの経験とスキルは企業の求める人物像に合致しているか?

個人の力量・成果を何より尊重する営業形態がある一方。成果をあげるためにはチームプレーが必要不可欠な営業形態だってあるのです。チームプレーが必要な仕事において、営業に求められるスキルとは何でしょうか。それはチームを引っぱり、まとめあげる力なのかもしれません。

それぞれのセクションが連携することで一つの形を成していく。そういう積み重ねにより成果をあげる業種だってあるのです。そこに【俺が俺が系】の営業が加わったとしたらどうなると思いますか?チームをまとめるどころか、不協和音の元凶になりかねませんね。そういった点を懸念した結果、企業は採用に踏み切らなかったと考えることができるでしょう。

会社の求める人物像とずれないためにはどうすればいいのか?

同じ職種でもタイプの異なる業界に転職してはいけない、ということではありません。異業種でも挑戦してみたいという意気込みは大切なことですし、どんどんチャレンジするべきです。同じように、同業種に転職してさらにステップアップしたいという意欲も評価されるべきでしょう。どちらの場合であろうとも、要は事前の研究を怠らなければいいわけです。

この業界ではどういうスタイルで仕事を進めるのが一般的なのか?この会社が顧客としているのはどういった背景を持つ相手なのか?それらを研究することによって、ようやく会社の求める人物像が見えてくるのです。顧客が法人相手である仕事と、個人相手の場合は戦略もおのずと違ってくるでしょう。

ここで自分が経験してきた内容とは違うアプローチが必要だからムリだ、などとあきらめてはいけません。どうすればそこに自分の持つ経験を活かせるのかをまずは考えてみることです。法人相手の仕事にだって個人相手で発揮したスキルが役に立つことはあるでしょう。もちろん、その逆も然りです。

安易な感覚で転職すると、就業後に会社と自分にずれを感じるはめに陥る可能性だってあるのです。それでは転職そのものを悔やむことになってしまいそうですね。それを避けるためにも、事前の業界と会社の研究は念入りにすることが大切なのです。