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御社の業務で社会貢献がしたいという志望動機は面接官の心に響かない

「御社の○○分野で社会貢献をしたく、こちらを志望いたしました」志望動機を聞かれた学生がこんな風に答えることがあります。

本気でそう考えているかどうかはわかりませんが、中にはかなり熱弁をふるうケースもあります。多少の温度差はあるでしょうが、実はこの手の志望動機は本人が思っているほど面接官の心に響いていないかもしれません。

中途半端な理想論だけでは訴えかけるものがない

社会貢献をしたい、という発想そのものがいけないわけではありません。社会に貢献する……。いや、本当に大切なことですよね、それは間違いありません。そのような理想をてらいもなく言えてしまうのは、ある意味若者の特権でもあるのでしょう。

しかし、聞く側の面接担当者も同じように感じるかというと、そこが微妙なところなのです。理想論を何気なく口にしてしまえる未熟な感覚――。まさしく社会で厳しい現実に揉まれるうちに疲れた大人が忘れてしまった「何か」なのかもしれません。

社会貢献がしたい――?だったらボランティア活動をするかNPOにでも行けばいいんじゃないのか?夢も希望もないような感想ですが、残念ながらこれがくたびれた大人の本音です。もちろん、間違っても顔には出さないでしょうが……。

そんなツッコミどころ満載の志望動機では残念ながら期待しているほど面接担当者の心には響きません。悪くすると失笑をかってしまい、はい終了、となりかねませんのでそこは事前に志望動機をもっとよく練っておきましょう。

企業が求める人材とはどういうものなのかを考える

どうしても社会貢献を志望動機にからめるとしたら…。その分野でどのような成果をあげ、ひいてはそれがどういう形で社会貢献につながるのか。そういう具体的な例を挙げることで、単なる理想論とは違うということを明確にしておきたいところです。

あくまでも仕事をして会社に貢献することがイコール社会貢献にもつながるのだ、という視点。そういう話の展開をすることが面接においては有効に働くでしょう。なぜなら、企業が求めているのは社会貢献に燃えるタイプではなく、会社に利益をもたらす可能性の高そうな人材だからです。

理想論を振りかざし、正面から当たって砕けることしかできないタイプ。多少あざとい面を持っていたとしても、状況判断ができて柔軟に対応できるタイプ。会社として欲しいのは本音で言えば後者のタイプでしょう。ドラマや漫画の世界では前者のような人材が踏まれても踏まれても起き上がって最後には成功を収めるかもしれません。しかし、残念ながら現実はそんなに甘くはないのです。

就職活動において面接の場は自分を売り込む重要なチャンスに他なりません。ただなんとなく「社会貢献」という言葉を使えば誠実そうに映るのではないか。そんな安易な発想は首を絞めるだけです。

新卒の就職活動は若さにあふれるパワーは大切な要素です。しかし、中途半端な理想論は時に相手を苛立たせるだけだということを忘れずにいてください。