営業成績=出世自律神経失調症、胃潰瘍になれる“人気の証券マン"
バブルの崩壊から早や20年以上が経ちました。最近ではリーマン・ショックが忘れられない出来事です。一時は容易に顧客が獲得でき、華やいだ生活を送っていた証券マン(ウーマン)の人達の現在の状況はどうなのでしょうか?
これは、複数の現役証券マン(ウーマン)から聞いた実話です。彼らは主任、係長、課長と言う最前線に立ち日々営業活動に勤しんでいます。この話には私自身が考えさせられました。
下記は彼らの、「通常の日々」の勤務パターンです。
05:00 起床
07:30 出社・オフィスで当日の営業活動の打合せ
08:30 朝礼
09:00 営業活動で外出
19:00 帰社 当日の営業活動報告書の作成
20:00 スタッフから当日の営業活動についての報告を受ける
20:00~21:30 当日のノルマ未達成者の電話営業を指導
21:30 担当部署の終礼
22:00~23:00 明日の営業活動についての計画書作成
いかがですか、これが毎日続くのです。そして、週ごとの営業成績が悪ければ、スタッフと一緒に土曜・日曜も顧客宅を訪問して営業活動を続けるそうです。特に当月最後の週となると、週ごとのノルマ以外にも月度のノルマ達成のために、それこそ地獄の1週間となるそうです。
彼らは一様に、「私は証券会社に入ってから睡眠時間を4時間以上取った記憶はありませんね。」、「この前休みが取れたのはいつだったかな?」と言っています。
また、「ふつうこれだけ忙しければ痩せるはずなのに、逆に太りました。要するにメタボ体形になりましたよ。食事は不規則だし早食いが褒められる世界ですから、証券会社で営業を担当すれば誰でもメタボになれますよ。」、「今は慣れましたけれど、電話の呼び出し音が鳴ると頭がくらくらとしたことがありました。」とも言っていました。
そして、「私が平社員の時、上司からは数字が全て、胃潰瘍は証券マンの勲章だ、などといつも怒鳴られていました。同期入社の半分以上が辞めているんです。」、「私の親しくしていた同期入社の男性は、上司に怒鳴られ顧客に苦情を言われ続けたために、難治性逆流性食道炎が悪化し胃潰瘍になりましたし、同時に自律神経失調症+心身症も併発して長期入院後退社しました。」と言う話も聞かせてくれました。
いかがですか、この話を聞かせてくれた人達はごく普通のサラリーマン(ウーマン)のように見えます。しかし、実情は厳しい世界で頑張っているのですね。もちろん、顧客から「儲けさせてくれてありがとう。」と言われた時の喜びもあると言っていましたが。