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早朝出勤は評価される?早朝出勤のメリットとデメリット

一昔前までは、早朝出勤と言うと「ゴマすり」や「仕事人間」、そして「仕事が出来ない社員」などと揶揄されていたことがあります。

この皮肉は本当にそうなのでしょうか?

私の友人で大手上場企業の役員を勤めているF氏は、社会人1年生の時から現在まで、ずっと継続して朝7時出社を実践しています。

彼の弁によると、朝まだ誰も出社していないオフィスは落ち着いて物事を考えることができ、当日のスケジュールの再確認も念を入れてできるので効率的だと言うことです。

朝礼までの約2時間を効率的に活用できる早朝出勤を実践し続けたことが、自分に現在のポジションを与えてくれたのだと確信しています。

早朝出勤を心がける

具体的な話を聞いてみると、会社の内外を問わず、責任あるポジションを担当しているほとんどの社員は、早朝出勤を実践しているとのことです。

これは、彼がたまたま時間を勘違いして朝の8時に取引先に電話した所、電話口に彼の担当者が出たことで判ったそうです。

その折に、取引先の担当者は「どこの会社でもそれなりのポジションに就いている人は早朝出勤を心がけていますよ。何でしたら、他の会社に朝8時前に電話して見たらいかがですか?」と言われたそうです。

私の友人は、ある時エレベーターの中で、スウェット・スーツ姿の60歳代の年配者と一緒になったそうです。

彼が入社後10年ほど経った頃で、係長のポジションに就いて3年が経過し、次は課長のポストだと張り切っていた頃のことだと言っていました。

彼は、「こんな朝早くからビルの掃除でも始めるのかな?」と思い、何気なく「朝早くからお疲れ様です。」と声をかけたそうです。

それから幾度もその年配者とエレベーターで会うようになり、懇意になって、到着階までの短い時間を世間話などをして過ごすようになりました。

ある時、その年配者は、「あなたはいつもこんなに早く出社しているのですか?誰もいないのに何をしているのですか?」と彼に聞きました。

そこで彼は、「私は仕事の飲み込みが遅いので、上司や同僚に迷惑を掛けたくないので、早い時間に独りでその日の予定確認や電話連絡をしているのです。私の場合、朝の方が頭の回転がスムースですので。」と答えました。

そうするとその年配者は、「それはご苦労様です。失礼ですが良い心がけですね。是非お続けください。」と言って彼の下りるフロアで別れました。

彼は、「自分が課長に昇進するのは最短でも後5年はかかるだろうか、それとも10年かな?」と思っていた矢先に、翌年の人事異動で課長兼次長に抜擢されました

会社始まって以来の最年少課長兼次長の誕生に、会社全体が驚きに満ち、彼を羨望のまなざしで見つめていたと言うことです。

社長直々の指名により昇進

彼が昇進の辞令を人事部に取りに行った際に、「どうして私がこんなに早く課長に昇進できたのですか?しかも次長兼務とは私には荷が重すぎますし、理由がさっぱり判りません。」と聞きました。

すると人事部の担当者に、「Fさんの昇進は社長直々のお声がかりなのです。もちろん役員全員の合意は得ています。」と言われました。

F氏は「しかし私は社長とは面識もないし、ましてや遠い親戚でもないし?」と再度尋ねました。

すると人事部の担当者は、「Fさん、あなたは社長とは度々会っていると、社長ご自身がおっしゃっていましたよ。それに社長はFさんの上司や所属の役員を呼んで、Fさんについて聞いていたようですよ。」と言いました。

F氏はそれでも心当たりがないので、部署に戻ると上司に同じ質問をしました。すると上司は「F君、君は社長とは懇意だそうだね。いつも朝早くエレベーターの中で有意義な話を聞かせてもらっていると褒めていたよ。」と言いました。

それでF氏は、やっと社長が誰なのか判った訳です。邂逅(かいこう)とは不思議なものですね。どこに社内外の偉い人が“潜んでいるか”油断はなりませんね。

これは1例ですが、早朝出勤のメリットはこんな所でも証明されています。皆さんも早朝出勤を実践しましょう。