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怒りの感情エネルギーを利活用すれば、充実した人生が過ごせる

自分が嫌いになる時

例えば次のような経験をしたことはないだろうか。上司から仕事のミスを注意され、言い訳したらそれが悪いと叱られた。ムッとしたので反論したら口論になってしまった。原因は自分のミスだとわかっていながら気持ちが抑えられない自分が嫌いだ。

同僚のミスを人前で指摘してしまった。その後同僚は口もきいてくれなくなった。軽率な自分が嫌いだ。

上司から仕事を評価され、うれしくて同僚に自慢してしまった。同僚たちは「自分だけの手柄にしていい気なもんだな」と陰口しているようだ。職場で浮いた存在になっているのを感じる。自分のはしゃいだ行動が悔やまれる。

こうした軽率な行動をなぜ起こしてしまったのか、後悔しても過去を取り消すことはできない。人間は感情の動物だ。だからといって感情に振り回されてしまっては「おろかな動物」の殻を破ることはできない。

だがしかし、人間のすばらしい点は智力によって感情をコントロールできることにある。目が合ったからとケンカしたり、一喜一憂するのは智力と経験に乏しい者の特徴でもある。こうした経験と智力の積み重ねによって、それぞれが自分自身を上手に操縦できる知的人間に成長するのだ。

怒り感情エネルギーの活用法

自身の感情で操縦がもっとも難しいのが「怒り感情」だ。怒りという感情は激しやすく冷めやすいもの。さらに怒りの対象者との力量差によって怒り感情エネルギーの大きさも変わる。

ケンカにならない相手、闘争意欲の持てない相手ならば、意気消沈してしまうので、ここから生じるエネルギーは少ない。他方、猛然と闘志をかきたてる相手ならば、当然の如く生じる闘争エネルギーも大きい。

問題は生じた闘争エネルギー(怒りエネルギー)をいかにして持続させるかという点だ。そもそも感情は一過性のもの。このため、時間とともにエネルギーも劣化、減少するのだ。

感情に負けそうなときには、呪文を唱えて持続エネルギーに転化させろ

エネルギーの劣化、減少を防ぐには、「怒りエネルギー」を持続可能エネルギーに転化させる必要がある。その転化させる持続エネルギーとして「復讐」もしくは「報復」という形式があげられる。

「復讐・報復」とはなんだか恐ろしいような文言だが、瞬間的な怒りを持続させる方法だと理解していただきたい。瞬発的な「怒りエネルギー」を「復讐・報復エネルギー」に転化できれば、「怒り」も有効活用できるのだ。雷が発生させる電気を蓄積して有効活用させようという研究と似ている。

そのためには、怒りが生じた時点で感情的な爆発をさせてはならない。じっと耐え忍ぶことで「怒り感情エネルギー」を蓄積することができる。心の中で「きっと思い知らせてやるぞ」と唱えれば、「復讐・報復エネルギー」に転化できるのだ。

「復讐・報復」の手段は完璧でなければ社会に裁かれる

いよいよ蓄積エネルギーを使う段階のことだ。「復讐・報復」手段を持つには相手より高位に立たなければならない。相手と同じ力量ではその場で感情的反撃を受けることがあるからだ。

そのためには相手に反撃の糸口を与えないほどの地位、もしくは抵抗する気力を持てないほどの存在に位置することが必要だ。反撃の糸口を与えるようでは「単なる仕返し」と映るし、度量の小さい者たちと世間はあざ笑う。これでは完璧な復讐にはならない。

つまり、「復讐・報復」は相手個人への短絡的な仕返しではいけないのだ。もっと高い目標に仕立てなければならない。個人への「仕返し」では度量の狭い犯罪である。それではあまりに自分が卑小すぎる。

「復讐・報復」の目標はなにか

復讐の「高い目標」にはどんなものがあるか。たとえば、耐え忍びつつ影で努力を積み重ね、有力な資格取得することで着実にステップアップすること。コネやゴマスリで得た地位ではなく、ひたすら実力で得た地位にこそ意義があるのだ。コネにはねたみという限界がある。実力によるステップアップは誰もが認めるもので、その実力者の地位は揺るぎないものになる。

こうした目標を「怒りエネルギー」の利活用法としたい。堂々たる地位を築くこと、それが「復讐・報復」の目標である。くやしさをバネに成長する、それが「怒り感情エネルギー」の上手な活用法であり、自分自身を上手に操縦して充実した人生をつくることができるのだ。怒りやくやしさは呪文を唱えてエネルギーに転化し、自分人生を豊かにしよう。

なお、「怒りエネルギー」は瞬発的だと書いた。これを持続させるために「復讐・報復」に転化させるのだが、転化させるためには「復讐・報復」を常に見える化しておく必要がある。

人間は順応性の高い動物なので、「のど元すぎれば熱さ忘れる」ものだ。このためにもくやしさや復讐の度合いをノートに書き溜めることだ。このノートを自分だけに見える化することでエネルギータンクとなってくれる。「いつか見ていろ」「やられたら別の方法でやり返す」ことを自分が忘れてはならない。