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仕事に気持ちが入っているのと入っていないのって、そんなに違う?

新人研修ってちょっと洗脳チック

会社に入ってすぐの新人研修の定番は社会人としてのマナー研修でしょうか。名刺交換の仕方や上座下座の位置、笑顔や挨拶などごくごく当たり前のことを教わります。その上で、形以上のもの、つまり「社会人としての心得」のような、「気持ちの持ち方」についての精神的な内容の講義などがあります。

学校でも運動部などで活動してきた方であれば、このあたりの「精神論」についてはなんとなく馴染みがあって、それほど違和感を覚えなかったりします。日本の学校教育はわりと「心」の教育を重視しているので、何かクラスでもめ事があったりしても「なぜやったのか」というところにフォーカスされることが多く、みんな気持ちのありようについて云々されることに慣れている、ということもあるでしょう。

ですから社会人としてのスタートに当たっても「仕事に気持ちを入れること」を重視した教育が施されます。『お客様の「ありがとう」の積み重ねが業績です』といったなんだかとても情緒的なことをさも重要そうに言うことがよくありますよね。

ま、別に間違ったことを言っているわけではないのでいいのですが、仕事という「結果が全て」のドライな世界に、私たちの「気持ち」という内面がどれほど重要なんだろう?なんて思ったりするのです。

人の気持ちによって左右されるものごと

まだ中学生くらいの頃、面白い調査結果を目にしたことがありました。なんでも、顕微鏡で覗いて見るようなミクロの世界で、小さな小さな物質の原子?粒子?素粒子?に、研究者の感情が影響を与えるとか。

残念ながらその後目にしたことはないので、実際のところそれ以上の研究がなされたのかどうかもわかりませんが、子供心にも「ありそうなことだな」なんて、ビックリしながらもなんだか納得したことを覚えています。

人間社会における「ビジネス」「仕事」には、多くの場合相手があるものです。誰ともかかわらず、自分一人だけで完結する仕事というのは現代においては、もはやものすごく特殊な領域の仕事しかないのではないかと思います。本当かどうかはともかく、物質ですら人の心の影響を受けるのです。人と人との間のやり取りに、気持ちのあるなしが影響するのは当然のことかもしれません。

感情は自分が思っている以上に伝わってしまう

仕事をしていると、腹が立つこともしばしばです。私なんか一時期は自他ともに認める「キレキャラ」でした。相手が目上の人だったりすると、ムッとした感情を押し殺すのがやっと、みたいなことも。

でも、私が「ムッとしている」ことは明らかに相手に伝わっています。そう気付いてから、感情を抑えないことにしました。もちろん、理由もなくムッとしたりはしませんが、ちゃんとした理由があれば相手に「本意でない」ことを伝えることも良い結果を招くことにつながるからです。

反対に相手に好意を持っている場合。こちらは特に何も考えず「いい人だな」と思っているだけで十分。「この人の役に立ちたいな」と思っていることは、わざわざ言わなくても伝わります。

こういうとき、しばしばお客様から「気持ちの入った仕事をしてくれてありがとう」なんてお褒めいただいたりします。だから「いやだな」と思う気持ちを隠す必要はないけれど、「なぜいやなんだろう?」と考えておき、ときには「いやです」と言える準備をしておく、というだけでずいぶん仕事における気持ちの置き所は楽になるかもしれません。