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意外な食い違い!企業の注目ポイントと就活生のアピールポイント

履歴書やエントリーシート、面接など、就職活動中には自分をアピールをする場面には多く遭遇することでしょう。そもそも自己アピールとは、自分がどんな人間なのかを訴えかける、という意味です。つまり、自分が就きたい企業に、自分はこんな人間だからこの会社に合っていて、自分を選んでくれたらこんな良い事があるよ!と伝える必要があるのです。

しかし、企業が求めているアピールと、就活生が実際にしている自己アピールでは、ズレが生じているのかもしれません。そのズレについて、双方がどう考えているのかを説明しましょう。

企業が採用時に重視するポイント

まず、企業側が採用時に重要視する傾向が強いポイントについて。もちろん、業種や業界によっても重要視するスキルは様々ですが、多くの企業は、自社に合った人間を採用したいと考えています。つまり、見たいのは、「どんな人間なのか」なのです。

あなたがどのような思考展開をして、その結果どのような経験を積んで、どのような人間に成長してきたのか。そしてそれによって培われた人間性は、周囲にどのような影響を与え、周囲に、特に企業にどれだけ貢献できる人間であるのか。企業が知りたいのは、このようなことだと言えます。

実際に採用担当者や、最終面接などで採用決定をした人物に、「何故この人を採用したのか」を聞くと、おそらく就活生には意外な言葉が返ってくるのではないでしょうか。社長が直接1人1人面接するような小さな企業では、「面白そうだったから」採用した、なんて言葉も聞いたほどです。人事担当の人も、その企業にその人が合うかどうか、あるいはその人を投入することによって良い化学反応が起こりそう、良い刺激になる、等を考えているものです。

就活生が実際にアピールするポイント

対して、就活生が企業にアピールするポイントをあげてみましょう。多く上がっているのは、サークル活動やボランティア、アルバイトでどのような活動をしたか、です。もちろん、就活マニュアルにある通り、それらを踏まえて、だから企業にもこのような貢献ができます、と伝えているわけですが、着目点が少し異なることに気づくでしょうか。このようなことをしてきました、と実績を説明することを重視しているのです。

自慢話とまでは言いませんが、学生がエントリーシートや面接で話す自己アピールは、少なからず人に自慢できるようないわゆる武勇伝や、失敗や挫折からの成功物語であることが多く見受けられます。

双方の観点のズレ

さて、双方の自己アピールに対する立ち位置がどのくらい違うのか、お分かり頂けたでしょうか。上で記述したように、企業が求めているのは就活生の人間性を示すような自己アピール。一方、就活生がアピールしがちなのは能力を示すような経験談。

もちろん、経験によって考え方や性格が形成されるのですから、経験談を語るのは間違っていません。重要なのは、何をした!ではなく、何を考えてどんな思いから何を経験し、何を思い、どう繋げて行きたいか、というような話なのではないでしょうか。

当然、話す力は必要ですし、ある程度の学力や業種によっては必要なスキルもあるでしょう。しかし、それは必要条件であって十分条件ではないことを覚えておいてください。ある程度の能力、最低限のスキルは、備えているかあるいは今後延ばせば良いことであって、それとは別に自分がどんな人間なのか、をアピールすることが実は重要だということです。

人間性>実績というだけで、◯人間性 ×実績ではない

はい。ここまで、実績だけじゃなくて人間性アピールが大事なんですよ!といった内容を前面に出してきました。が、勘違いされないように言っておくと、何かを経験し、出した実績や結果はプラス評価されます。それが、誰にでもできるような事ではなく、素晴らしい結果なら尚更、人事担当の印象にも残りやすいし、期待もされやすくなります。

ただ、どんなに勉強ができたり、すごい経験をしてきたとしても、人間性に問題ありと見なされれば採用されることはありません。マニュアル通りに就活したり、就活の為のボランティアや資格取得に走るよりも、何を考え、どんな行動を取り、次に何をしたい、その為にこの企業でこんなことをしたい、と企業への熱意を絡めて話した方が、断然良い印象を与えるでしょう。

そしてもちろん、企業が見ているのが人間性や、その企業への熱意であるので、採用されなかったら「縁がなかった」ということ。人間性を否定されたなんてことはなく、単純に付き合うのに「合わなかった」というだけです。それを踏まえた上で、自分アピールをしていっていただけたら良いと思います。