• RSS

就職活動、会社に何を望む?就職後、社員が望んでいるのは?

就職活動支援サイトなどで、よく企業に求めるもの、を選ぶ場面に遭遇する。重視する項目をいくつか選んで、それに合った企業をピックアップするものだ。どれを選ぶのが主流かは、統計をとったわけではないので定かではないが、よく聞くのが仕事内容、やりがい、昇級・昇格のスピードが早い(成長できる)等ではないだろうか。アルバイト等を多くあるいは長く経験してきた方は、社風などかもしれない。

さて、この記事は就職活動を始める、あるいは現在進行形で就職活動をしている方に向けたものであるが、基本的に就職をまだしたことが無い方、にあてて書いているものである。なので、転職活動中の方には参考にならないかもしれないことを留意してほしい。

企業を選ぶ上での重要項目って?

結論から言うと、正解はない。当たり前ながら、一人一人、どんな企業に勤めたいかは異なる。しかし、新卒対象の就職活動で、働く事を半分程しか理解できていない状態で選ぶ基準を決定するのは危険に思える。

意外と、給与を第一の目的とする新卒の就活生はいないように思う。最低限このくらい欲しい、という考えはあるものの、企業選びの優先順位としては高くない。

多く声のあがる仕事内容。やりたい事を選択するのは大事だが、一方で、やりたい事が分からないのに、就活の波に乗り自己分析をして、無理矢理にあっている仕事ややりたい事を決定する就活生がいる。

この場合、選択する項目に説得力なんて皆無なので、選ぶだけ無駄である。無理にいくつかの項目を選択して、他の選択肢を潰すくらいならば、いっそ暫定的に全てを選ぶか、あるいはそこでは選ばずに、手当たり次第に企業を受けてみて印象を確かめた方がマシである。

今更だけど、相手のアピールポイントだけ見ても意味ない!

そもそも、良い人材が欲しい企業側と、良い企業に入りたいと考える就活生の感覚は、かけ離れていると考えた方が良い。良い就活生を集める為に、企業側も良いところアピールにには余念がないのは当然だろう。

例えをあげてみるならば、社風や職場環境だ。これを企業を選ぶ条件として選ぶ就活生は少なからずいるだろうが、果たして、社風や職場環境が悪いと自己申告する企業はあるだろうか。悪いところを、嘘でごまかす、なんてことまではしなくても、悪いところに目がいかないよう、良いところを探してそこを最大限アピールするに違いない。

また、就職活動時に接する企業側の人間は、大半が人事の方だが、人事は企業の看板、代表である。当然、見た目もある程度良く、優秀な人材を集約している部署だ。就活生から見て、この人事の方が「がっかり」だった場合、その企業は合わないと思って良いのではないだろうか。

しかし逆に、その人事の方が「素晴らしい」と思っても、他の部署まで「素晴らしい人材」であるとは限らない。よって、人事に「がっかり」した企業は避けろ、くらいの指標でしかない。

じゃあ、何を重要視する?

では、何を基準に企業を選べば良いか?もちろん、直接根掘り葉掘り聞くのも悪くない。しかし、それを全社にできるかと言えば、そんな事は不可能に近い。

さて、人は収入か、人間関係か、仕事内容の3つのうち、どれか1つでも満足できていれば、その仕事を続けていけるのだそうだ。そのうち、人間関係は、企業に入ってみなければ分からない。いくら社内の風通しが良くて環境が良いですよ、と企業に謳われたところで、人の受ける印象はバラバラで、誰かにとっては居心地良い環境でも、自分にとっては悪い環境かもしれない。

では、収入か仕事内容だ。仕事内容については、転職時に選ぶなら良いだろう。だが、新卒採用の就職活動で、仕事内容を絞りすぎるのは如何なものか。アルバイトでやり尽した仕事があり、それを仕事にしたい、というならともかく、最初からあれは嫌だ、これがやりたい、と選り好みするのはいただけない。

なぜなら、例えば何かスポーツや楽器を始めるにあたって、全く練習も何もしたことがないのに、どのポジションや楽器が向いているかどうかなんて、誰にも分からないからだ。やってみなければ何も言えない。スポーツや楽器をやるにあたってならば、誰でもそう思うだろう。

なのに、どうして就職となると、やる前から勝手に向き不向きを判断して、選択肢を狭めてしまうのか。就職活動時、向き不向きを勝手に判断し、あるいは好き嫌いを見た目だけで判断して仕事に就いた人も多くいるだろう。

もちろん、その結果に満足している人も少なからずいる。しかし、なんでこの仕事を選んでしまったんだ、自分はこういう職種は向いていなかった、と思う人も大勢いる。本職でなく何かの拍子に頼まれた仕事で、自分の向いている仕事を知ったり、仕事内容ではなく、それなりに満足いく給与ならなんでもいい、と思う人が多くいることも事実である。